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撮っておきの音楽家たち|ダニエーレ・ルスティオーニ|林喜代種

ダニエーレ・ルスティオーニ(指揮者)
            
2017年2月14日 東京文化会館
2017年2月26日 東京芸術劇場
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

イタリアの俊英指揮者ダニエーレ・ルスティオーニが東京都交響楽団の定期演奏会に登場。これに先立つ2月の二期会オペラ《トスカ》での素晴らしく引き締まった演奏の余韻が残るなか、ベルリオーズの《幻想交響曲》では今まで聴いたことのないような音楽で聴衆を魅了した。
ダニエーレ・ルスティオーニは1983年イタリアのミラノ生まれの34歳。ミラノでオルガン、ピアノ、作曲を学び、指揮はジルベルト・セレンベから手ほどきを受ける。小さい時からスカラ座の合唱団に属し15歳でジュゼッぺ・ヴェルディ音楽院に、その後シエナのキジアーナ音楽院でジャンルイージ・ジェルメッティに、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスではアントー二・パッパーノの薫陶を受ける。2007年ジャナンドレア・ノセダに師事する。彼の推薦でトリノ王立歌劇場にデビュー。2008年1月24歳の時、サンクト・ペテルブルクのミハイロフスキー劇場においてマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカ―ナ」を指揮聴衆・批評とも絶賛され、首席客演指揮者に就任。
日本では2014年二期会オペラ《蝶々夫人》を指揮。評判となる。
2011年トスカーナ管絃楽団の首席客演指揮者、2013年バーリのペトルッチーリ劇場の音楽監督、14年からトスカーナ管絃楽団の首席指揮者に就任。27歳でミラノ・スカラ座にデビュー。2016/17シーズンにニューヨークのメトロポリタン歌劇場にデビュー。2017年9月から大野和士の後任としてフランス国立リヨン歌劇場首席指揮者の就任予定。
前述の二期会《トスカ》は絶賛されたが、シンフォニック・レパートリーでも絶大な評価を得ている。タイムズ紙は「巨匠になることを約束された別格の才能」と評し、朝日新聞は「トスカニーニの再来か。骨の髄までオペラ指揮者」と評す。ルスティオー二は「完璧な演奏家はドイツ、フランス、ロシアの作品も指揮すべきだ」とインタビューに答えている。イタリア若手指揮者「三羽烏」の一人と言われ、アンドレア・バッティストーニ(29)、ミケーレ・マリオッティ(36)と比べてレパートリーが広く偏りがないと言われている。

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