特別寄稿|新作《アニオー姫》を鑑賞して:日越関係が響かせたオペラの魅力|加納遥香
新作《アニオー姫》を鑑賞して:日越関係が響かせたオペラの魅力
Text by 加納遥香 (Haruka Kanoh) :Guest
Photos by 勝恵美 and ダン・ヴー・チュン・キエン
>>> ベトナム語 Tiếng Việt
オペラ《アニオー姫》
Opera “Công nữ Anio”
Opera “Princess Anio”
全4幕(日本語・ベトナム語2か国語上演/日本語・ベトナム語字幕付)
2023年9月22~24日 ハノイ大劇場(ベトナム)
2023/9/22-24 Nhà hát lớn Hà Nội / Hanoi Opera House (Vietnam)
2023年9月27日 フンイエン省コンヴェンションセンター(ベトナム、コンサート形式)
2023/9/27 Trung tâm Hội nghị tỉnh Hưng Yên / Hung Yen Prefecture Convention Center (hình thức hòa nhạc / concert)
2023年11月4日 昭和女子大学人見記念講堂
2023/11/4 Hội trường tưởng niệm Hitomi Đại học nữ sinh Showa / Showa Women’s University Hitomi Memorial Hall
2023年11月6日 長崎ブリックホール 国際会議場(特別音楽朗読劇版)
2023/11/6 Nagasaki Brick Hall International Conference Hall (Kịch kể chuyện âm nhạc đặc biệt / Musical recitation drama)
【スタッフ】 →Foreign Languages
総監督・指揮:本名徹次
作曲:チャン・マィン・フン
原作:新作オペラ「アニオー姫」プロジェクト 原作チーム
演出 戯曲 作詞(日本語):大山大輔
作詞(ベトナム語):ハー・クアン・ミン
【キャスト】
アニオー姫:ダオ・トー・ロアン、ブイ・ティ・チャン
荒木宗太郎:小堀勇介、山本耕平
占い師:ファム・カイン・ゴック
グエン王:ダオ・マック
お妃:グエン・トゥ・クイン
大臣:グエン・フイ・ドゥック
長崎奉行:後藤春馬、斉木健詞
家須:川越未晴
通事:グエン・チュオン・リン
連隊長:グエン・アイン・ヴー
【管弦楽】ベトナム国立交響楽団
【特別音楽朗読劇版 出演者】
指揮:本名徹次
朗読:大山大輔
アニオー姫:ブイ・ティ・チャン
荒木宗太郎:山本耕平
演奏:ベトナム国立交響楽団 オペラ「アニオー姫」アンサンブル
タ・チュン・ドゥック(Cl)、ダオ・マイ・アイン(Vn)、レ・ホアン・ラン(Vn)、
レ・ファン・ニュ・クィン(Vc)、ヴ・カム・トゥー(Cb)、グエン・タイ・ハー(Pf)
約400年前のベトナムと日本の交流を描く全4幕の新作オペラ《アニオー姫》が、2023年9月にベトナムの首都ハノイのオペラハウスで世界初演された。この作品は、日越外交関係樹立50周年記念事業として制作されたもので、ハノイで3公演、北部フンイェン省でコンサート形式1公演の後、11月には昭和女子大学・人見記念講堂にて日本初演、そして長崎で特別音楽朗読劇版が披露された。筆者はそのうち、9月22,23日ハノイ公演、11月4日東京公演、11月6日長崎公演を鑑賞することができた。
このプロジェクトがはじまったのは3年以上も前のこと。2020年2月に山田滝雄在ベトナム日本国大使館特命全権大使(現在)がベトナムに着任して早々、50周年を記念する音楽企画の立案準備がはじまった。ベトナム国立交響楽団(VNSO)音楽監督兼首席指揮者・本名徹次氏、文化事業を手がけるブレインコミュニケーションズ代表・古川直正氏、ヤマハミュージックベトナム代表・谷真琴氏が中心となってオペラ制作の体制づくりが開始され、翌年1月に実行委員会が設立された。
この体制下で、日越両国から選抜された音楽家、芸術家たちが結集して制作に取り掛かった。本名氏は20年以上にわたってベトナムで活動し、現地の演奏家、作曲家、歌手たちと交流・協働・共演を重ねて信頼関係を築き、ベトナムと日本の架け橋となってきた。本プロジェクトでは総監督として、ベトナムを拠点に構想からプロジェクトを牽引し、公演では指揮をした。演出に抜擢されたのは、2015年の沼尻竜典《竹取物語》のハノイ公演(世界初演)でベトナム国立オペラバレエ(VNOB)の歌手たちと共演した大山大輔氏。バリトン歌手であると同時に多種多様なジャンルに挑戦してきた経験を糧に、今回は演出、戯曲と日本語歌詞を手がけた。ベトナムサイドからは、ジャーナリストで作家・作曲家のハー・クアン・ミン氏がベトナム語歌詞の作詞を、そして偶然にも日越外交関係樹立と同年の1973年生まれのベトナム屈指の作曲家チャン・マィン・フン氏が作曲を担当した。
このプロジェクトの着想、実現の背景には間違いなく、幾重もの日越関係、人間関係があった。400年前の日本と広南国の関係、1990年代以降急速に緊密化する政治・経済関係、それと並行して深化してきた文化・音楽交流、そのなかで日々の活動を通して信頼関係を築いてきたベトナム、日本の音楽家、芸術家をはじめとする多くの人々…。さらに古川統括プロデューサーが「3年間の制作現場は、笑いあり、涙あり、時に悩み・ぶつかり合う濃厚な時間」(新作オペラ《アニオー姫》日本公演公式パンフレット、p.60)であったと述懐するように、制作のプロセスを経て新たな関係が日々生みだされ、深められながら作品、舞台がつくりあげられた。そうして3年前にはまったく姿かたちのなかったオペラ《アニオー姫》は、試行錯誤を繰り返しながら年月をかけて徐々に練り上げられ、2023年9月に披露された。
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第2節
オペラ《アニオー姫》は、17世紀初頭頃の朱印船貿易時代から鎖国初期にかけての物語。広南国(現在のベトナム中部、ベトナムではダンチョンと呼ばれる)の玉華(ゴック・ホア)姫と、広南国王の信頼を得た長崎の御朱印貿易商・荒木宗太郎が結婚し、二人が長崎で生涯を過ごしたという史実に基づいている。歌詞にはベトナム語と日本語の二言語が用いられ、公演時には両言語の字幕が表示されていた。タイトルにある「アニオー」とは、夫を呼ぶ「アイン・オーイ anh ơi」というベトナム語が長崎の人々の耳に「アニオー」に聞こえたことから、彼女が「アニオーさん」として慕われるようになったという説に依っている。
冒頭の暗闇のなかで、本名のタクトとVNSOの演奏により、繊細かつ華やかな序曲が柔らかく優しげに鳴り響く。作中で出現する主題が盛りこまれた序曲は、これから2時間以上かけて展開する壮大な物語を予告するかのようであった。幕が上がると、舞台後方に設置されたLED大スクリーンに荒れ狂う波が映し出される。波を表現する舞踊とオーケストラの迫力に満ちた音楽とともに、約400年前のベトナムと日本をつなぐ南シナ海の海上に観客を誘いこむ。その後、第2幕ではベトナム中部の国際港町ホイアン、第3・4幕は玉華姫が嫁いだ後の長崎を舞台として物語が展開する。
筆者はベトナム公演の鑑賞後、この舞台が愛と喜びに溢れていたとつくづく感じた。公式ウェブサイト等に書かれている作品のキャッチフレーズは「朱印船が結んだ玉華姫と荒木宗太郎の恋」であり、ホイアンで10年ぶりに再会した2人が愛を確かめ合うデュエット〈星影の舟〉(第2幕)は、まさにその運命が凝縮された歌であった。玉華姫と宗太郎(ダブルキャスト、ソプラノ・テノール)を演じるのは、ダオ・トー・ロアン氏&小堀勇介氏(9月22、24日、11月4日)、ブイ・ティ・チャン氏&山本耕平氏(9月23日、9月27日、11月6日)。前者のペアは威厳のある趣と迫力のある歌声で運命的な愛を奥深く表現し、後者のペアは心に染み入る抒情的な歌声を響かせた。
ほかにも、大臣(グエン・フイ・ドゥック/バリトン)の助言に耳を傾けつつ愛する娘を異国に遣ることに頭を悩ませる広南国王(ダオ・マック/バスバリトン)や長崎に嫁入りする娘を凛と励まし見送る妃(グエン・トゥ・クイン/メゾソプラノ)(第2幕)、まだ赤子の娘・家須にベトナムの子守歌を聞かせる姫(第3幕)、亡き宗太郎の墓前でデュエットを歌う姫と娘の家須(川越未晴/ソプラノ)、そして両親の運命的な出会いを将来に語り継ぐ家須(第4幕)など、親子や家族の愛に満ちた歌、シーンにあふれている。そして、鎖国によって再び広南国の地を踏むことはできなくなる悲劇がありながらも、物語はハッピーエンドを迎える。フィナーレ〈「長崎祭り」~希望に満ちた未来へ~〉では打楽器が活きたお囃子風の音楽が会場全体を盛り上げ、「ふたさと hai quê」(「ふたつの故郷」を意味する)が再び結ばれる未来への希望が高々と歌われる。ここでいう祭りとは、今も毎年長崎で実施されている「長崎くんち」である。この祭事では7年に1度、「御朱印船」という演目で姫の輿入れの様子が再現されている。史実に基づく過去の物語を現代の現実へと接続して幕を閉じる。
筋書きは一見シンプルであるが、原作だけでも第6稿にまでなったという。その過程では、研究者の助言を得ながら歴史考証を丹念に行ったうえで、フィクションの要素を取り入れて物語化した。そうして完成した作品には、憎しみも争いもひとつも描かれなければ悪役も登場しない。この点について本名は、「両国の関係を記念する作品なので、ベトナムの人も日本の人も、オペラを観たときにすごくハッピーになれる作品にするというのが大テーマ」だったと語る。オペラの展開に不可欠と言われるドラマ性を生みだす大きな役割を担ったのが、日本とベトナムの関係を断ち切り、姫を故郷や両親から引き離した鎖国政策だ。しかし筆者の観た限り、宗太郎に鎖国令を通達する長崎奉行(ベトナム公演:後藤春馬/バスバリトン、日本公演:斉木健詞/バリトン)でさえ、心を痛める宗太郎の気持ちに理解を示すのである。これを踏まえると、ベトナムと日本の友好関係を象徴する玉華姫と宗太郎をめぐる史実は、現代を生きる制作陣の友好関係への強い願いをもって日越関係を祝福する作品となり、歌手や演奏家たちによって「ふたさと」の観客に届けられたといえるだろう。
この作品の印象的なシーンはいくつもあるが、あえて宗太郎・玉華姫両家以外に注目して紹介したい。まずは愉快でお茶目な姫の付き人、通称「芋」の存在だ。大人になった「芋」を演じるディン・カイン・クオン氏のコミカルな演技が活きたシーンは、ストレートに感動を誘いながら進行する物語にユーモアを添えていた。
また、第2幕で玉華姫の運命を導く占い師役を務めたファム・カイン・ゴック氏(特別出演、ソプラノ)の歌唱は圧巻だった。占い師のアリアは2部構成で、前半では自身の願望のままに自由に生きることをのびやかに歌う。開放された心を表現するかのようにテンポアップする後半は、《魔笛》の〈夜の女王のアリア〉を彷彿とさせる技巧的な歌で、カイン・ゴックは魅惑的かつパワフルに歌いあげた。筆者がハノイで鑑賞した2日目の公演では拍手が鳴りやまず、なかなか次のシーンに進めないほどであった。物語展開においては、心のままに運命に従うことを説いて玉華姫と宗太郎、ひいてはベトナムと日本が結ばれる運命を導くこのアリア。第3幕でベトナムと日本、姫と故郷を引き裂くことになる鎖国令を伝える長崎奉行が発する言葉「お上の決めたことには決して逆らってはならぬ」と占い師のメッセージの対照性も、筆者の心に印象深く残っている。
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さて、本オペラは日本語とベトナム語という二か国語で歌われるが、ベトナム語が半分以上を占めている。ベトナム語は声調言語であるがゆえに、旋律の上昇下降と歌詞の声調が一致している必要があり、そうでないと歌詞の意味が変わってしまう。日本語脚本からのベトナム語訳を基にベトナム語の作詞をしたハー・クアン・ミン氏は、「楽曲を尊敬」しているがゆえに作曲家の書いたメロディを歌詞に併せて変更するのではなく「適当な言葉を模索し必要に応じて歌詞の方にアレンジを加え」、「結果、新たなアリアが生み出されていったと思います」と述べている(公式パンフレット、48頁)。
ベトナム語オペラとしての《アニオー姫》の見どころのひとつは、日本語を母国語とし、イタリア語をはじめとするヨーロッパの言語での歌唱の訓練を積んできたオペラ歌手たちが、ベトナム語で歌声を響かせたことであろう。日本のオペラ歌手がベトナム語で歌唱するのを筆者がはじめて聴いたのは、2023年7月に東京で開催された記者発表会でのこと。トー・ロアンとともにデュエットを披露した小堀氏のベトナム語歌唱に、筆者は図らずも目に涙が滲むほど感動した。本番まで、宗太郎役の小堀氏・山本氏、そして家須役の川越氏らは猛特訓を積んだのであろう。彼らはベトナム語で書かれた膨大な量の歌詞を身体に刻みこみ、9月と11月の舞台で響かせたのである。
さらに筆者は、ベトナム人歌手たちによるベトナム語歌唱を聴き、この言語の響きの美しさを改めて実感した。公演を観に行った筆者のベトナム人の友人も「はじめてベトナム語のオペラを聴いてぞくぞくした」とその感動を話してくれた。しかしそもそもベトナム語のオペラ歌唱は、声調(北部では6つある)や語末に口を閉じる語、語末を伸ばせない語などの存在ゆえに、ベトナム語を母語とする歌手にとっても多くの訓練を要するという(Võ Văn Lý. 2015. Phát âm tiếng Việt trong Nghệ thuật Ca hát. Nhà xuất bản Đại học Huế. p.38-55)。筆者はベトナム語歌唱について今後深く探究したいという思いに駆られているところであるが、今回の公演で感じた、西洋や日本のオペラ、あるいはベトナムの伝統的な歌唱とは異なるベトナム語オペラならではの繊細な響きは、上述したような作詞・作曲での創意工夫、そして舞台上でそれを歌い上げる歌手たちの努力と高度な発声技術の結果として生みだされたのだろうと想像する。
ベトナム語で書かれたオペラは、1965年初演の《コー・サオ Cô Sao》(ドー・ニュアン作曲・脚本)や2016年初演の《赤い葉っぱ Lá Đỏ》(ドー・ホン・クアン作曲、グエン・ティ・ホン・ガット脚本)など、他にもある。《アニオー姫》をきっかけに、今後もさまざまな作品を通してベトナム語のオペラ歌唱の魅力がベトナム国外の観衆に届いてほしい。
次に作曲に目を向けてみたい。音楽を手がけたチャン・マィン・フンはハノイ音楽院の修士課程を修了、交響曲・交響詩からロマンス、合唱などの声楽作品まで多くの作品を作曲してきた。海外の音楽祭への出展や国際共同制作なども経験し、ベトナム屈指の作曲家として活躍している。《アニオー姫》はそんな彼が手がけたはじめての本格的なオペラである。
作曲にあたってはまず、少数民族音楽を含めたベトナム各地の民謡、伝統音楽をふんだんに使用しており、ところどころに筆者にも聞きなじみのある響きが聴かれた。また、本作品の作曲のために日本のさまざまな音楽に触れて研究し、民謡音階や都節音階、律音階、琉球音階、「長崎くんち」のお囃子の太鼓などを作曲に取り入れたという(公式パンフレット、44-45頁)。さらにベトナムの音楽と日本の音楽の旋法を組み合わせることで、多様な音色と感情を表現したと彼は語っている。
ここで興味深いのは、日本の情景、日本人だから日本の旋法、ホイアンだからベトナム中部の民謡の旋法を使用する、といった作曲の仕方をしていないことである。彼は筆者に次のように説明してくれた。「それぞれの音階にそれぞれの色合い、感情があります。光に溢れたもの、暗いもの、温かいもの、冷たいもの、楽しいもの、悲しいものなど…。私はそれらひとつひとつの特徴に価値を見いだし、脚本の物語の具体的な状況のために音楽を書きました。」たとえば、哀切な心境は主に日本の音階、楽しい場面では主にベトナムの音階を用いたという(公式パンフレット、44-45頁)。
だからであろうか。筆者の聴取体験に基づくかぎり、その音楽からは、西洋とは異なる独自性を打ちだそうというような肩肘張る様子は感じられなかった。序曲が始まった瞬間から、アジアにおけるオペラが陥りがちな、西洋/東洋、ヨーロッパ/アジアといった二項対立的な見方をすっと乗りこえてしまうような作品であった。作曲技法や音楽理論については筆者の知識が及ばないが、「聞き覚えのある世界に安住せず、自然に新しい世界を生み出す」(毎日新聞、2023.11.22、東京夕刊、5頁、芸能面)と評した梅津時比古氏の受け止め方に筆者も同感である。
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愛、喜びを正面から実直に体現したオペラ《アニオー姫》は、日越の親密な関係を祝福し、将来のさらなる深化への願いを観客に届けた。本企画の成功を筆者も嬉しく思う。さらにこの作品は、日越の友好記念イベントの枠組みにとどまらず、多様なメッセージを発信できる力を秘めているように思われる。たとえば宗太郎の一生を主題に演出したらどうなるか、あるいは先述した、占い師と長崎奉行の対照性をクローズアップしたらどうなるか。的を射ているかはともかく、素人の筆者の想像は尽きない。
また、本稿後半の内容を踏まえればオペラ《アニオー姫》は、ベトナム語と日本語、音楽と言葉、ベトナム音楽と日本音楽と西洋音楽、日本の歌手によるベトナム語歌唱、ベトナムの歌手による日本語歌唱など、アーティストたちの感性と技術と身体を通してベトナムと日本を中心としたさまざまな文化が反応し、時に反発しながら調停し、結晶化した作品、舞台であるといえよう。だとすればこの作品、舞台は、オペラの未来、特に非西洋発のオペラの未来に対しても何か大きな示唆を与えているのではないだろうか。
日越外交関係樹立記念事業として誕生したこの作品が今後、ベトナムで、日本で、そして世界で、さまざまな文脈で再演されることを心より願う。
本稿を執筆するにあたり、本名徹次氏、チャン・マィン・フン氏をはじめ、多くの方に作品やプロジェクトについてご教示いただいた。ここに改めて感謝の意を表したい。
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(2023/12/15)
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Tổng đạo diễn / Chỉ huy: Honna Tetsuji
Tác giả âm nhạc: Trần Mạnh Hùng
Nguyên tác: Đội ngũ tác giả nguyên tác Dự án Opera “Công nữ Anio”
Đạo diễn, Tác giả kịch bản: Oyama Daisuke
Tác giả soạn lời (Tiếng Nhật): Oyama Daisuke
Tác giả soạn lời (Tiếng Việt): Hà Quang Minh
[Diễn viên]
Công nữ Anio: Đào Tố Loan, Bùi Thị Trang
Araki Sotaro: Kobori Yusuke, Yamamoto Kohei
Thầy bói: Phạm Khánh Ngọc
Chúa Nguyễn: Đào Mác
Chính phi: Nguyễn Thu Quỳnh
Quan khám lý: Nguyễn Huy Đức
Nagasaki bugyo: Goto Kazuma, Saiki Kenji
Yasu: Kawakoshi Miharu
Thông dịch: Nguyễn Trường Linh
Cai cơ: Nguyễn Anh Vũ
[Dàn nhạc]
Dàn nhạc Giao hưởng Việt Nam
[Diễn viên cho Kịch kể chuyện âm nhạc đặc biệt]
Chỉ huy: Honna Tetsuji
Kể chuyện: Oyama Daisuke
Công nữ Anio: Bùi Thị Trang
Araki Sotaro: Yamamoto Kohei
Dàn nhạc: Lục tấu “Công nữ Anio” (Dàn nhạc Giao hưởng Việt Nam)
Tạ Trung Đức (Cl), Đào Mai Anh (Vn), Lê Hoàng Lan (Vn),
Lê Phan Như Quỳnh (Vc), Vũ Cẩm Tú (Cb), Nguyễn Thái Hà (Pf)
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General Director / Conductor : Honna Tetsuji
Composer: Tran Manh Hung
Story by: Princess Anio Opera Project
Producer, Librettist, and Lyricist (Japanese): Oyama Daisuke
Lyricist (Vietnamese): Ha Quang Minh
[Cast]
Princess Anio: Dao To Loan, Bui Thi Trang
Araki Sotaro: Kobori Yusuke, Yamamoto Kohei
Fortune Teller: Pham Khanh Ngoc
King Nguyen: Dao Mac
Queen: Nguyen Thu Quynh
Minister: Nguyen Huy Duc
Nagasaki Magistrate: Goto Haruma, Saiki Kenji
Yasu: Kawakoshi Miharu
Interpreter: Nguyen Truong Linh
Captain: Nguyen Anh Vu
[Orchestra]
Vietnam National Symphony Orchestra
[Musical recitation drama]
Conductor: Honna Tetsuji
Recitation: Oyama Daisuke
Princess Anio: Bui Thi Trang
Araki Sotaro: Yamamoto Kohei
Ensemble: Chamber orchestra for “Princess Anio” (Vietnam National Symphony Orchestra)
Ta Trung Duc (Cl), Dao Mai Anh (Vn), Le Hoang Lan (Vn),
Le Phan Nhu Quynh (Vc), Vu Cam Tu (Cb), Nguyen Thai Ha (Pf)
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加納遥香(Haruka Kanoh)
2021年に一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻博士後期課程を修了し、博士(社会学)を取得。専門は地域研究、音楽文化研究、グローバル・スタディーズ等。主な地域はベトナム。修士課程、博士後期課程在籍時にはハノイに滞在し留学、調査研究を実施し、オペラをはじめとする「クラシック音楽」を中心に、芸術と政治経済の関係について領域横断的な研究に取り組んできた。