撮っておきの音楽家たち|チョ・ソンジン|林喜代種
チョ・ソンジン(ピアニスト)
2016年1月28日会見・東京芸術劇場5Fロビー
1月29日 ガラ・コンサート2日目 東京芸術劇場
photos and text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
2015年10月ポーランド・ワルシャワで行われた、第17回ショパン国際ピアノコンクールで優勝したのは、韓国生まれの21歳のチョ・ソンジンである。合わせてポロネーズ賞を受賞した。会見に姿を現したのはいずれも若い6人の入賞者たちである。とりわけ優勝者のチョ・ソンジンは爽やかさ一杯の若者である。2009年浜松国際ピアノコンクールでの優勝者として彼の名前はすでに知られていた。15歳の最年少だった。2011年チャイコフスキー国際コンクール、2014年ルービンシュタイン国際コンクールでそれぞれ第3位に入賞している。
日本でのショパン・コンクール入賞者ガラ・コンサートでは、チョ・ソンジンはコンクールのファイナルで演奏した「ピアノ協奏曲第1番」を、ソロの曲では「ノクターン第13番」、「幻想曲」、そして完成度の高い演奏でポロネーズ賞を受賞した「英雄ポロネーズ」の3曲を渾身を込めて弾き切った。この曲を聴きに来た聴衆が多かったという。
チョ・ソンジンは1994年韓国のソウル生まれ。現在はパリを拠点に活動している。またパリ高等音楽院でミシェル・ベロフについて音楽に励んでいる。同じ頃にベロフのアシスタント・プロフェッサーとしてチョ・ソンジンの指導にも関わっているローラン・カバッソも演奏会を行っていた。チョ・ソンジンは同世代の中でも跳び抜けた存在のように感じた。またショパン・コンクール2015の彼のライヴ盤がユニヴァーサル・クラシックスからリリースされている。