注目の公演・イベント|2022年7月
♩7/1 初夏の室内楽~4人の若手演奏家による室内楽コンサート
それぞれに活躍の場を広げている若手4人、石原悠企(ヴァイオリン)、東条慧(ヴィオラ)、笹沼 樹(チェロ)、守重結加(ピアノ)による室内楽。モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第22番、ヤナーチェク:おとぎ話、ブラームス:ヴィオラ・ソナタ第2番、シューマン:ピアノ四重奏曲 と、ソロもあれば四重奏もある、フレッシュな彼らの魅力が堪能できそう。期待大である。
7/1@加賀町ホール《東京都新宿区市谷加賀町2-5-26》
https://y-m-a.com/708/
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館の専属舞踊団Noism Company Niigata と、佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団 鼓童の共演。バレエ・リュスの創設者ディアギレフの生誕150周年を記念してのストラヴィンスキー作曲『結婚』と、現代作曲家・原田敬子による新曲を演出振付・金森穣で上演する。
7/1~7/3@りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
https://www.kodo.or.jp/sche/37859
7/8~7/10@彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
https://www.kodo.or.jp/sche/37865
7/17@ロームシアター京都 メインホール
https://www.kodo.or.jp/sche/38018
7/23@愛知県芸術劇場 大ホール
https://www.kodo.or.jp/sche/37871
7/30@荘銀タクト鶴岡 大ホール
https://www.kodo.or.jp/sche/38021
欧米の大歌劇場で活躍しているブルガリア出身のソプラノ、40代に入っての初来日。《ノルマ》《イル・トロヴァトーレ》《運命の力》《トスカ》《蝶々夫人》と並んだオペラ・アリアのプログラムは、ソプラノの王道といえるもの。充実した声と歌唱を聴かせてくれるだろう。
7/2@東京文化会館大ホール
https://www.nbs.or.jp/stages/2022/singer/01.html
関西の現代音楽界を牽引するいずみシンフォニエッタ大阪の夏の公演では、今年生誕100年を迎えるクセナキスを特集する。独奏曲から小編成による曲まで4つの作品を上演。20世紀を代表する巨人の世界に、管弦楽からアプローチする貴重な機会となりそうだ。また、作曲家、川島素晴が本楽団仕様に編曲するお馴染みのプログラムでは、前回に引き続きバルトークの管弦楽作品を取り上げる。いずれもここでしか聴けない演奏。是非ともホールに足を運んで欲しい。
7/2@住友生命いずみホール
http://www.izumihall.jp/schedule/concert.html?cid=2620
♩7/2,10 神奈川県立音楽堂「新しい視点」
2022年から神奈川県立音楽堂が放つ新シリーズ「新しい視点」、初回は毎年行う公募プロジェクト「紅葉坂プロジェクトvol.1」と「ダブルポートレイト・フォー・マリンバ・アンド・ザ・フューチャー」を開催。前者では選ばれし5本の新鮮なプロジェクトが催され、後者では一柳慧とアルゼンチン出身のアレハンドロ・ヴィニャオの特集が組まれる。見たことも聴いたこともない世界が開けるであろう。
7/2,10@神奈川県立音楽堂
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/momijizaka2022
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/marimba2022
♩7/2~17 ドビュッシー『ペレアスとメリザンド』
簡易な言葉と形而上学的な深みが呼応するメーテルランクの詞世界に、ドビュッシーの音楽世界が奇跡的に融合したフランスオペラの傑作。2014年のデュトワの演奏会形式での鮮烈な印象も忘れ難いが、大野和士と東フィルはどのような音楽世界に我々を誘ってくれるだろうか。
7/2~17@新国立劇場
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/pelleas-melisande/
その類なき音でスペインの至宝とも呼ばれるアチュカロのリサイタル。ブラームス、リスト、ラフマニノフからよく知られた名曲を。さらにグラナドス、アルベニスと並べ、彼にしか描き出しえない世界を。1959年リヴァプール国際コンクールで優勝以来の長い歩みでの「今」、どんな響きを聴かせてくれるか。香り高き一夜となろう。
7/3@王子ホール
https://y-m-a.com/640/
♩7/7 東京現音計画#17 ミュージシャンズセレクション6神田佳子「江戸現音計画化」
東京現音計画のメンバーがプログラミングを行うミュージシャンズセレクション、今回は打楽器の神田佳子が初登場。日本の伝統文化に影響を受けたシュトックハウゼンの作品群や、彼女自身の作曲による『雷電為右衛門』の世界初演という「江戸愛」に満ちた曲目が並ぶ。その愛の行く末を見届けたい。
7/7@杉並公会堂小ホール
https://tokyogenonproject.net/?p=886
♩7/8~15 ブラッド・メルドー in Japan 2022
今日のジャズシーンを牽引するピアニスト、ブラッド・メルドーが2019年から3年ぶりに来日する。今回のツアーではピアノソロやピアノ協奏曲のほか、東京フィルハーモニー交響楽団と共演してJ. S. バッハの作品も演奏する。クラシック・ピアノのルーツとつねに向き合い続けてきたメルドーのライフワークを垣間見られるツアーとなるだろう。
7/8~15(全国ツアー)@キャナルシティ劇場、ザ・シンフォニーホール、紀尾井ホール、サントリーホール大ホール
https://brad-mehldau-japan.srptokyo.com/
90歳を超えた作曲家湯浅譲二自身の企画・構成により、創作の軌跡を辿るコンサート。「音楽とは何か?」「その音楽を作っている人間とは何か?」「その人間が生命を授かり、そして還る宇宙とは何か?」といった本源的な問いを含む作品から〈ホワイト・ノイズによるイコン〉〈相即相入〉〈内触覚的宇宙II〉〈ソリテュード・イン・メモリアム T. T.〉〈UPICによる始原への眼差〉〈序破急〉〈「Do you love me?」〉。現代の名手たちの描き出す湯浅コスモロジー。必見必聴。
7/9@水戸芸術館
https://www.arttowermito.or.jp/hall/lineup/article_4370.html
「女性作曲家たちの肖像」と題したコンサートで、この時代を扱ったものは希少。イザベル・レオナルダ、ジャケ・ド・ラ・ゲール、プロイセン王女といった魅力的なラインナップを、常磐線沿線出身あるいは在住の実力派メンバーのアンサンブルで聞ける。
7/9@日暮里サニーホール
https://jobanbaroque.jimdofree.com/これまでの公演記録/第31回/
劇作家デイヴィット・ヘンリー・ファンが、中国の文化大革命当時の時佩璞によるスパイ事件を基にしつつ、オペラ『蝶々夫人』と対比させて描いた戯曲の舞台版。日本初演は劇団四季(1990)。今回の公演では日澤雄介(劇団チョコレートケーキ)を演出に迎え、内野聖陽と岡本圭人が主演する。
6/24~7/10@新国立劇場 小劇場
7/13~15@梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
https://www.umegei.com/m-butterfly/
♩7/14~17 スガダイロー+田中泯/大友良英+田中泯「地球に生まれてきたことを何よりも誇りに思ってる人々へ!!で、即興。」
「場所を踊る」ダンサーとして独自の路線を貫いてきた田中泯が、スガダイローと大友良英という、即興音楽をルーツに持った二人の音楽家と、それぞれ2日間ずつ即興的なパフォーマンスを行う。言わずと知れた(と言いつつ、見るたびに新鮮な面白みを見出す)出演者への信頼感と、当日何が起こるのか読めないワクワク感とが入り混じる。
7/14~17@Theatre E9 Kyoto
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20220715
♩7/16 F. J. ハイドン:オラトリオ《天地創造》Hob.XXI-2
バッハ・コレギウム・ジャパンの第150回定期演奏会、首席指揮者の鈴木優人の指揮でハイドンのオラトリオ《天地創造》をとりあげる。バロックから現代音楽まで幅広い音楽活動を行っている鈴木、ハイドンにも新たな視座をもたらしてくれるだろう。
7/16@東京オペラシティ コンサートホール
https://bachcollegiumjapan.org/schedule/tokyo150_j/
♩7/20 アレハンドロ・ヴィニャオ Portrait for Percussion 2022
作曲家アレハンドロ・ヴィニャオの来日公演が開催される。公演名からもわかる通り、プログラムは打楽器アンサンブルの作品で構成される。サントリーホールブルーローズで開催される東京公演では、アコースティック楽器のみの室内楽作品が披露される模様。「リズムの魔術師」の異名を持つ、作曲家の独自の世界観を堪能したい。プレコンサートトークもあり。
7/20@サントリーホール ブルーローズ
http://www.millionconcert.co.jp/concert/detail/2022_07/guide/220720vinao.html
♩7/22 Bona musicae membra第2回主催定期公演 Abend Musik Vol.1
昨年、団体名なしでブクステフーデ公演をおこなった彼らがBona musicae membraという名称を引っ提げて第2回定期公演をおこなう。今回もブクステフーデの作品をとりあげ、モテット、声楽ソロ作品、器楽アンサンブル作品とオルガンだけじゃないブクステフーデの魅力に迫る。
7/22@日本福音ルーテル東京教会
https://tiget.net/events/165980
♩7/24 オーケストラ・ニッポニカ 設立20周年記念連続演奏会1
設立20周年を迎えての企画、3回連続演奏会の第1回。指揮:鈴木秀美で古関裕而:交響詩「大地の反逆」(原典版)(1928)、早坂文雄:ピアノ協奏曲第1番 (1948)務川慧悟pf、芥川也寸志:エローラ交響曲 (1958)、交響管弦楽のための音楽 (1950)が取り上げられる。
「大地の反逆」は福島で関東大震災に遭った体験をもととする作品で約90年ぶりの原典版演奏となる。指揮、ピアノ共に興味深い布陣で、新たな現代の音像がひらけるのでは。
7/24@紀尾井ホール
http://www.nipponica.jp/concert/next_concert.htm