瞬間(とき)の肖像|大橋エリ(グラスハープ )|長澤直子






Eri Ohashi (glass harp) 2025年4月1日 東京文化会館小ホール
日本モーツァルト協会 第668回 演奏会
Photos and Text by 長澤直子 (Naoko Nagasawa)
その指先がグラスの縁をなぞるたび、空気が震える。可視化出来ない透明な音の波が、ホールの隅々へと漂うように広がる。 グラスハープの大橋エリを中心にプログラムが組まれた「日本モーツァルト協会」の第668回演奏会は、同会70周年の節目にふさわしく、末永く語り継がれるものとなった。
演奏会の主軸は《グラスハーモニカのためのアダージョとロンド K617》。グラスハーモニカのために書かれた、モーツァルト最晩年の幻の名作と言われる作品で、楽器編成はグラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの五重奏。共演者には、フルートの相澤政宏、オーボエの荒木奏美、ヴィオラの安藤裕子、チェロの北口大輔。国内外で活躍する実力派が顔を揃え、息の合ったアンサンブルを聴かせた。なお、この曲が同会で演奏されるのは19年ぶり4回目、グラスハープによる演奏は初という、まさに歴史的な一夜。
休憩中、近くから舞台上のグラスハープを見ることが出来た。目を凝らして見てみると、いちごのような模様、星のような切込みなどが見え、どうやら揃いのグラスというわけではなさそうだ。それらの異なるグラスたちが不思議と調和し、美しく響き合うとは! 何という神秘だろうかと、奇跡すら感じずにはいられない。
演奏会の主軸は《グラスハーモニカのためのアダージョとロンド K617》。グラスハーモニカのために書かれた、モーツァルト最晩年の幻の名作と言われる作品で、楽器編成はグラスハーモニカ、フルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロの五重奏。共演者には、フルートの相澤政宏、オーボエの荒木奏美、ヴィオラの安藤裕子、チェロの北口大輔。国内外で活躍する実力派が顔を揃え、息の合ったアンサンブルを聴かせた。なお、この曲が同会で演奏されるのは19年ぶり4回目、グラスハープによる演奏は初という、まさに歴史的な一夜。
休憩中、近くから舞台上のグラスハープを見ることが出来た。目を凝らして見てみると、いちごのような模様、星のような切込みなどが見え、どうやら揃いのグラスというわけではなさそうだ。それらの異なるグラスたちが不思議と調和し、美しく響き合うとは! 何という神秘だろうかと、奇跡すら感じずにはいられない。
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大橋エリ(グラスハープ)
クラシック音楽とグラスハープの伝統を次世代へ繋ぎ、教育・文化の両面で重要な役割を担うアーティスト。国立音楽大学卒業後、2015年にキングレコードよりCDをリリース。
NHK「ムジカピッコリーノ」など、多数の番組や作品に出演。また「光る君へ」「虎に翼」 などの録音にも参加。繊細で表現力豊かな演奏には定評があり、モーツァルト幻の名作《K.617》の復元に精力的に取り組む。
(2025/4/15)