注目の公演・イベント|2025年8月
🎵 8/1 プラチナコンサート・シリーズVol.20 奥井紫麻ピアノ・リサイタル
会場:ハクジュホール
アーティストが今一番届けたいプログラムを、が趣旨の<プラチナ・コンサート・シリーズ>に2004年生まれのピアニスト奥井紫麻が登場。5歳半でピアノを始め、7歳より故エレーナ・アシュケナージに師事。モスクワ音楽院付属中央音楽学校を経てグネーシン特別音楽学校でタチアナ・ゼリクマンに学び、現在ジュネーヴ高等音楽院在学中の新星。ショパン、リスト、ラフマニノフとそれぞれの音楽世界を、「音の絵」の如く楽しんで欲しいとのこと。その清新なピアニズムに期待したい。
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🎵 8/7 フェスタサマーミューザ2025 九州交響楽団
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
毎年夏恒例のサマーフェスタミューザに九州交響楽団が初登場。指揮は2023年4月より同オケの首席指揮者を務める俊英・太田弦。メインには首席指揮者就任記念の定期演奏会でも指揮した太田お得意のショスタコーヴィチ:交響曲第5番を据えるが、前半もまた博多どんたくのメロディが盛り込まれた小出稚子による『博多ラプソディ』とビゼー『カルメン』の抜粋(期待のソプラノ・高野百合絵が出演)、というユニークなプログラム。なお、ショスタコーヴィチの第5には『カルメン』のハバネラからの引用がある、とはもはや定説となっているが、当然それを踏まえての太田のこのプログラミング?
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🎵 8/8 フェスタサマーミューザ2025 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
神奈川フィルが音楽監督・沼尻竜典の指揮によりメシアンのトゥランガリーラ交響曲を取り上げる。ピアノには鬼才・北村朋幹、オンド・マルトノはもちろん(?)原田節。最近めきめきと実力を伸ばしている神奈川フィルの本領発揮たるコンサートとなること必至。
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🎵 8/8 広島交響楽団 被爆80周年 2025「平和の夕べ」コンサート 東京公演 ~ダニール・トリフォノフとともに~
会場:東京オペラシティ コンサートホール
広島交響楽団が毎年8月に開催している「平和の夕べ」コンサート。今年2025年は終戦から80年を迎えた区切りの年、その東京公演は昨年より広響の音楽監督を務めるクリスティアン・アルミンクが指揮を執る。なお、当初本コンサートに出演予定であったマリア・ジョアン・ピリスが軽度の脳梗塞により治療が必要となったことからキャンセルとなり、代わってダニール・トリフォノフが参加。曲目も当初のベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番からラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番に変更となっている。後半のマーラー:交響曲第4番のソプラノは⽯橋栄実。
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🎵 8/11,13,15,17 新国立劇場 細川俊夫《ナターシャ》
会場:新国立劇場 オペラパレス
新国立劇場の2024-2025シーズンの最終演目、創作委嘱作品の世界初演である。台本は多和田葉子、作曲は細川俊夫、クリスティアン・レートが演出に当たる。「故郷を追われ彷徨う移民ナターシャと青年アラトの邂逅、そして人間の様々な地獄絵図を見せ二人を導いてゆくメフィスト的存在を核に、日本語、ドイツ語、ウクライナ語の多言語によって、現代文明と人間の始原の姿が対比されていきます。」というのが作品紹介だが、多和田、細川、レートの3名がこの新作をどのように聴かせ、見せてくれるか、おおいに楽しみ。
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🎵 8/17, 20, 24 セイジ・オザワ 松本フェスティバル ブリテン《夏の夜の夢》
会場:まつもと市民芸術館・主ホール
セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)で3年ぶりのオペラ公演となる今年の演目は、ブリテンの《夏の夜の夢》。昨年より首席客演指揮者を務める沖澤のどかがタクトをとるとともに、フランス演劇界を牽引するロラン・ペリーが演出を担当する。両者は3年前のOMFオペラ《フィガロの結婚》で共演して以来、2度目の顔合わせとなるだけにより息のあった仕事が期待できそうだ。オーベロン役にはカウンター・テノール界きっての注目の若手、ニルス・ヴァンダラー。小澤征爾亡き後のOMFでは初となるオペラ公演で、沖澤の棒がどのような舞台を生み出せるのか、ぜひ注目したい。
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🎵 8/18 白井光子&ミヒャエル・ゲース リート・デュオ
会場:TOPPANホール
78歳の白井光子とやはり70代のミヒャエル・ゲースのデュオ、この組み合わせでは日本で初めてのリサイタルとなる。白井光子といえばハルトムート・ヘルのピアノ、ミヒャエル・ゲースはクリストフ・プレガルディエンとのデュオ。というイメージが強いが、白井とゲース、それぞれ歌曲の世界での大ベテラン、その共演が、シューベルト、シューマン、ブラームス、ヴォルフという歌曲の王道でどのような成果を生むか、これは期待できるだろう。
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🎵 8/22〜24 第19回 Hakuju ギター・フェスティバル2025
会場:ハクジュホール
夏の定番、Hakuju ギター・フェスティバル2025は「原点回帰4 もっと伝えたい!ギターの魅力と可能性」がテーマの3日間。今回はギタリストのみの出演で、それぞれの胸にある「弾きたい曲」で構成、各人の魅力を存分に伝える趣向。ギターフェスタ2018年登場の徳永真一郎で幕開け、パラグアイ出身南米クラシック・ギターの大御所ベルタ・ロハスが初登場となる。「旬のギタリストを聴く」には斎藤優貴が武満徹などを披露のほか、日本ギター界を牽引する福田進一のソロ。フィナーレは荘村清志とともに全員大団円、夏の宵のギターの調べに酔いたい。
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🎵 8/23 小菅優・最前線 in KOBE
会場:東灘区文化センター うはらホール
神戸で4年に1度開催されるフルートのワールドカップ「神戸国際フルートコンクール」を核とする「KOBE国際音楽祭2025」に小菅優が再登場。神戸市室内管弦楽団との共演に向け、藤倉大が小菅のために書いた『ピアノ協奏曲 第3番「インパルス」』のアンサンブル版を弾き振り、世界初演する。他にモーツァルト『ピアノ協奏曲 第25番 』。神戸から世界へ、新たに羽ばたく音の行方を、いざ追撃!
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🎵 8/23〜30 サントリーホールサマーフェスティバル2025
会場:サントリーホール
毎年恒例のサントリーホールサマーフェスティバルの季節がやってきた。今年はプロデューサーシリーズがないのが残念だが、テーマ作曲家に音楽演劇を中心に活躍してきた巨匠ジョルジュ・アペルギスを迎える。芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会では2023年受賞記念新作として向井航が政治色の濃い作品をものするという。何かに付けて無風状態を良しとするここ日本に新風を吹かせられるか、乞うご期待。
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🎵 8/26 B→C バッハからコンテンポラリーへ 275 石上真由子(ヴァイオリン)
会場:東京オペラシティ リサイタルホール
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲をHIP様式を模索して弾いたり、あるいは湯浅譲二などの現代作品までこなす極めて射程の広いレパートリーで大活躍中のヴァイオリニスト・石上真由子が東京オペラシティのB→Cシリーズに初登場。プログラムを一瞥しただけですぐに気付くのは、テーマが「悲歌(エレジー)」あるいは「死」だということ。もっと言うならメメント・モリ。バッハから石上真由子がキム・ジェドクに委嘱した今回が世界初演となる最新作まで全7曲。先日都響でひさびさに演奏された「重力波」の夏田昌和作品もある。石上のポテンシャルに驚嘆必至の一夜。
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🎵 8/28 第55回サントリー音楽賞受賞記念コンサート 近藤譲 オペラ『羽衣』
会場:サントリーホール
1994年に近藤がフィレンツェ五月音楽祭の委嘱で作曲したオペラ『羽衣』の、世界初演からなんと31年を経ての日本初演である。日本人に馴染みの深い羽衣伝説を材にとり、世阿弥の能から近藤が台本を抽出した。管弦楽:読売日本交響楽団、指揮:ピエール=アンドレ・ヴァラド、 Ms:加納悦子、Fl:多久潤一朗、合唱:女声合唱団暁、合唱指揮:西川竜太、と現代音楽に通暁した精鋭を集めたこのオペラ、ただの物珍しさでは終わらない体験を得られるであろう。
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🎵 8/28 銀座ぶらっとプレミアム#209 川口成彦(フォルテピアノ)
会場:王子ホール
川口成彦による新シリーズ「女性作曲家への憧れ」全3回公演の第1回。そのココロは「男性演奏家である自分が女性作曲家の感性に憧れを感じる」という純粋な自分の心情にある、とか。
コロナ期に集中して聴いたファニー・メンデルスゾーンの魅力からジェンダー問題に目覚め、女性作曲家を弾いてみたいという気持ちが強くなってのトライで、今回は「バロックから古典派へ」とし、ジャケ=ド=ラ=ゲール、マルティネス、パーク、モンジュルーの4人の作品とともに、男性作曲家ヘンデル、ハイドンを組み合わせたプログラム。フォルテピアノ2台を用いての演奏。かなり刺激的な銀座の午後となろう。
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🎵 8/29 郷古 廉&小林壱成 第2回
会場:王子ホール
N響コンマスの郷古廉と東響コンマス小林壱成、若き両雄相対しての第2回。初回の灼熱ステージのさらに上を、と意気込む二人が用意したのはテレマン:「ガリヴァー旅行記」、ベリオ:デュオ・コンチェルタンテ、シュニトケ:2つのヴァイオリンのための「モーツ – アルト」、武満 徹: 揺れる鏡の夜明け、プロコフィエフ:2つのヴァイオリンのためのソナタ。この並びを見ただけでワクワクする。再びの熱狂間違いなし、燃ゆる夏を浴びるほかあるまい。
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