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注目の公演・イベント|2022年9月

♩9/2 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第354回定期演奏会

名匠・高関健とシティ・フィルが挑むのは演奏時間約50分の大作、エルガーのヴァイオリン協奏曲(ヴァイオリンに竹澤恭子)とシベリウス交響曲第4番。複雑かつ精緻な構築性を持つエルガーと、悲しみから運命への実存的問いかけに至るシベリウス、どちらも生半可な音楽力では通用しない難曲だが、高関のタクトはどのように音楽を作り出すのだろうか。

9/2@東京オペラシティコンサートホール
https://www.cityphil.jp/concert/detail.php?id=303&

 

 

 

♩9/3 東京文化会館チェンバーオーケストラ

新進音楽家の国際キャリアアップ支援企画。謙=デイヴィッド・マズアの指揮で、コンマス依田真宣に東京音楽コンクール受賞者ら若さはち切れメンバーが集まってのプロコフィエフ:交響曲第1番、シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ、コールリッジ=テイラー・パーキンソン:シンフォニエッタ第2番などなど多彩なプログラム。最後のメンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」まで、未来を拓くこれからのオーケストラの響きに期待大。

9/3@東京文化会館
https://www.t-bunka.jp/stage/15722/

 

 

♩9/3 Orchestra Juvenalis presents Chapel Concert~音楽で叶う・ヨーロッパ二大旅行

第1部はアンサンブル編。「”ピアノの詩人”ショパンの故郷を巡る」と題し、ヤジェンプスキなどバロック時代に活躍したポーランドの作曲家の作品が取り上げられる。ショパンより古い時代のポーランドの音楽が聴ける機会は貴重。

9/3@湘南セントラファエロチャペル
https://www.conservatorium-obrecht.com/obrechtmusicdelivery

 

 

 

 

♩9/3 faint lights

音の肌触り・静けさをテーマとして活動している作曲家・田中慎太郎が現代音楽界の実力派フィディアス・トリオと組んでの演奏会を開く。ペルト2作品と田中の新アルバム「永遠と一日」から7作品。全く未知数ながら、期待せざるを得ない魅力に満ちている。どうかそれが真実でありますように。

9/3@KMアートホール
https://peatix.com/event/3247747

 

 

 

♩9/3~25 庭劇団ペニノ『笑顔の砦』新潟・東京・三重公演

2006年に初演され、2008年に岸田國士戯曲賞にノミネートされた、タニノクロウによる戯曲。舞台は、小さな漁村町にある平屋のアパート。地元の漁師たちの部屋の隣に、認知症患者を持つ家族が引っ越してきたことから、物語が始まる。関西バージョン、富山バージョンといったリクリエーション、および2021年のフランス三都市公演を経て、今回が国内最終公演となる。

9/3~4@りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場
9/10~19@吉祥寺シアター
9/24~25@三重県文化会館 小ホール
https://niwagekidan.org/performance_jp/1132

 

♩9/7,10,14 ヴェッセリーナ・カサロヴァ メゾソプラノ・リサイタル

ウィーン国立歌劇場、ザルツブルク音楽祭、バイエルン国立歌劇場など世界一流歌劇場で長年主役を務めた屈指のディーヴァの来日公演。魂の歌唱、至高の芸術に酔う3公演。東京は15年ぶり、名古屋13年ぶりでのリサイタルとなる。《傑作オペラアリアの夕べ》(名古屋)《傑作オペラアリアの午後》(東京)では得意のカルメンなどの名アリアを。《渾身の選曲!名作歌曲の夕べ》(東京)ではバラエティに富む歌唱を聴かせてくれよう。

9/7@愛知県芸術劇場
9/10@サントリーホール
9/14@紀尾井ホール
https://tempoprimo.co.jp/stage/y2022/kasarova

 

♩9/8 ルーシー・ホルシュ(リコーダー)&トーマス・ダンフォード(リュート) デュオ・コンサート〈対話〉

二人の若き古楽奏者によるデュオ・コンサート。5歳からリコーダーをはじめ「天才リコーダー少女」と呼ばれたルーシー・ホルシュも23歳、一度でも彼女を聴いた人は、その技量と音楽性の高さの虜になるだろう。リュートのトーマス・ダンフォードは1988年パリ生まれ、クリスティ指揮のレザール・フロリサンに参加するなど古楽界での評価は高く、ソリストとしても世界各地でコンサートを行っている。二人のライジング・スターの共演はヨーロッパで評判となっている。

9/8@浜離宮朝日ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2022/09/event2217.html

 

♩9/9 東京都交響楽団第958回定期演奏会Bシリーズ

ドヴォルザークとしては圧倒的にマイナーな交響曲第5番、ヤナーチェクの個性があらゆるところに浸透している傑作グラゴル・ミサ、というチャレンジングなプログラムに大野和士・都響が挑む。歌手に小林厚子、山下裕賀、福井敬、妻屋秀和、合唱に新国立劇場合唱団と盤石な布陣も頼もしい。音楽の国・チェコの空気を感じられる演奏会になるのは間違いないだろう。

9/9@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3576&my=2022&mm=9

 

 

 

♩9/9、11 チェ・ヒョンロク ピアノリサイタル

第7回仙台国際音楽コンクール最高位で、亡き野島稔が高い評価をしていた新鋭、昨年のショパンコンクール本大会でも強い印象を刻んだチェ・ヒョンロクのリサイタル(2020,2021年からの延期)。ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、夜のガスパールにショパン:24の前奏曲集 op.28と、彼ならではの透明・繊細な世界を広げてくれることだろう。

9/9@浜離宮朝日ホール
9/11@日立システムホール仙台コンサートホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2022/09/event1977.html

 

 

♩9/10,11 NHK交響楽団 第1962回定期公演 Aプログラム〈ファビオ・ルイージ首席指揮者就任記念〉

2022年9月、ファビオ・ルイージがNHK交響楽団の首席指揮者に就任する。その第1回目のコンサートとして、ベテラン、若手の実力歌手をソリストに迎え、ヴェルディの《レクイエム》を取り上げる。声楽の入る大曲をまず持ってくることから、ルイージのこのポストにかける思いがうかがえる。

9/10,11@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/202209A.html?pdate=20220911

 

 

 

♩9/14 知られざる名曲を求めて アレッサンドロ・スカルラッティ 器楽付き室内カンタータ

2021年6月にカルダーラを取り上げて反響の大きかった「知られざる名曲を求めて」の第2弾。今回はナポリ派の始祖としても知られるアレッサンドロ・スカルラッティのカンタータと演奏される機会の少ない器楽曲を取り上げる。期待したい。

9/14@ハクジュホール
https://concert-search.ebravo.jp/concert/147027

 

 

 

♩9/15~17 ノイマルクト劇場 & 市原佐都子/ Q 「Madama Butterfly」

『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』で第64回岸田國士戯曲賞を受賞した市原佐都子による新作は、スイス・チューリヒのノイマルクト劇場との共同制作。2022年2月公演の延期を受けての日本初演となる。プッチーニのオペラ『蝶々夫人』の人種差別と性差別的な構造を暴露する戯曲は、国際的な俳優と3Dアバターの共演によって具体化される。

9/15~17@ロームシアター京都ノースホール
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/71136/

♩9/15~10/2 ホリプロ『血の婚礼』

スペインの劇作家フェデリコ・ガルシーア・ロルカの代表作のひとつが日本で再演される。『血の婚礼』は実話をもとにした悲劇(1933年初演)だが、日本初演は1959年のぶどうの会による(山田肇演出、山田肇・天野二郎翻訳)。今回の公演では、田尻洋一による新たな翻訳台本に、杉原邦生が演出を手掛け、さらに角銅真実と古川麦が音楽を担当する(演奏:角銅真実、HAMA)。

9/15~10/2@Bunkamura シアターコクーン
10/15~16@梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
https://horipro-stage.jp/stage/chinokonrei2022/

 

♩9/20  B→C 佐藤采香ユーフォニアムリサイタル

注目の実力派プレイヤーが登場。ユーフォニアムの新たな可能性と、佐藤自身が辿った軌跡を重ねた“セルフポートレート” でどんな世界が描かれるか。L.ブーランジェ:「春の朝に」「ピエ・イエズ」2曲とN.ブーランジェ:「祈り」「路傍」の2曲には姉妹それぞれの個性が楽しめよう。これにバッハとヘルツキ:世の終末(1992/93)、そして日本の新鋭、久保哲朗:ユーフォニアムの木(2015〜21)、向井 航:Love is Love(2022)、向井 響:ユーフォニアムとライブエレクトロニクスのための《美少女革命: Drama Queens》。選曲のセンスに期待が高まる。

9/20@オペラシティ リサイタルホール
http://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15034

 

♩9/20 カントキューブ 第二幕 your song

日本オペラ界を担うテノール隠岐速人、バリトン高橋洋介、バス・バリトン後藤春馬によるオペラ・ユニット《 canto cube 》(カントキューブ)。アリアに重唱、日本のうた、そしてロックまで、なんでもござれの3人の男たちを支えるのはマルチ・ピアニスト長井進之介。
カントキューブ 第二幕 《your song》として、レオンカヴァッロ:オペラ「道化師」、プッチーニ:オペラ「トスカ」、カプア:オー・ソレ・ミオ、マンシーニ:ムーン・リヴァーほか小田和正からエルトン・ジョンまで。美声の競演を思いっきり楽しもう!

9/20@ Hakuju Hall
https://www.proarte.jp/shop/products/detail.php?product_id=2761

 

♩9/22 山澤慧チェロリサイタル マインドツリーvol.8

日本の現代音楽界を背負って立つ山澤慧のシリーズ・マインドツリーももう8回目である。バッハを主軸に、ケージ、クルターグと現代の古典を置き、そこに向井航、ナヴロツィディス(公募作品)、梅本佑利、向井響と明日の現代音楽界の希望の光たる若者たちの作品を散りばめる。予測不可能ゆえの期待に胸が高鳴る。

9/22@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://tocon-lab.com/event/20220922

 

 

 

♩9/24 クロノス・クァルテットJAPAN2022京都公演

1973年の結成から50年を前に、世界をリードする弦楽四重奏団、クロノス・クァルテットが日本ツアーを行う。京都公演では、ジョージ・クラムの《ブラック・エンジェルズ》とスティーヴ・ライヒの《ディファレント・トレインズ》を含んだ特別プログラムを用意。前者はクァルテット結成の契機となった作品、後者についてはグラミー賞を受賞するなど彼らの活動に大きな影響を与えたもの。しかも2作ともテーマは戦争で、今まさに耳を傾けたい作品だ。19年ぶりの来日公演は、実に熱いものとなりそうだ。

9/24@ロームシアター京都サウスホール
https://rohmtheatrekyoto.jp/event/71126/

 

 

♩9/25 東京文化会館オペラBOX ラヴェル《子供と魔法》(字幕付)

「東京音楽コンクール入賞者を起用して、初めて観る方にも楽しめるオペラを届ける。」をコンセプトに毎年行われてきた公演、今年はラヴェルの《子供と魔法》を取り上げる。入賞以来各地で活躍している人が多く、役不足ではないかという印象を受けるところもある。高いレベルの歌唱が期待される。また岩田の手慣れた演出がこのオペラを楽しませてくれることだろう。

9/25@東京文化会館(小)
https://www.t-bunka.jp/stage/15073/

 

 

 

♩9/28 郷古廉×横坂源×北村朋幹 シューベルトのピアノ三重奏曲

世界(と言いたい)の今を牽引する腕っこき3人の俊英が奏でる渾身のピアノ三重奏。このメンツが揃っただけで何が起きるかワクワクもの。シューベルトばかりを並べるとはなんとも大胆な。ノットゥルノ(夜想曲)につづき、ピアノ三重奏曲第1番、第2番だが、第2番はベーレンライター版の楽譜を使用、カットなし、繰り返しもすべて弾く最長バージョンとのこと。天国的リフレインを延々聞き続けることのできる至福を味わいたい。

9/28@浜離宮朝日ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2022/09/event2110.html

 

 

♩9/29 平井み帆 コンサート・シリーズ~チェンバロと旅するイタリア・バロック150年〈第1回「17世紀」〉

イタリア・バロックでチェンバロといえばスカルラッティが思い浮かぶが、フレスコバルディ他多種多様な作家のなかで通観することで、新たに一つの見取り図を持って楽しむことができるかもしれない。音楽的好奇心がうずく。

9/29@ムジカーザ
http://hirai-miho.music.coocan.jp/concert/01.htm

 

 

 

♩9/30 東京都交響楽団第959回定期演奏会Aシリーズ《別宮貞雄生誕100年記念:協奏三景》

別宮貞雄の生誕100年を記念し、下野竜也が三つの協奏曲を振る。ソリストは、南紫音(ヴァイオリン)、ティモシー・リダウト(ヴィオラ)、岡本侑也(チェロ)と、若手で固められている。別宮の筆致に宿る日本的抒情性、エレガンスの神髄を次世代に伝えゆく演奏会となるだろう。

9/30@東京文化会館
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3578&my=2022&mm=9

 

 

 

♩9/30 笹沼樹&上田晴子  DUO リサイタル

今や売れっ子の笹沼樹、ヴェテラン上田晴子との“DUO”に飛びつかないのは損。パリ仕込みのセンスあふれる上田に若い笹沼が、何を受け取り、何を返すか、いや、その逆もあるわけで、となれば、興味はつきない。グラズノフ、プロコフィエフ、R.シュトラウスとプログラムも多彩。二人の対話にDUOの真髄を聴きたいものだ。

9/30@ Hakuju Hall
https://hakujuhall.jp/concerts/detail/3284