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特別寄稿|時間(とき)の寝息|チコーニャ・クリスチアン

『時間(とき)の寝息』
Il respiro del Tempo

Text & all works created by チコーニャ・クリスチアン(Cristian Cicogna)
夢巡(むじゅん  MUJUN)

 

漢字の魅力。
自分の文化にないものだからこそ強く惹かれる。
アルファベットと全く異なり、ただの文字でもない。
音読み、訓読み、仮名をレゴブロックのように組み立てると、新しい言葉が生まれる。
漢字の神秘。
奥深く、難しい。
暗号の掛かった宝箱のようだ。
異次元に突入できるような気がして、漢字の勉強にのめり込んだ。
そして、漢字には美術的な要素が潜んでいることを新たに発見した。
それは夢の世界への入り口だった。
形象と言葉、私の「夢巡」(むじゅん)。
夢の世界を巡る冒険へようこそ。

Il fascino degli ideogrammi.
L’attrazione per qualcosa che non esiste nella propria cultura.
Caratteri completamente diversi da un alfabeto, ma non semplici segni.
Caratteri mobili, vivi, la cui lettura cambia in base alla posizione, formando nuove parole come giocando con i Lego.
Il mistero degli ideogrammi.
Profondi, difficili.
Uno scrigno sigillato con un codice segreto.
Ma la sensazione di poter entrare in un’altra dimensione mi ha spinto a studiarli a fondo.
Poi la scoperta che gli ideogrammi possono nascondere elementi artistici.
La botola per l’ingresso in un mondo da sogno.
Forme e parole: questo è il mio MUJUN.
Seguitemi in questa avventura che vi porterà in un mondo onirico, il mondo di MUJUN.

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*夢巡のサインは各画に入っています。

 スマホやタブレットではこちらから。

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チコーニャ・クリスチアン(
Cristian Cicogna
イタリア・ヴェネツィア生まれ。
1998年にヴェネツィア「カ・フォスカリ」大学東洋語学文学部日本語学・文学科を卒業。現代演劇をテーマに卒業論文「演出家鈴木忠志の活動および俳優育成メソッド」を執筆。卒業直後に来日。
日本語及び日本文学への興味は尽きることなく、上記「カ・フォスカリ」大学に修士論文「『幻の光』の翻訳を通して観る宮本輝像」を提出し、修士号を取得。
SCOTSUZUKI COMPANY OF TOGA)の翻訳及び通訳、台本の翻訳に字幕作成・操作をしながら、現在、大阪大学などで非常勤講師としてイタリア語の会話クラスを担当している。 

 研究活動に関する業績
・“Il rito di Suzuki Tadashi(鈴木忠志の儀式)”、イタリアの演劇専門誌Sipario、ミラノ、2006
・“From S Plateau”(演出家平田オリザの演劇について)、Sipario、ミラノ、2007
・“Ishinha”(劇団維新派の活躍について)、 Sipario、ミラノ、2008
Bonaventura Ruperti, a cura diMutamenti dei linguaggi nella scena contemporanea in Giappone
・ボナヴェントゥーラ・ルペルティ監修『日本の現代演劇における表現の変化』(カ・フォスカリーナ出版、ヴェネツィア、2014年)において、第三章「鈴木忠志:身体の表現」、第八章「平田オリザの静かな演劇」を執筆。