撮っておきの音楽家たち |オリ・ムストネン|林喜代種
オリ・ムストネン (ピアノ奏者・作曲家・指揮者)
Olli Mustonen (Pianist, Composer, Conductor)
2022年10月24日 武蔵野市民文化会館小ホール
Photos & Text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
北欧フィンランド出身のピアニスト、作曲家、指揮者として世界各地で活躍しているオリ・ムストネンがベートーヴェンとヨハン・セバスティアン・バッハのプログラムでピアノ・リサイタルを行なった。一部はベートーヴェンのイギリス国歌「神よ王を守らせたまえ」による7つの変奏曲を含む5曲を演奏する。若きベートーヴェンの変奏曲を表情豊かに演奏。後半の二部はJ.S.バッハの15のシンフォニア。鍵盤楽器を学ぶ人はほとんど演奏するという曲と、ベート-ヴェンの最後のピアノ・ソナタ第32番を演奏。このソナタも第2楽章は長大な変奏曲となっている。オリ・ムストネンならではのプログラミングである。これらの演奏は切れ味抜群でただならぬ緊張感で聴衆を彼の世界へと引き込む。
95歳のヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団との共演では、グリーグのピアノ協奏曲をムストネンならではの演奏で魅了したという。
また2023年4月に来日しJ.S.バッハのパルティータ第1番とベート-ヴェンのピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」、第29番「ハンマークラヴィーア」を演奏予定。楽しみである。
(2022/11/15)