Menu

注目の公演・イベント|2023年5月

♩5/4、5、6 ラ・フォル・ジュルネ

4年ぶりの開催となる5月の祭典「ラ・フォル・ジュルネ2023」のテーマは「Beethoven ― ベートーヴェン」。今こそ人類愛を叫ぶ大ベートーヴェンの魅力を存分に浴びよう、という3日間。交響曲、ピアノ協奏曲、ピアノ三重奏曲、ピアノ・ソナタなど傑作の数々からベートーヴェンへのオマージュ作品までを含むプログラムでのベートーヴェン三昧だ。たっぷり人類愛に浸り、周りの人々ともその愛を分かち合いたい。

5/4,5,6@東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町、東京駅、京橋、銀座、日本橋、日比谷各所
https://www.lfj.jp/lfj_2023/

♩5/6、8 台湾フィルハーモニック2023日本公演

台湾が世界に誇るトップ・オーケストラ、台湾フィルハーモニックが新音楽監督 準・メルクルと共に再来日する。兵庫と東京の2公演。兵庫公演は、李元貞:美濃之道、ブルッフ:スコットランド幻想曲、メンデルスゾーン:「フィンガルの洞窟」序曲、ドビュッシー:交響詩「海」。東京公演はドビュッシー:交響詩「海」、ブルッフ:スコットランド幻想曲、ゴードン・チン(金希文):ゴールデン・ビーム・オン・ザ・ホライズン・オブ・フォルモサ(日出臺灣)、ベートーヴェン:合唱幻想曲。いずれもリチャード・リンvnをソリストに迎える。アジアのオケの響きに耳を傾けよう。

5/6@兵庫県立芸術文化センター大ホール
5/8@東京オペラシティ コンサートホール
https://www.aspen.jp/concert/台湾フィルハーモニック日本公演新音楽監督-準・/

♩5/8 Salvia-hall Quartet Series Season52 Rising Star Quartets 2023 クァルテット・インテグラ

2022年に開催されたARDミュンヘン国際コンクールでの第2位入賞&聴衆賞受賞の快挙ももはやこの団体にしてみれば1つの「通過点」に過ぎない、というほどにコンサートの度にその演奏が進化し続けているクァルテット・インテグラが、ファンから「弦楽四重奏の聖地」とも呼ばれている音響効果の目覚ましい鶴見のサルビアホールでコンサートを開く。ショスタコーヴィチ、ヤナーチェク、シューベルトの傑作3曲を惜しげなく並べた痛快なプログラム、大注目。

5/8@サルビアホール
https://salvia.hall-info.jp/concert/20230508_quartet_series_s52/

♩5/9、10、11 クリストフ・エッシェンバッハ指揮 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団来日公演

83歳の巨匠エッシェンバッハが名門ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団とブラームスの交響曲全4曲チクルス3日間を首都圏で披露する。チクルスⅠは第2番のほか、佐藤晴真vcを迎えてのドヴォルザーク:チェロ協奏曲。Ⅱは第3番と第1番。Ⅲは第4番でこちらは五嶋みどりvnとシューマン:ヴァイオリン協奏曲という組み合わせ。むろん、王道ブラームスも魅力だが、気鋭の若きチェリストと、ヴェテラン五嶋みどりとのそれぞれの協奏曲も聴き逃せない。なお、名古屋公演もある。

5/9@東京オペラシティ コンサートホール
5/10@横浜みなとみらいホール
5/11@サントリーホール
5/14@愛知県芸術劇場コンサートホール
https://www.amati-tokyo.com/performance/2212141050.php

♩5/10 クリスティアン・ベザイデンホウト(フォルテピアノ)&平崎真弓(ヴァイオリン)

2022年1月、サントリーホールでのブランデンブルク協奏曲全曲演奏に出演する予定だった平崎真弓は、新型コロナウイルス感染症オミクロン株に対する政府の水際対策強化のため、出演が叶わなかった。ようやく平崎のヴァイオリンが聴ける機会。ベザイデンホウトとのデュオも楽しみだ。

5/10@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202305101900.html

 

 

 

♩5/10 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第360回 定期演奏会

高関健が常任指揮者に就いてから東京シティ・フィルの演奏水準は確実に向上を遂げているが、この第360回定期演奏会ではいずれも20世紀前半に作曲されたブリテン、ベルク、オネゲルのヒューマニスティックな傑作を3曲演奏。ベルクの協奏曲では山根一仁がソリストを務めるのも聴きのがせまい。また、オネゲルは20世紀に書かれた交響曲の中でも間違いなく上位に位置する作品ながら実演では意外に取り上げられることは少なく、これを高関が精緻に仕上げてくれることに期待。

5月10日(水)東京オペラシティコンサートホール
https://www.cityphil.jp/concert/detail.php?id=417&y=2023&m=5

 

 

♩5/11 キャロリン・サンプソン&ジョゼフ・ミドルトン
~ロベルト&クララ・シューマンの歌曲集から8つの情景~

キャロリン・サンプソンとジョゼフ・ミドルトンによる5年半ぶりのリサイタル。前回は「花に寄せて」として花にちなんだプログラムで魅了してくれたが、今回はロベルトとクララ・シューマン夫妻の歌曲を組み合わせた構成。ロベルトの《女の愛と生涯》の各曲にロベルトとクララの歌曲やピアノ・ソロを交え、より大きな物語として歌い上げるもの。彼女の表現力にも注目。

5/11@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2023/20230511.html

 

 

♩5/12 東京都交響楽団第975回定期演奏会Aシリーズ 三善晃生誕90歳没後10年記念「反戦三部作」

今まさに戦争が行われている現在において「反戦」を唱えることはどのような意味を持つのであろうか。現実の狂気に抗い得る力を音楽は持つことができるのだろうか。何もかもが憎悪と恐怖にまみれ手遅れとなる前に、三善晃の「反戦三部作」を聴き、音楽と戦争と人間とに思いを馳せたい。

5/12@東京文化会館
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3653

 

 

 

♩5/12、13 日本フィルハーモニー交響楽団第750回東京定期演奏会

今年1月の伊福部・バルトークの鮮烈な余韻(本誌秋元評齋藤評)がまだ残る日フィル=カーチュン・ウォンが今回挑むのはミャスコフスキー、芥川也寸志、ヤナーチェクの3人である。どの御仁もクラシック史上の本流からは距離をおいた曲者揃い。芥川作品でのソリスト佐藤晴真にも期待大。日フィル=カーチュン新時代へ先駆けの鐘が鳴るか?

5/12,13@サントリーホール
https://japanphil.or.jp/concert/20230512

 

 

 

♩5/12,14 ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団 R.シュトラウス 歌劇《エレクトラ》

ジョナサン・ノットが東京交響楽団を率いて行うリヒャルト・シュトラウスのコンサート・オペラ第2弾。昨年の《サロメ》の緊迫感あふれる演奏を上回る公演が期待できる。当たり役であるエレクトラを歌うベテラン、クリスティーン・ガーキーに加え、クリソテミスのシネイド・キャンベル = ウォレス、オレストのジェームス・アトキンソンといった期待の若手の歌唱が楽しみ。クリテムネストラには大ベテラン、ハンナ・シュヴァルツが予定されている。

5/12@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/elektra/
5/14@サントリーホール
https://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=nloKfGdksDE%3D

♩5/12,16サリクス・カンマーコア第8回定期演奏会 ハインリヒ・シュッツの音楽Vol.3
シュッツよ、君の名が 死者を死から 解き放つ

今年はシュッツの没後350年にあたり、シュッツを巡る演奏会が多い。第6回定期演奏会からシュッツを取り上げてきたサリクス・カンマーコアが満を持して選んだ「葬儀・追悼式」にまつわる作品たち。まさに今の私たちに響く演奏会となるだろう。

5/12@台東区生涯学習センターミレニアムホール
5/16@J:COM浦安音楽ホール コンサートホール
https://www.salicuskammerchor.com/concert

 

 

♩5/13 CORE PORT×THE PIANO ERA spin-off『POLISH PIANISM Concert』[スワヴェク・ヤスクウケPL/横山起朗JP]

2013年に始動した〈The Piano Era〉がレベール〈コアポート〉と共同したプロジェクト。ポーランドの現代ジャズへの注目を牽引したスワヴェク・ヤスクウケと、国立ショパン音楽大学を経て日波間で活躍する横山起朗が出演。『Quiet Corner』好きは必見。静寂と哀しさと優しさの音色を感じたい方にオススメしたい。

5/13 東京・めぐろパーシモンホール 大ホール
http://www.thepianoera.com/

 

 

♩5/13 上野通明 バッハ無伴奏全曲

今日本の若手チェリストの中でも最も注目すべき存在は上野通明だろう。バロックから現代と幅広いレパートリーを持つ上野はどの演奏も通り一遍でない深く曲想を掘り下げた演奏を聴かせ既にして大家の風格すら感じさせるが、その上野が神奈川県立音楽堂でバッハの無伴奏チェロ組曲全6曲を1日で弾き切るコンサートを実施する。木の温もりを感じさせる響きを誇るこの名ホールとバッハの無伴奏はまさにベストマッチだろう。期待するしかあるまい。

5/13@神奈川県立音楽堂
https://www.kanagawa-ongakudo.com/event/38402

 

 

♩5/13、14、16 水戸室内管弦楽団

水戸室内管弦楽団(MCO)とアルゲリッチpf.の共演もこれで5回目とか。今回はラヴェルのコンチェルトで華麗なコラボを楽しめる。さらに、ベネズエラのエル・システマ出身、クラウディオ・アバドの薫陶を受けた若きマエストロ、ディエゴ・マテウスが初登場となる。プロコフィエフ:交響曲 第1番、ストラヴィンスキー: 組曲〈プルチネッラ〉、コダーイ: ガランタ舞曲 といずれもマテウスの個性が生きる作品。アルゲリッチ、オーケストラとそれぞれの化学反応が楽しみだ。 MCOと別府アルゲリッチ音楽祭共同制作で、東京公演もある。

5/13,14@水戸芸術館
https://www.arttowermito.or.jp/mco/concert/single.php?id=article_4457
5/16@東京オペラシティコンサートホール
https://www.arttowermito.or.jp/mco/concert/single.php?id=article_4473

♩5/13~21 タニノクロウ『虹む街の果て』

庭劇団ペニノ主宰タニノクロウが、2021年にKAATに書き下ろした『虹む街』の続編。前作では、横浜の野毛をモデルにした精巧な舞台美術の中で、多様な生活の営みを淡々と描き切った。今回はパーカッショニスト渡部庸介と俳優赤星満を迎え、再び神奈川県民を中心としたキャストと共に、『虹む街』の未来を創り上げる。

5/13~21@KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
https://www.kaat.jp/d/nijimumachi_no_hate

 

 

 

♩5/15 4人の指揮者による「ニュークラシックプロジェクト」受賞作品世界初演コンサート

クラシック界を牽引する指揮者4人が自分たちの時代の作品を残そうと企画、22世紀に受け継がれる作品募集で選ばれた作品4作を世界初演する。城代悠子:IKUSA/ 指揮:原田慶太楼、萩森英明:東京夜想曲/ 指揮:鈴木優人、松井琉成:交響詩《うつしがたり〈翠〉》/ 指揮:藤岡幸夫、山田竜雅:《祈り》〜⼥声と管弦楽のための〜/ 指揮:山田和樹。演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、愛知室内オーケストラ。音源制作からスコア出版に至るまで日本の音楽シーンを担う各社が提携、世界に発信する大掛かりなプロジェクトだ。「フラボーもブーも大歓迎」とか。ぜひ、叫びに出かけよう。彼ら4人の世代と聴き手がこれからの日本を大きく変えてゆくことを期待する。

5/15@東京オペラシティ コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2024/

♩5/16 B→C バッハからコンテンポラリーへ 252 大西宇宙(バリトン)

東京オペラシティの名物シリーズに、注目を集めているバリトン大西宇宙が登場。プログラムは、バッハ、ヘンデル、テレマンというほぼ同時代の作品と21世紀の作品のみで構成され、二つの時代を結び付けるもの。リサイタリストとしての大西の力量、おおいに楽しみたい。

5/16@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15718

 

 

 

♩5/25〈コンポージアム2023〉近藤 譲の音楽

東京オペラシティ主催公演〈コンポージアム〉今年の「武満徹作曲賞」審査員は近藤譲。本公演では、初期から最新作に至るまでのオーケストラ編成による5作品が披露される。総勢28名のクラリネットアンサンブル作品《フロンティア》は、国立音楽大学クラリネットアンサンブルが実演。「線の音楽」のコンセプトでも知られる日本を代表する作曲家の過去と現在に思いを巡らせる貴重な機会となるだろう。

2023/5/25@トウキョウオペラシティ コンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15708

 

 

♩5/26 ヴァシリー・ペトレンコ指揮 辻井伸行ピアノ ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

ヴァシリー・ペトレンコ率いるロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演。5月下旬に各地を回るが、中でも26日の曲目はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と、ショスタコーヴィチの交響曲第8番。チャイコフスキーの代表作に辻井伸行がどう挑むのか必聴。ショスタコーヴィチの交響曲第8番は彼の作品中かなりの大作であり、第2次世界大戦中に作られた曲だが、聴けば聴くほど何を表しているのか分かりにくい。戦争の苦しみや絶望が表されているかと思えば明るく快活にもなるし、牧歌的にもなる。陽気でもありグロテスクでもあり、躍動的でもあり虚無的でもある。この難解な作品に対し、ペトレンコとロイヤル・フィルはどう向き合い、どのような答えを出すのだろうか。

5/26@サントリーホール
https://www.ints.co.jp/rpo2023.html

♩5/27 濱田芳通(指揮・リコーダー)&アントネッロ(管弦楽) J.S.バッハ《マタイ受難曲》BWV244

バロック・オペラの上演でここ数年充実した演奏を行ってきている濱田芳通とアントネッロ、今度はバッハの《マタイ受難曲》を取り上げる。オーケストラ、独唱・合唱には常連といってよい人たちが集まっている。濱田が作り出す音楽は、これまでの演奏や常識にとらわれず、新鮮なおどろきを与えてくれることだろう。

5/27@川口総合文化センター・リリア 音楽ホール
https://www.lilia.or.jp/event/3113

 

 

♩5/27,28 NISSAY OPERA 2023 ケルビーニ 歌劇《メデア》

日生劇場の開場60年を記念する公演、ケルビーニの歌劇《メデア》。オリジナルの歌詞はフランス語であるが、イタリア語版を用いた日本初演となる。ギリシャ悲劇に基づく王女メデアの復讐の物語。指揮者、園田隆一郎、演出、栗山民也で上演される。主役のメデアを歌うのは、岡田昌子と中村真紀という2人、その他のキャストも若手を中心に組まれており、いままで日本では演奏機会のなかったこのオペラを十全な体制で演奏してくれることだろう。

5/27,28@日生劇場
https://www.nissaytheatre.or.jp/schedule/medea2023/

 

 

♩5/28,29 Zum 100. Geburtstag! Vielen Dank, Gyorgy Ligeti

2023年は現代音楽史上の偉大なる奇人、ジェルジ・リゲティ生誕百年のメモリアルイヤーである。それを祝してトッパンホールがリゲティ演奏の第一人者トーマス・ヘルを中心に川口成彦、福川伸陽、毛利文香、赤坂智子、クァルテット・インテグラを集結させた。リゲティが音に誘われて会場に降りてくるかのような舞台が実現すること間違いなしである。

5/28,29@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202305281900.html
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202305291900.html

 

 

♩5/30〜6/7 ヴィオラスペース2023

今年でvo.31となるヴィオラの祭典《ヴィオラスペース2023》、今回のテーマは「愛」。東京で2公演、大阪、仙台で各1公演の開催となる。モーツァルト、ブラームス、シューマンらのヴィオラ作品から「愛の物語」としてデュエットやセレナードを。一方、ヴィオラの兄弟で「愛のヴィオラ」と称されるヴィオラ・ダモーレからバッハ、ヴィヴァルディ、ハイドンらの名曲を。なるほど愛を語るにヴィオラはもっとも相応しいかも。2022年第5回東京国際ヴィオラコンクール優勝者ハヤン・パクと第2位湯浅江美子も登場、ヴィオラファンには必聴だろう。

5/30~6/7@東京、大阪
https://www.tvumd.com/schedule/