撮っておきの音楽家たち|エリソ・ボルクヴァゼ|林喜代種
エリソ・ボルクヴァゼ(ピアニスト)
2019年4月20日 サントリーホール(小)
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
ジョージア(グルジア)出身の音楽的にも、外見的にも魅力的なピアニスト、エリソ・ボルクヴァゼが2年振りに日本で演奏会を行なった。ジョージアのトビリシに生まれる。トリビシ音楽院でテンギス・アミレジビに師事し研さんを積む。4歳でピアノを習い始める。7歳でオーケストラと初共演を果たす。モスクワでタチアナ・ニコラエ―ワのマスタークラスにも参加。フランスの作曲家・音楽家ミシェル・ソニーにも大きな影響を受ける。ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールをはじめ多くのコンクールに入賞。ロン=ティボー国際コンクールではフランス音楽の最優秀解釈特別賞を受ける。2018年演奏活動と国の文化発展への貢献が評価され、大統領から名誉勲章が授与される。今回の演奏曲目は、モーツァルト=ピアノ・ソナタ第17番、ベートーヴェン=ピアノ・ソナタ第3番、ショパン=アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、シューベルト=4つの即興曲、プロコフィエフ=ピアノ・ソナタ第2番。チェコ・ナショナル交響楽団、リトアニア国立交響楽団、ウクライナ国立フィル、ライプツィヒ・ゲバントハウス管、フランス国立管弦楽団など世界的なオーケストラと共演。またパリのサル・プレイエル、サルガヴォ―、ミュンヘンのヘラクレスザール、コンツェルトハウス・ベルリン、ワシントンのジョン・F・ケネディセンターなど主要ホールで演奏。録音はソニーBGMからベートーヴェン、ラフマニノフ、リスト、の協奏曲をリリース。フランス国営テレビは彼女のドキュメンタリ―を放映。スイスの名門カスカヴェル・レーベルからリリースされたCDサン=サーンスのコンチェルト第2番はニューヨーク・タイムスから絶賛。ボルクヴァゼは国民的人気を誇る。若いピアニストを支援するリラ財団を設立。平和のためのアーティスト(ユネスコ平和芸術家)に指名される。とてもフォトジェニックなピアニストである。
(2019/6/15)