注目の公演・イベント|2023年3月
♩3/1 フィリップ・ジャルスキー(カウンターテナー) 《オルフェーオの物語》
カウンターテナーのスター、フィリップ・ジャルスキーが、モンテヴェルディ、ロッシ、サルトーリオの手になる「オルフェーオ」に関わる作品から選び出した曲を歌う。ソプラノのエメーケ・バラートがエウリディーチェとして、彼が主宰するアンサンブル・アルタセルセが器楽で共演する。ジャルスキーが再構成した「オルフェーオ」の愛の物語、1600年代初期バロックの世界を高いレベルで聴かせてくれることだろう。
3/1@東京オペラシティコンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15030
♩3/4 新日本フィルハーモニー交響楽団 第647回定期演奏会
斬新なプログラムとアイディアで旋風を吹き込む現代音楽屈指の指揮者メッツマッハーを迎えての先鋭プログラム。ウェーベルン:パッサカリア、ベルク:ヴァイオリン協奏曲、シェーンベルク:交響詩「ペレアスとメリザンド」。ベルクに登場はテツラフ。なんとも楽しみなステージだ。
3/4@すみだトリフォニーホール
3/6@サントリーホール
https://www.njp.or.jp/concerts/23155
1991年より開催の井上郷子ピアノリサイタル、今回はモートン・フェルドマン、リンダ・カトリン・スミス:潮だまり(世界初演)、伊藤祐二: 偽りなき心II ピアノ版(日本初演)というプログラム。長きにわたり現代作品に取り組む井上の今現在を知る手がかりとなろう。
3/5@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.n-b-music.com/up-coming
♩3/7 The Shakuhachi 5 “The 3rd Concert”
小濱明人・川村葵山・黒田鈴尊・小湊昭尚・田嶋謙一によるThe Shakuhachi 5人衆 の第3回公演。そのアンサンブルの面白さは特筆もの。尺八に詳しかろうが詳しくなかろうが、とにかく一聴一見をお勧めする。曲目も望月京委嘱初演、さらに公募作品初演、さらにいつもながらの武満徹『うた』もあり、全員揃っての揺れ具合がまた傑作。若い人たち、この不可思議世界に是非触れて欲しい。
3/7@すみだトリフォニーホール〈小ホール〉
https://concert.jtcf.jp/9096
2008年大阪国際室内楽コンクール優勝、イタリアのパオロ・ボルチアーニ国際弦楽四重奏コンクールで第2位、結成25年、イギリスの誇るドーリック弦楽四重奏団、待望の来日公演。前回2019年でその独自世界を披露したが、今回はベートーヴェン:第2番、ベルク:弦楽四重奏曲op.3 、スメタナ:第1番《 わが生涯より》を。熟成はたまた斬新尖鋭か、その年月をどう聴かせてくれるか。
3/7@紀尾井ホール
https://kioihall.jp/20230307k1900.html
♩3/9 第51回サントリー音楽賞受賞記念コンサート 河村尚子(ピアノ) 室内楽
サントリー音楽賞第51回受賞記念コンサート。河村尚子は2019年「ベートーヴェン・ピアノソナタ・プロジェクト」完結、CD録音などを含め着実にその歩を進めている実力派ピアニスト。日本の現代作品にも意欲的で切れ味鋭い演奏に新たな世界観を提起している。今回は矢代秋雄の「ソナタ」他、ドーリック弦楽四重奏団とともに室内楽を。レベッカ・クラーク:ピアノ三重奏曲、シューマン:ピアノ五重奏曲と凝ったプログラム。
3/9@サントリーホール・ブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/article/detail/001008.html
♩3/9 めぐりゆく恋のうた~ブルゴーニュ楽派からフランドル楽派へ~
ルネサンス・フルートの名手4人が集まったソフィオ・アルモニコとフランス・ルネサンス期の声楽作品を得意とするクアルテット・プロヴィゾワールによる共同プロジェクト。どちらの団体も趣向を凝らしたコンサートで定評があり、同じ時代を究める4+4の化学変化やいかに。
3/9@ティアラこうとう小ホール
https://soffioarmonico.wixsite.com/my-site
日本人が自国の伝統文化について疎いというのは恥ずべきことだろうか、不自然なことだろうか、しかしそのように育ってしまった自分を恥じるのは詮無いこと。今はただ自分の美的好奇心にしたがってモーツァルトの傑作を能・狂言・文楽・西洋室内楽で再構築したこの面白からざることなき舞台に臨むときであろう。
3/10@大槻能楽堂(大阪公演)
https://noh-kyogen.com/schedule/?cal_year=2023&cal_month=03
3/12@観世能楽堂(東京公演)
https://kanze.net/publics/index/625/
♩3/11 Just Composed 2023 Spring in Yokohama福間洸太朗 Shimmering Water
その名の通り、きらめくようなピアニズムの持ち主福間洸太朗がみなとみらいホールで広げるのはいかなる音楽か。レヴィツキ、カスキ、ラヴェル、ルトスワフスキといった欧州勢に近藤浩平、田中カレン、そして新作委嘱する茂木宏文の日本勢という国境を越えた出会いに是非立ち会いたい。
3/11@横浜みなとみらいホール 小ホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp/concert/archive/recommend/2023/03/2428.html
王子ホールレジデントのピアノ・トリオ、ステラ・トリオ(小林壱成vn、伊東 裕vc、入江一雄pf)第6回公演。デビューから年月を経てそれぞれのフィールドで活躍する3人の現在はいかに。「今僕らがやりたい音楽」として選んだのはショーソン、シューマン、ブラームス。若々しい覇気と夢見るロマン、香り高い品格に深々たるリリシズム、作品の持つそれぞれの魅力をどう語ってくれるか。
3/11@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2022/20230311.html
クラリネットの鬼才イェルク・ヴィトマンが日本の奏者と組んでの室内楽。我らの若手代表格カルテット・アマービレに周防亮介vn、鈴木慧悟va、上村文乃vcが加わる。自作4曲:弦楽六重奏曲《1分間に180拍》、クラリネット独奏のための《3つの影の踊り》、ヴァイオリン独奏のためのエチュード第2番/第3番、弦楽四重奏曲第3番《狩》に、ウェーバー:クラリネット五重奏曲が並ぶ。壮観だ!若手の奮闘ぶりもワクワクもの。
3/13@トッパン ホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202303131900.html
B→C バッハからコンテンポラリーへ#250 に登場は加耒徹。古楽、リート、オペラと幅広く活動する注目のバリトン。カーゲル:《バベルの塔》(2002)を「ヘブライ語」「ポルトガル語」「ハンガリー語」「オランダ語」「日本語」で歌うなど必聴ではないか。他にライマン、クィルター、フィンジ、フォルトナー、ローチ、ホリガー、デュパルク、ラフマニノフと百花繚乱。理屈抜きに、楽しみたい!
3/14@東京オペラシティRH
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15040
♩3/16~18 岩渕貞太 身体地図 新作ダンス2023 『ALIEN MIRROR BALLISM』
万物は流転すると言ったのはヘラクレイトスであるが、ダンサー岩渕貞太はこう言う。「人間も動物も、生命はみな踊る」と。キメラ状の身体持つエイリアンとして踊る岩淵たちから何が立ち上って何になっていくのか、しかと見届けたい。
3/16~18@吉祥寺シアター
http://teita-iwabuchi.com/
https://www.musashino.or.jp/k_theatre/1002050/1003231/1004517.html
♩3/18 クァルテット・エクセルシオ×チェルカトーレ弦楽四重奏団
日本を代表するクァルテット “エクセルシオ”と次世代クァルテット“チェルカトーレ”、成熟と新進が相見えるステージ。モーツァルト:弦楽四重奏曲 第14番 をエクセルシオが、ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 をチェルカトーレが、そしてブルッフ:弦楽八重奏曲で共演と、室内楽の醍醐味がたっぷり味わえそう。
3/18@第一生命ホール
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2023/03/18/3644/
♩3/18 三村奈々恵puresents World of Post-Classical
クラシック音楽から生まれた新ジャンル「ポスト・クラシカル」をメインタイトルとした演奏会が開かれる。このジャンルの淵源たるライヒとペルトを含め、様々な作曲家の作品を混ぜることで何が見えて、聴こえてくるのか注目したい。
3/18@ヤマハホール
https://www.yamahamusic.jp/shop/ginza/hall/event/detail?id=3026
モダン、バロック双方の楽器を弾きこなし、オランダ・バッハ協会第6代音楽監督として活躍する佐藤俊介の弾き振りで、シュポア:ヴァイオリン協奏曲 第8番「劇唱の形式で」というのも興味深い。その意味は第1楽章にレチタティーヴォの指定があるから。その他ベートーヴェン:交響曲 第1番、メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第8番 という構成。東響とのコンビでの新境地を期待したい。
3/18@サントリーホール
https://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=vDdz35FaYCA%3D&month=03
♩3/22 アンサンブル・コンテンポラリーα 定期公演2023 エクレクティック・アルファ ~ルイ・アンドリーセンに捧ぐ~
今回、アンサンブル・コンテンポラリーαは2021年7月に没したオランダの作曲家であるルイ・アンドリーセンの作品を基軸に据えたプログラムを披露する。委嘱新作初演は、桑原ゆう「ビトウィーン・ジ・イン・ビトウィーンズ」。他にもメンバーである鷹羽弘晃、川上統の初演も。「折衷主義」といわれるアンドリーセンの作品と、日本で今現在の現代音楽界を担う作曲家の作品とが、一堂に会する貴重な機会と言えるだろう。
3/22@杉並公会堂小ホール
https://www.contemporary-alpha.com/single-post/20230322
♩3/23 東京・春・音楽祭 2023 タレク・ナズミ(バス)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)〈東京春祭 歌曲シリーズ Vol.36〉
東京・春・音楽祭の歌曲シリーズ、シューベルトの《冬の旅》をタレク・ナズミとゲロルト・フーバーが演奏する。2022年の東京春祭ワーグナー・シリーズ《ローエングリン》のハインリヒ王ですばらしい歌唱を聴かせたナズミが、歌曲集の代表ともいえるこの曲でどのような世界を作り出してくれるか楽しみである。クリスティアン・ゲルハーヘルとのデュオで聴くことの多いゲロルト・フーバーのピアノも聴きものだろう。
3/23@東京文化会館小ホール
https://www.tokyo-harusai.com/program_info/nazmi_huber/
その奔放独特の個性で際立つ現代のミューズ、パトリツィア・コパチンスカヤのリサイタル。シェーンベルク:幻想曲、ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品 、ベートーヴェン:ソナタ第7番、フェルドマン:ヴァイオリンとピアノのための作品、アンタイル:ソナタ第1番と並べば彼女の特異と得意がわかろうというもの。これは目撃する他ない!その即興性が興奮の坩堝を生む一夜に。
3/23@トッパン ホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202303231900.html(完売)
♩3/27、28 東京都交響楽団 リゲティの秘密―生誕100年記念―
リゲティ生誕100年を大野和士・都響が祝う。しかもコパチンスカヤのヴァイオリン付きで。リゲティだけではなくバルトークの『中国の不思議な役人』まで楽しめるというのだから、奇想の作曲家・リゲティも天国で大喜びの舞台になるだろう。
3/27第971回定期演奏会@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3598&my=2023&mm=3
3/28都響スペシャル@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3599&my=2023&mm=3
♩3/28,30 イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.3 リッカルド・ムーティ指揮《仮面舞踏会》(演奏会形式/字幕付)
リッカルド・ムーティが若手の育成を目的に行っているイタリア・オペラ・アカデミー in 東京、3回目となる今年は《仮面舞踏会》を取り上げる。オーケストラや合唱の指導を行い、ソリストを招聘しての全曲演奏が2回、アカデミーの受講者による抜粋公演が1回予定されている。ムーティ得意の演目であり、高い水準の演奏を期待できる。
3/28,30@東京文化会館大ホール
https://www.tokyo-harusai.com/program_info/2023_ioa02/
♩3/29 ベアータ・ムジカ・トキエンシス第12回公演 デマンティウス「ヨハネ受難曲」
高い技術と意欲的なプログラムで独自の世界を切り開いてきたベアータ・ムジカ・トキエンシスのグループ結成10周年を記念する演奏会。モンテヴェルディと同じ年に生まれたデマンティウスは、シュッツより一世代前にドイツで活躍した作曲家。17世紀初期のルター派教会音楽の響きを堪能したい。
3/29@日本福音ルーテル東京教会
https://beatamusicatoki.wixsite.com/beatamusicatokiensis/concert