撮っておきの音楽家たち|エマ・カークビー|林喜代種
エマ・カークビー(ソプラノ歌手)
2015年12月10日GP 北とぴあ さくらホール
2015年12月16日 Hakuju Hall
photos and text by 林喜代種 (Kiyotane Hayashi)
英国のバロック声楽の名ソプラノのエマ・カークビーがオペラとリサイタルに登場。
まずオペラはヘンリー・パーセル「妖精の女王」。北とぴあ国際音楽祭の第1回は1995年10月。パーセルのオペラ「ダイドーとエネアス」で幕を開けた。以来、古楽の音楽を主に取り上げてきた。その中心的役割を果たしたのがヴァイオリン・指揮の寺神戸亮である。この音楽祭で結成されたのがオリジナル楽器使用した古楽オーケストラ、「レ・ボレアード」である。
今年はパーセルのオペラ「妖精の女王」をセミ・ステージ形式で上演。このオペラにバロック声楽界の女王と言われてきたエマ・カークビーがオペラ初出演した。この「妖精の女王」は音楽の部分と劇の部分がそれぞれ独立しており、芝居が終わると音楽が始まる。劇はシェークスピアの「真夏の夜の夢」である。これを元にパーセルが作曲した17世紀の歌劇。今回の芝居の部分は劇団SPACによる。日本語による芝居。オペラ部分は原語上演。セミステージと謳っているがかなり本格舞台だった。カークビ―は年を重ねても透きとおるきれいな声で多くのファンを魅了。最終の5幕の結婚式の場では和服姿で登場。
またHakuju Hallでのリサイタルではつのだたかしのリュート、伊藤美惠のバロックハープでバロックのクリスマス・ソングを歌った。エマ・カークビーの美しい声がホールをあたたかく包んだ。