注目の公演・イベント｜２０２３年８月

♩８／４　ボヘミアン・バロックを聴く　快楽の庭園

ボヘミアのバロック音楽の普及を目指して昨年発足したアンサンブル・アカデミア・ムジカの第2弾。ボヘミアは17～18世紀、音楽家を多く輩出した場所柄。クロムニェジーシュ図書館所蔵の資料からどのような音楽が立ち上るのか。

8/4@五反田文化センター
https://tiget.net/events/238018

♩８／５　木村善明バスバリトン･リサイタル 歌物語への誘い II ～H.ヴォルフ& C.レーヴェのバラード作品～

バスバリトンの木村善明が「歌物語への誘い II」と題し、フーゴー・ヴォルフとカール・レーヴェのバラードを歌う。木村は2007年に渡欧し、カールスルーエ音楽大学などで研鑽を積み、その後ヨーロッパの劇場で活動してきた。2014/15年のシーズンから、ドイツ・ビーレフェルト歌劇場と専属歌手契約を結び、ソリストとしてオペラに出演してきている。その一方でリートの分野でも研究活動を進め、2021年東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。博士号（音楽）を取得した。今回のリサイタルは、昨年の「歌物語への誘い I」に続くもので、朗読を交えて詩と歌のつながりを明らかにしようとする試み。木村が得意とするレーヴェのバラード、大いに楽しめるだろう。

8/5＠トッパンホール
https://y-m-a.com/829/

♩８／６　藤木大地&みなとみらいクインテット

オペラから室内楽、バロックから現代曲に至るまで、その美声で魅了し続ける藤木大地が第一線のソリストたちとのアンサンブルを聴かせる。「横浜みなとみらいホールプロデューサー 2021-23」に就任した藤木による横浜市と地域の文化施設ネットワーク化プロジェクト第一弾。メンバーはヴァイオリン成田達輝/山根一仁、ヴィオラ川本嘉子、チェロ遠藤真理、ピアノ田村響という豪華さ。ドヴォルザークからモリコーネまで、そのアンサンブルを心ゆくまで堪能したい。

8/6@よこすか芸術劇場
https://www.yokosuka-arts.or.jp/performance/detail/?id=2645

♩８／６、２０、２６　ローム ミュージック ファンデーション スカラシップ コンサート〜夢～Vol.44~46

ローム ミュージック ファンデーションの育成事業を受けた奨学生がその成果を披露するコンサート。国内外の音楽学校で学ぶ若い音楽家への演奏機会の提供と、音楽に親しむ人たちの拡大を目的に開催されてきた。今回は「夢」をテーマに京都と東京での演奏会。出演は石井希衣（フルート）、石原悠企（ヴィオラ）、泉優志（チェロ）、尾城杏奈（ピアノ）、栗原峻希（バリトン）、佐山裕樹 （チェロ）、清水伶（フルート）、東條太河（ヴァイオリン）東亮汰（ヴァイオリン）、鳥羽咲音（チェロ）、吉本梨乃（ヴァイオリン）という顔ぶれ。そのフレッシュで清新な音楽を楽しみたい。

8/20@京都府立府民ホールアルティ
8/6,26@浜離宮朝日ホール
https://micro.rohm.com/jp/rmf/lp/scholarship_2023/

♩８／１６、１８　チャイナ・フィルハーモニー管弦楽団

空海（弘法大師）生誕1250年を祝しての大音楽絵巻、ゾウ・イエの交響曲『空海』（日本初演）を引っ提げて、現代中国最高峰のオーケストラが4年ぶりの来日となる。ゾウ・イエは1957年中国四川省江津市生まれ。湖北芸術学院作曲科を卒業、武漢歌舞劇場のオペラ作曲部門にて作曲家として活動、2005年以来、チャイナ・フィルハーモニー管弦楽団の常任作曲家に任命されている。芸術監督・首席指揮者ロン・ユウのもと、蘭州コンサートホール合唱団とともに壮大な空海絵巻が描き出されよう。

8/16@京都コンサートホール　大ホール
8/18@東京オペラシティ　コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2049/

♩８／１８〜２０　 第１７回Hakuju ギター・フェスタ２０２３

「原点回帰３」〜6人のギタリストが魅せる華やかなギターの世界〜として、第一夜は上野芽実のソロ、徳永兄弟の「カルメン・フラメンコ・ファンタジー」など。第二夜は河野智美、荘村清志のソロなどで異国情緒と情熱のロマン溢れる世界を。フィナーレにはデビュー40周年の福田進一が登場、クラシックギターの神髄を聴かせ、荘村清志、福田進一、河野智美、上野芽実によるアンサンブルも。若手ギタリストの登竜門「旬のギタリストを聴く」には、2016年アルトハイム国際ギターコンクール1位、2018年アルハンブラ国際ギターコンクール第2位の岡本拓也が登場と、3日間のギターの祭典は今年も熱い。

8/18~20＠ HAKUJU HALL
https://hakujuhall.jp/concerts/detail/3603

♩８／２３（昼、夜）北村朋幹 ピアノ・リサイタル Real-time Vol. 5 “Années de pèlerinage II”

北村朋幹自身が企画するリサイタルシリーズReal-timeの第5弾。メインは2022年から3回に渡って取り上げているリストの『巡礼の年』今年はその第2年の『イタリア』。前半には現代作曲家のガルデッラ『高地のソナタ』が配されているのもいかにも北村らしい凝りようだ。尚、ソワレ公演チケット即完売に対応して決まったマチネの追加公演は第1曲目がソワレ公演と異なる(ソワレではドビュッシーの夜想曲、マチネでは同じドビュッシーの練習曲から第8番「装飾音のために」)。

8/23（昼、夜）@ムジカーザ
https://www.kajimotomusic.com/concerts/2023-tomoki-kitamura/

♩８／２３　落合陽一×日本フィルプロジェクト VOL７ 《帰納する音楽会》

落合陽一と日フィルのプロジェクト、今回は《帰納する音楽会》。AIを活用した画期的な演出によりデジタルとアナログがひとつにおさまる世界で「音楽の喜びあい」を。新たな帰納体験として「喜び」共有をと沖縄でのフィールドワークを演出に反映。“王道”クラシックだけでない「日本人の現代作品集」のほか、琉球文化に親しむさまざまな趣向も、と盛りだくさん。会場では三線体験や泡盛の試飲もあるとか。定番夏祭りに気軽に出かけたい。

8/23＠東京オペラシティ　コンサートホール
https://japanphil.or.jp/concert/20230823

♩８／２３　読売日本交響楽団《三大協奏曲》

読響サマーフェスティバル2023《三大協奏曲》は、指揮：坂入健司郎、ヴァイオリン：前田妃奈、チェロ：鳥羽咲音、ピアノ：亀井聖矢と今をときめく若手の揃い踏み。メンデルスゾーン：ヴァイオリン協奏曲 、ドヴォルザーク：チェロ協奏曲 、チャイコフスキー：ピアノ協奏曲第1番とまさに三大協奏曲の魅力をたっぷり味わえる。いやはや楽しみというほかない！

8/23@東京芸術劇場
https://yomikyo.or.jp/concert/2023/03/2023-3.php#concert

♩８／２３～２８サントリーサマーフェスティバル2023
ザ・プロデューサーシリーズ　三輪眞弘がひらく
テーマ作曲家　オルガ・ノイヴィルト
第33回芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会

現代音楽の祭典・サントリーサマーフェスティバル2023の時期がやってきた。ザ・プロデューサーシリーズには音楽を解体・再構築して元のものとはまるで違う「音楽」を創ってしまう三輪眞弘を抜擢。彼がガムランをどのように扱うのか期待大。テーマ作曲家にはオペラ「オーランドー」などで近年注目されているオルガ・ノイヴィルト。芥川也寸志サントリー作曲賞選考演奏会には田中弘基、松本淳一、向井航が選抜登場する。

8/23~28@サントリーホール、大ホール、ブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/summer2023/

♩８／２５　湯浅譲二作曲家のポートレート－アンテグラルから軌跡へ－

誰もが認める巨匠、湯浅譲二を、彼が影響を受けたヴァレーズとクセナキスと共に全曲オーケストラで演奏する。指揮は杉山洋一、オーケストラは都響とこれ以上ないほどの布陣だ。オーケストラで聴く湯浅音楽のコスモロジーがどのように我々の心の中で開花するか、期待せざるを得ず。

8/25@サントリーホール大ホール
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20230825_M_3.html

♩８／２６、２７　ひろしまオペラルネッサンス公演2023：モーツァルト『フィガロの結婚』（アンサンブルシアターII）

ひろしまオペラルネッサンスでは、昨年のモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』の公演から「アンサンブルシアター」を掲げるシリーズを展開している。その2回目の公演となる今回取り上げられるのは同じくモーツァルトの『フィガロの結婚』。重唱がドラマの展開の媒体となるこの作品における歌手たちのアンサンブルの深化が期待される。2017年から2019年までの「モーツァルトオペラシリーズ」に続き、本「シアター」シリーズの芸術監督を務める岩田達宗の演出と、柴田真郁の指揮による広島交響楽団の演奏も楽しみなところ。

8/26,27@JMSアステールプラザ大ホール
http://h-culture.jp/opera/renaissance/event3/entry-2908.html