注目の公演・イベント|2026年1月
🎵 1/7 TOPPAN ホール ニューイヤーコンサート2026
会場:TOPPAN ホール
来年の「ニューイヤーコンサート2026」は《1909年製ベーゼンドルファーとの邂逅》と題し、山根一仁vn、川口成彦pf、兼重稔宏pf、嘉目真木子sopの4人うちそろっての豪華な布陣。この楽器の魅力を多様なアプローチで引き出してくれよう。ピアノ・ソロはベートーヴェン、シューベルト、ショパン、デュオはベートーヴェン、歌曲はブラームス、モーツァルト、R.シュトラウス。ウィーンの名器を囲む、これぞ室内楽の醍醐味を堪能したい。
🎵1/7 カルテット・ヴィア・アンティカ ベートーヴェンの初期弦楽四重奏曲第1回
会場:日暮里サニーホール コンサートサロン
新しくピリオド楽器による弦楽四重奏団が誕生した。古楽というと18世紀までを扱うイメージが強いが、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第1番は18世紀末に作曲され、19世紀初めに出版された19世紀ほやほやの作品である。ここから全3回でベートーヴェンの弦楽四重奏曲を取り上げていくという。聞きなれたベートーヴェンの弦楽四重奏曲がどんな響きになるのか、興味がわいてきませんか?
🎵 1/15 若尾圭良ヴァイオリン・リサイタル
会場:高崎芸術劇場音楽ホール
大友直人ブロデュースの「高崎芸術劇場 大友直人Presents」シリーズ vol.18に登場するのは2006年ボストン生まれ若尾圭良。2024年秋ニューイングランド音楽院入学、同時合格のハーヴァード大学は休学中のキラキラ星。ブラームス、C.シューマン、ベートーヴェン、ショーソン、武満徹、ラヴェルと多彩なプログラムにどんな魅力が発揮されるか、期待したい。ピアノは広瀬悦子。
🎵 1/16 日本フィルハーモニー交響楽団 第777回東京定期演奏会
会場:サントリーホール
新春に広上淳一が振るのはショスタコーヴィチ:交響曲第15番とファジル・サイ:チェロ協奏曲《Never give up》。70歳近くなった広上がショスタコ晩年の境地をどう描き出すか。虚無と諦念かはたまた...。一方のサイはヨーロッパとトルコで起きたテロ事件を材とし、「悲歌」から「希望の歌」を響かせる。チェロは初演したカミーユ・トマ。その「自由と平和への叫び」はショスタコを含め、混迷の現代への問いとなろう。
🎵 1/18 英国ルネサンスの至宝~チューダー王朝の宗教音楽~
会場:千葉市美術館さや堂ホール
中世・ルネサンス・バロックを専門とし、日本のトップを走る声楽家8人が集まっておこなわれるこの演奏会は、イギリスの名門イートン校に伝わる『イートン・クワイアブック』とバードやタリスといったイギリスのルネサンスの代表的な作曲家がエリザベス1世に献呈した《宗教歌集》を取り上げたもの。ルネサンスのなかでもイギリスの作品だけをまとめて聞ける機会は貴重。ぜひお聞き逃しなく。
🎵 1/20 読売日本交響楽団第654回定期演奏会
会場:サントリーホール
名匠ヴァイグレのもと後期ロマン派や近現代のドイツ音楽を探求してきた読売日本交響楽団が、新年早々注目すべき公演を行う。20世紀初頭のドイツで活躍したプフィッツナーが1922年に書いたカンタータ「ドイツ精神について」の日本初演だ。保守的なスタイルや政治的発言などで知られる作曲家だけに、その作品タイトルは様々な想像を喚起させるが、ここは先入観を取り払ってまずは音に耳を傾けるべきであろう。誰よりも彼の国の音楽を知るヴァイグレだからこそ、その素晴らしさを存分に伝えてくれるに違いない。
🎵 1/20 邦楽四重奏団CONCERT vol.14 佐藤聰明 邦楽個展
会場:MUSICASA
2011年に東京藝術大学邦楽科卒業生の、箏・三絃・十七絃:平田紀子、寺井結子、日章吾、尺八:黒田鈴尊によって結成された邦楽四重奏団、今回のコンサートでは思索的で静謐な独自の音楽世界を作り続けている佐藤聰明一人に焦点を合わせる。1979年の作品から委嘱新作まで、45年以上の長いスパンで佐藤がどのように邦楽と向き合ってきたのかを知るまたとない機会。
🎵 1/23 <プラチナ・コンサート・シリーズ Vol.22> 安川みく ソプラノ・リサイタル
会場:Hakuju Hall
新進の期待のソプラノ安川みくの 東京リサイタル・デビューとなる。この日のプログラム、前半では、ベルク、サン=サーンスのナイチンゲール、 ビショップのヒバリ、そして早坂文雄のうぐひす、といった各国で生まれた鳥にまつわる歌曲を取り上げる。後半は、モーツァルトのモテット《エクスルターテ・ユビラーテ》、ヘンデルのオペラ《ジュリオ・チェーザレ》のアリア、さらにヴェルディ、ストラヴィンスキーのオペラ・アリアが並ぶ。彼女が得意とするコロラトゥーラの技術を活かす選曲となっている。ピアノは声楽の伴奏に実績のある松岡あさひがあたる。
🎵 1/23 NHK交響楽団 第2055回定期公演 Cプログラム
会場:NHKホール
デュティユのボードレール詩篇にインスパイアされた傑作を、色彩の芸術家ソヒエフと随一の透明度を誇る上野通明が紐解く。同時にシェヘラザードにばかり脚光が当たるリムスキー=コルサコフの珍しい曲目も目を引く。これを前世紀の最後の年の作品と考えると、20世紀音楽の総決算プログラムだ。
🎵 1/23 シモン・ネーリング ピアノ・リサイタル
会場:浜離宮朝日ホール
2015年ショパン国際ピアノ・コンクールで、地元ポーランド勢唯一のファイナリストに残り、話題となったシモン・ネーリングも、はや30歳。今回はオール・ショパンで、その魅力の全貌を披露する。マズルカからスケルツォ、バラード、ソナタまで、ショパンの多様な声が聴き取れよう。
🎵 1/25(14:30/19:00) 東京鋼琴見聞録
会場:両国門天ホール
「10代半ばで上海から東京へ移り住んだ」日本人・佐藤伸輝が「ヨーロッパを源流とするクラシック音楽の中で、自らの「ネイティブ」を語りうるのか」との問いを胸に日本と中国の現代音楽を我々に投げかける。アイデンティティを巡るいわく言い難いテーマを重く受け止めて会場におもむきたい。
🎵 1/28 日本音楽集団 第247回定期演奏会
会場:豊洲シビックセンター
『失われゆくもの、遺すべきもの』とのタイトルで、新旧作品を俯瞰するコンサート。
日本音楽集団創立7年前に結成の「邦楽4人の会」は、多くの現代邦楽作品委嘱と初演を行った。その歴史を振り返っての長澤勝俊:鳥と砂と海と、三善晃:流觴曲水譜。これに委嘱新作2曲、相澤洋正:花天月地~絃楽器のための~、高橋久美子:聲ヲ聴ク~竹管楽器のための~を並べ、最後を吉松隆:星夢の舞で締めくくる。失われるもの遺すもの、とは何か。耳を澄ませたいものだ。
🎵 1/30 黒田博&黒田祐貴 バリトン・デュオリサイタル2026
会場:浜離宮朝日ホール
親子二人のバリトンによるデュオリサイタル。父黒田博は、日本声楽界を牽引する存在、一方息子黒田祐貴は、次代を担う新星として注目を浴びている。この日のプログラムは、日本歌曲や童謡から名オペラのアリア・重唱まで、充実したものとなっている。曲目を見ただけでは、どちらが歌うのか分からないが、それも楽しみの一つとなる。それぞれの歌唱力で聴き手をがっちりと掴むだけでなく、二人の掛け合いでも会場を楽しい雰囲気にしてくれることだろう。ピアノは大貫瑞季が担当。
🎵 1/31、2/1 藤原歌劇団公演 妖精ヴィッリ&カヴァレリア・ルスティカーナ
会場:東京文化会館 大ホール
近代イタリアオペラを代表する作曲家、プッチーニとマスカーニのオペラを、同時に聴けるのが嬉しいダブルビル。上演時間はそれぞれ1時間ほどで、間奏曲が挟まれるという共通点がある。
指揮は柴田真郁、演出は岩田達宗。配役はダブルキャストで、1/31の《ヴィッリ》は砂川涼子(アンナ)、澤﨑一了(ロベルト)、岡昭宏(グリエルモ)。2/1は迫田美帆、所谷直生、清水良一。語りに豊嶋祐壹。《カヴァレリア》は、1/31が桜井万祐子(サントゥッツァ)、笛田博昭(トゥリッドゥ)、井出壮志朗(アルフィオ)ほか、2/1が小林厚子、藤田卓也、森口賢二ほか。
東京フィルハーモニー交響楽団と藤原歌劇団合唱部が物語を支える。

