撮っておきの音楽家たち|カール=ハインツ・シュッツ|林喜代種
カール=ハインツ・シュッツ(フルート奏者)
2015年8月16~30日 第36回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
9月1日 日経ホール
text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
いま、人気沸騰中の若きフルート奏者のカール=ハインツ・シュッツが8月16~30日まで行われた国際音楽祭、草津アカデミーの講師として招かれ、レッスンや演奏で受講生や聴衆に大きな感銘を与えた。音楽祭終了後各地で演奏会が行われた。東京でも9月はじめに草津と同じメンバーでモーツァルトのフルート四重奏曲集の演奏会が行われ、多くのファンがつめかけた。2011年12月よりウィーン国立歌劇場およびウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めている。また、ヴォルフガング・シュルツの後を継ぎ、アンサンブル・ウィーン=ベルリン、ウィーン・リング・アンサンブルでも活躍している。オーストリアでE・アムスラーに、スイスでオーレル・ニコレに、フランスでP・ベルノルドに師事する。カール・ニールセン国際フルート・コンクール(1998)、クラクフ国際フルート・コンクール(1999)で優勝。シュトゥットガルト・フィルの首席ソロ・フルート奏者(2000~04)、ウィーン交響楽団の首席フルート奏者(05~11)を務める。またウィーン・コンセルヴァトリウム音楽大学教授でもある。草津や他でも演奏されたモーツァルト「フルート四重奏曲」は、シュッツfl、ダナイローヴァvn、リーva、ヴァルガvcによるウィーン・フィルの各首席奏者の演奏CDが最新盤で出ている(CMCD-28313カメラータ)。シュッツのCDは他に「ブラームス:フルート・ソナタ作品120」と「プロコフィエフ:フルート・ソナタ作品94」の2枚がある。(いずれもカメラータより発売)。これからますます目の離せない注目のフルート奏者である。