注目の公演&イベント|2024年2月
♩2/1 「VS」 Vol.8 亀井聖矢 × イム・ユンチャン
旬のピアニスト2人を迎え、ピアノ・デュオ(2台のピアノ)で創造する特別な音響空間。今回は、亀井聖矢とイム・ユンチャンの顔合わせ。2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで出会い、亀井はセミファイナリストに、イムは金メダリストとなった。その後、亀井はロン・ティボー国際音楽コンクールで優勝。両者ともに国際コンクール覇者としての VSである。それぞれショパンを1曲ずつのソロと、ラヴェル/ラ・ヴァルス、ミヨー/スカラムーシュ、ラフマニノフ/2台のピアノのための組曲 第2番というプログラム。どんなことになるか?
2/1@東京芸術劇場コンサートホール
https://willap.jp/t?r=AAATCj6TYSdU42vd7T9H4unvPjgsYcApWtvG0Q
♩2/3,4 NHK交響楽団第2004回定期公演Aプログラム 指揮:井上道義
今年2024年の末で指揮者引退を宣言している井上道義の精力的な活動が目覚ましい。やりたいことをやり残して後悔はするまい!と言わんが如く。この度のN響定期公演にはショスタコーヴィチの『バビ・ヤール』を引っ下げて登場。井上のショスタコーヴィチがどれだけスペシャルなものかは今さら申すまでもない。最後の『バビ・ヤール』、必聴。
2/3、4@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/202402A.html?pdate=20240203
https://www.nhkso.or.jp/concert/202402A.html?pdate=20240204
グラズノフとラヴェルという絢爛たるオーケストレーションの匠に挟まれた快活なハイドンもさることながら、目を引くのはカプースチンとサクソフォンの組み合わせ。このプログラムのなかに位置すると、それは「ジャズ」というキーワード以上に、むしろもっと無窮動的な、輝度の高いエネルギーの奔流を予感させる。
2/4@東京芸術劇場コンサートホール
https://yomikyo.or.jp/concert/2022/12/264-1.php
♩2/4 NBS旬の名歌手シリーズ2024-II フアン・ディエゴ・フローレス&プリティ・イェンデ オペラ・デュオ・コンサート
世界のトップテナー、フアン・ディエゴ・フローレスと、南アフリカ出身の新星ソプラノ、プリティ・イェンデの二人によるデュオ・コンサート。ロッシーニ、ドニゼッティを中心とするベルカントのアリア、二重唱を歌い上げる。どちらも技巧的に優れており、表現力も兼ね備えている。美しい声だけにとどまらず、一曲一曲でそれぞれの世界を聴かせてくれるだろう。
2/4@東京文化会館大ホール
https://www.nbs.or.jp/stages/2024/singer/02.html
♩2/7 長岡京室内アンサンブル モーツァルト&ブラームス 至高の室内楽〜ゲストに小菅優を迎えて〜
1997年の創設以来、25年以上活動を続けてきた長岡京室内アンサンブル。コロナ禍を経て、ヨーロッパの音楽仲間たちが地元長岡京に参集するとのこと。地方都市で、ヨーロッパと直接つながる室内楽の演奏会が開催されるのは稀有な機会。「新しい一歩」に要注目。
2/7@京都府長岡京記念文化会館
https://www.musiccem.org/index.html
♩2/9山田和樹&読売日本交響楽団第635回定期演奏会
鶴田錦史と横山勝也が亡くなって既に久しいが、「新ヤマカズ」と読響、そして藤原道山に友吉鶴心の組み合わせによる『ノヴェンバー・ステップス』は作品解釈に新たな地平が拓けること必至。併せて演奏されるバルトークとベートーヴェンも清新な演奏になるであろう。
2/9@サントリーホール
https://yomikyo.or.jp/concert/2022/12/635-1.php#concert
♩2/9、10 大阪フィルハーモニー交響楽団第575回定期演奏会
2024年12月末での引退を表明している井上通義による大フィル最後の定期演奏会。取り上げるのは、本楽団とも共演し高評価を得てきたショスタコーヴィチ。しかも、交響曲第13番「バビ・ヤール」は、ウクライナの峡谷で行われたユダヤ人虐殺を題材にした作品で、終息の見えない戦争の続く現在の世界を照らすものでもある。独唱は、本作のソリストとしても定評のあるアレクセイ・ティホミーロフ。記憶に残る演奏となるのは間違いない。
2月9日、10日@フェスティバルホール
https://www.osaka-phil.com/events/event/886/
いずみシンフォニエッタ大阪第51回定期のテーマは「和洋感応」。能を題材にしたオペラでも知られるブリテンに始まり、「関西出身若手作曲家プロジェクト」シリーズ第9弾として、和歌山出身の新進気鋭、冷水乃栄流の新作を取り上げる。後半は一柳慧、藤倉大と、現代日本を代表する作曲家の2作。藤倉の《三味線協奏曲》では、本作を世界初演した本條秀慈郎が登場。和と洋の音楽の交差を堪能する一夜となりそうだ。
2月10日@住友生命いずみホール
https://www.izumihall.jp/schedule/20240210
♩2/10 ファビオ・ビオンディ/J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲演奏会
一昨年リリースされたビオンディのバッハ:無伴奏は即興的な装飾をふんだんに用い、堅固さよりも徹底して歌に拘った異色の快演だった。こういう個性的な演奏はやはり実演に触れた方が演奏者の「やりたいこと」が明確に伝わるだろう。
2/10@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2023/20240210.html
♩2/11,16,17,22,23 エリアフ・インバル指揮・東京都交響楽団
この来日中に88歳を迎えるインバルはますます盛んな活動を展開している。今回の都響登壇では3つのプログラムを用意。特に注目されるのはバーンスタインの『カディッシュ』再演、及び「第3次マーラー・サイクル」の開始を飾る交響曲第10番(クック版)。常に変化し続けるインバルの演奏は「以前聴いたからパス」と言う訳にはいかない。何がどう変わるのか?
2/11@サントリーホール
2/16、17@サントリーホール
2/22、23@東京芸術劇場
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3682
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3683
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3684
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3685
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3686
クールかつストイックなヴァイオリンの異才・イリア・グリンゴルツがトッパンホールに来る。演目はイザイ、シャリーノ、エルンスト、そしてヴィトマン。身を切るように音が耳をつんざくか、あるいはまほろばの音色が奏でられるか、これは是非とも生演奏に身を浸らせたい。
2/13@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202402131900.html
♩2/13 B→Cバッハからコンテンポラリーへ 259 薬師寺典子(ソプラノ)
日本現代音楽シーンで大活躍中のソプラノ・薬師寺典子が満を持してのB→C登場である。ヒンデミット、早坂文雄、ブソッティ、ヴィトマン、日野原秀彦、観世小次郎信光、サーリアホ、桑原ゆう、リゲティ、サーリアホ、シャリーノ、そしてもちろんバッハ、と、取り上げる作曲家の名前を連ねるだけで薬師寺のチャレンジ精神、音楽の広やかさがわかるではないか。是非足を運ばれたい。
2/13@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15725
♩2/14、15 NHK交響楽団第2006回 定期公演 Bプログラム 指揮:パブロ・エラス・カサド
エラス・カサドにとってはお国物の『三角帽子』、これは聴く前から心が躍るではないか。日本ではまださほど知名度がないハーデリヒは真の名手、この機会に実演に触れられたい。プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第2番、実はスペインに縁がある。最初の『スペイン狂詩曲』も含め、スペインづくし。
2/14、15@サントリーホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/202402B.html?pdate=20240214
https://www.nhkso.or.jp/concert/202402B.html?pdate=20240215
名を「鳥折り鶴」に由来するユニークな、今注目の弦楽トリオ、トリオ・リズルがプログラム前半ではシューベルト、ヴェレシュという異色の取り合わせ、後半では13日にトッパンホールで無伴奏リサイタルを開くイリア・グリンゴルツとの弦楽四重奏でのシルヴェストロフ、プロコフィエフに挑戦する。珍しいだけに留まらない音楽的「遭遇」を目の当たりにしたい。
2/16@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202402161900.html
♩2/17 東京芸術劇場コンサートオペラ vol.9 オッフェンバック/喜歌劇《美しきエレーヌ》
東京芸術劇場コンサートオペラ vol.9として、オッフェンバックの傑作《美しきエレーヌ》が上演される。フランス語上演だが、語りは日本語とのこと、オペレッタの上演として楽しめる形だろう。台本・構成演出が佐藤美晴という点も何をしてくるかとワクワク。主役のエレーヌに砂川涼子、パリスに工藤和真と実力者をそろえているほか、脇役にいたるまで粒ぞろい、一回だけの公演ではもったいないようなキャスト。高いレベルの公演が期待できるだろう。
2/17@東京芸術劇場コンサートホール
https://www.geigeki.jp/performance/concert281/
♩2/21,22,24,25 鈴木優人(指揮)&バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博 モーツァルト 歌劇《魔笛》
鈴木優人指揮のバッハ・コレギウム・ジャパンによるオペラ公演、これまでモンテヴェルディ、ヘンデルといったバロック音楽の作品を取り上げてきたが、いよいよモーツァルトに取り組む。海外から招聘する二人の歌手に加え、国内組も実力者が並んだ布陣。バッハ・コレギウム・ジャパンがどのような響きを聴かせてくれるか、大いに楽しみ。
2/21,22,24,25@めぐろパーシモンホール 大ホール
https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/24_diezauberflote/
♩2/22 アンサンブルコンテンポラリーα『独奏の妙技~ハインツ・ホリガーを巡って』
アンサンブルコンテンポラリーα所属の精鋭たちが、現代音楽界のオーボエ奏者・指揮者・作曲家のホリガーのフルート独奏ソナタを邦人作曲家の作品と交互に演奏するという趣向に挑む。曲名を見ても人名を見てもどこを見ても期待が湧き上がるこの演奏会には行かねばならないだろう。
2/22@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.contemporary-alpha.com/
♩ 2/22 紀尾井 明日への扉 第38回 本堂竣哉(ピアノ)
2022年第9回野島稔・よこすかピアノコンクール第1位の俊英ピアニストの「明日への扉」デビュー。北海道出身で現在東京藝術大学2年に在学中。5歳のとき、 G・グールドのバッハ:ゴルトベルク変奏曲に衝撃を受け、以来バッハに傾倒。今回もバッハ/ブゾーニ:前奏曲とフーガ《聖アン》にバッハ:イギリス組曲第3番、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調 op.106《ハンマークラヴィーア》と変化球的プログラム。古楽にも関心を寄せるなど、今後、ステージごとに成長が期待される新星の魅力を目撃したい。
2/22@紀尾井ホール
https://kioihall.jp/20240222k1900.html
♩2/28,29,3/2,3 東京二期会オペラ劇場 ワーグナー 歌劇《タンホイザー》
バイロイト音楽祭の常連アクセル・コーバーが指揮を、新国立劇場の《ニーベルングの指輪》の演出を行ったキース・ウォーナーが演出を担当する。ワーグナーを得意とする二人が作り出す舞台、大いに期待できる。さらにタイトル・ロールのタンホイザーにワーグナー歌手として有名なサイモン・オニールを招聘し、盤石の体制で挑む。
2/28,29,3/2,3@東京文化会館大ホール
https://nikikai.jp/lineup/tannhauser2024/