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撮っておきの音楽家たち|篠崎和子(ハープ)|林喜代種

篠崎和子(ハープ奏者)
Kazuko Shinozaki (Harp)

2023年5月4日 武蔵野市民文化会館小ホール
Photos and Text by 林喜代種 (Kiyotane Hayashi)

現在日本のハープ界の若手の第一人者のひとりとして活躍中の篠崎和子がリサイタルを行なった。ハープの優美な音色の魅力をたっぷりとホールに響かせた。演奏曲はヘンデルのハープ協奏曲、デュセックのハープのためのソナタハ短調、ニーノ・ロータのサラバンドとトッカータ、ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女、フォーレの即興曲、母の篠崎史子の委嘱曲でもあった黛敏郎のROKUDAN(1989)。

彼女は8歳より母である篠崎史子のもとでハープを始める。篠崎史子は現代曲をはじめとして古今東西のハ―プ作品を数多く演奏してきたベテランである。その母親の史子のもとで才能を磨いてきた。そして桐朋学園大学、ニース音楽院で満場一致の金メダルを得て卒業。2004年第6回USA国際ハープコンクール入賞等国内外のコンクールで多くの入賞を果たす。また文化庁派遣芸術家在外研修員として2年間パリに留学。2004年に帰国してリサイタル、室内楽の演奏会、国内主要オーケストラと共演する。東京・春・音楽祭、小澤征爾音楽塾などに参加している。2006年第18回エクソンモービル音楽賞洋楽部門奨励賞受賞。2009年第19回出光音楽賞受賞。
師事した演奏家は母の篠崎史子のほかに、ヨセフ・モルナール、マリー=クレール・ジャメ、ミッシェル・ヴィオーム、イザベル・モレッティ、ジェルメンヌ・ロレンティーニ等である。
レパートリーは古典から近現代まで多岐にわたる。同世代の作曲家の新曲初演にも意欲的に取り組んでいる。

現在桐朋学園大学と洗足学園音楽大学の非常勤講師、一般社団法人環太平洋芸術協会理事。
2022年はデビュー20周年記念の年だった。

今回はリサイタル終了後に人数限定で、15分間ほど舞台上で優美なこのグランドハープを間近に見学、演奏者自身の楽器説明が行われた。その後小学生と大人の3人に、一人10分ほど実際にハープを弾いてのワンポイントアドヴァイスのレッスンが行われた。
演奏会の後にこのようなレッスンがあるのは珍しく、あとに続く若い人にハープの良さを伝えようとする意気込みが強く感じられた。

(2023/6/15)