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撮っておきの音楽家たち |ペーター・ヤブロンスキー|林喜代種

ペーター・ヤブロンスキー(ピアノ奏者)
Peter Jablonski (Pianist)

2023年2月20日 王子ホール
Photos & Text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

異才のピアニスト、ペーター・ヤブロンスキーが東京で一夜限りの渾身のプログラムで演奏会を行なった。
ヤブロンスキー、1971年スウェーデン生まれ。5歳でドラムを、6歳でピアノを始める。非凡な才能を発揮。当初は特にドラムにのめり込み、9歳の頃にはニューヨークのヴィレッジヴァンガードや著名なジャズフェスティヴァルで、バディ・リッチやサド・ジョーンズなどとも共演、伝説のジャズマン、マイルス・デイヴィスからも賛辞を受けるほどの活躍を見せる。
やがてその情熱はクラシックピアノにも注がれ、11歳でソロ・デビュー。翌年にはモーツァルトのK453でコンチェルトデビュー。ピアノとパーカッションの更なる研鑽を積むべくマルメ音楽アカデミーに入る。そこを卒業までにスウェーデン、デンマーク、ポーランドの各放送オーケストラに招かれ、ベートーヴェンの協奏曲第1番を共演。
その後イギリスの王立音楽大学にてピアノと指揮を学ぶ。在学中にウラディーミル・アシュケナージの目にとまりアシュケナージ指揮ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団との共演でDeccaからCDデビューする。アンネ・ゾフィー・フォン・オッタ―Ms、ベングト・フォシュベリpfと共演したシャミナード作品の録音に対して2002年グラミー賞のベスト・クラシカル・ボーカル・パフォーマンス部門にノミネートされたほか、グラモフォン・クラシック音楽賞を授与される。作曲家ルトスワフスキーやアルト・ペルト等が彼に捧げた作品が数多くある。
1992年ワシントンDC、1993年ロンドンのロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのデビュー以来、世界のトップ・オーケストラと共演している。NHK交響楽団、東京フィル、東京交響楽団、関西フィル等日本のオーケストラとの共演も多い。シャイー、サロネン、チョン・ミョンフン、ゲルギエフ、アシュケナージ、ノットなど多くの指揮者と共演。
今回演奏したバツェヴィチの協奏曲、シマノフスキ―の作品をオンディーヌからリリースする予定。

(2023/3/15)