注目の公演・イベント|2023年2月
♩2/2、4 アントネッロ F.カヴァッリ作曲 オペラ《ラ・カリスト》
昨年3月のジュリオ・チェーザレで衆目を集めたアントネッロが今年はカヴァッリのオペラ《ラ・カリスト》を再び演出家中村敬一とタッグを組んで上演。これはもう行くしかない。
2/2,4@川口総合文化センター・リリア 音楽ホール
https://www.anthonello.com/schedule/detail/?id=67
♩2/2~12 木ノ下歌舞伎『桜姫東文章』
主宰である木ノ下裕一が指針を示しながら、さまざまな演出家と共に制作することで、現代における歌舞伎演目上演の可能性を試みてきた木ノ下歌舞伎による新作。今回は、国内外でさまざまなジャンルを超えて活躍する演出家の岡田利規と組んで、木ノ下裕一による監修・補綴のもと、鶴屋南北『桜姫東文章』に取り組む。
2/2~12@あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)
https://kinoshita-kabuki.org/sakurahime
♩2/3 葵トリオ(第2回)Piano Trios surrounding Schumann
紀尾井ホールのレジデント・シリーズⅠ「葵トリオ」の第2回演奏会。第67回ミュンヘン国際音楽コンクール初優勝のピアノトリオだが、今回はシューマン、メンデルスゾーン、ショパンの傑作を披露する。各地でステージを重ねての成長ぶりにも注目したい。
2/3@紀尾井ホール
https://kioihall.jp/20230203k1900.html
♩2/3、5&3/3、5 全国共同制作オペラ 東京芸術劇場シアターオペラvol.16
レオンカヴァッロ/歌劇『道化師』&マスカーニ/歌劇『田舎騎士道カヴァレリア・ルスティカーナ』
宝塚歌劇団退団後、上田久美子による初の舞台演出が話題の公演。ヴェリスモ・オペラの名作『道化師』『田舎騎士道カヴァレリア・ルスティカーナ』を現代日本に通じるリアルへアップデイトすると...。歌手とダンサーが一役は昨今珍しくないが、字幕に関西弁意訳が出るのは面白いかも。チラシに踊る「みんなさみしいねん」とは? 主役カニオとトゥリッドゥにアントネッロ・パロンビを、サントゥッツァにテレサ・ロマーノを迎え、指揮はウィーン・フォルクスオーパー音楽監督アッシャー・フィッシュ。
2/3,5@東京芸術劇場
3/3,5@愛知芸術劇場
https://www.geigeki.jp/performance/concert255/
♩2/4,5 NHK交響楽団第1977回 定期公演 Aプログラム
今回、指揮・尾高忠明が選んだのは、尾高尚忠《チェロ協奏曲》、パヌフニク《カティンの墓碑銘》、ルトスワフスキ《管弦楽のための協奏曲》。民族と音楽と歴史の交差するポイントに光を当てる、渾身のプログラムである。チェロは宮田大。
2/4,5@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/202302A.html?pdate=20230204
芥川龍之介『或旧友へ送る手記』『点鬼簿』を原作とするジャパン・ソサエティー( NY)との国際共同委嘱新作オペラ『note to a friend』(全1幕/原語(英語)上演 ・日本語字幕付)。デヴィッド・ラングの台本・作曲、演出は笈田ヨシ。芥川は自殺前に旧友久米正雄に遺書を残した。その書がいったい何を語るか。死を重要なテーマとしてきたラング、死んだ人の話を聞いて、生きることを考えて欲しいという笈田。声(セオ・ブレックマン)と弦楽四重奏という切り詰められた音楽空間は私たちに何を伝えるだろう。
2/4,5@東京文化会館
https://www.t-bunka.jp/stage/16395/
2/5 アンサンブル・ノマド第77回定期演奏会”委嘱・献呈作品集”vol.3:ノマドの時代
アンサンブル・ノマド結成25周年記念企画”委嘱・献呈作品集”の最後は、近藤譲の旧作以外は弱冠24歳の根岸宏輔の作品をはじめ、全て世界初演か日本初演。ノマドの新たなるステージに好奇心がうずいてたまらない。
2/5@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.ensemble-nomad.com/コンサート/定期演奏会70-76/結成25周年記念公演-77/
♩2/11 日本現代音楽協会 欧州のアンサンブル アンサンブル・ルシェルシュ日本公演
ヨーロッパでも指折りの現代音楽のスペシャリスト集団、アンサンブル・ルシェルシュの日本公演。プログラム中ほぼ全ての作品が日本初演か世界初演というチャレンジにこちらも襟を正して向かわねばなるまい。現代音楽の向こう側にたどり着けるか、期待大。
2/11@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.jscm.net/recherche/
♩2/15 アンナ・ルチア・リヒター(メゾソプラノ)&ティル・フェルナー(ピアノ)
今年33歳となる若手歌手、アンナ・ルチア・リヒター、コロナによる休止期間中にソプラノからメゾソプラノに転向した。今回が日本デビューとなるリサイタル、ピアノに若手ピアニスト、ティル・フェルナーをむかえる。彼女はソプラノ時代から歌曲に積極的に取り組んでいたので、シューベルト、シューマン、ブラームスという19世紀の作曲家の作品による、リートの王道というべきプログラム、じっくり味わいたい。
2/15@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202302151900.html
世界を代表するカウンターテナー藤木大地と室内楽の名手が揃ってのピアノ五重奏による室内楽コンサート。藤木の美声と室内楽の極上アンサンブルを楽しむ至福の1時間。昼夜公演で曲目も出演者も入れ替わる趣向。古典、近現代取り混ぜのバラエティに富んだ構成が何より魅力的だ。昼夜セット券もあるので選択に迷った人は両方どうぞ。
2/16@横浜みなとみらい小ホール
https://yokohama-minatomiraihall.jp/concert/archive/recommend/2023/02/2523.html
♩2/18 〈エスポワール シリーズ 12〉嘉目真木子(ソプラノ) Vol.3 ―ドイツ・リート
若手音楽家によるコンサート、エスポワール・シリーズ、嘉目真木子の第3回。第1回日本歌曲、第2回ヨーロッパ各国の歌を取り上げてきた彼女が最終回となる今回歌うのは20世紀前半のドイツ歌曲。同じホールで3日前に行われるアンナ・ルチア・リヒターのリサイタルとは対照的な作品を取り上げる。ピアノは前回までと同じ北村朋幹。二人の積極的な音楽作り、大いに楽しみ。
2/15@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202302181700.html
正指揮者原田慶太楼のアイデアで子供たちからメロディを募集、それを素材に若手作曲家が新曲を作る企画。抜擢されたのは新進作曲家の小田実結子。その『Kaleidoscope of Tokyo』(東京交響楽団委嘱作品/世界初演)の初演に、TVや映画で名の知られる菅野祐悟「交響曲 第2番“Alles ist Architektur”-すべては建築である」、間にグリーグ「ピアノ協奏曲 イ短調 op.16」(pfガブリリュク)というプログラム。面白そう。
2/19@サントリーホール
https://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=eS6Z7nslD3g%3D&month=02
フルート2本と通奏低音という、少しばかり珍しい組み合わせのトリオ・ソナタを集めたコンサート。テレマン・クヴァンツ・ハッセ・K.H.グラウンと18世紀ドイツで活躍した作曲家の作品から、どんな響きが聴こえるか。
2/19@霞町音楽堂
https://tiget.net/events/198561
アシュケナージが驚嘆、ピアノ界の新時代の到来と騒がれたペーター・ヤブロンスキー、約8年ぶりのリサイタル。彼の現在地点をしめす凝ったプログラミングだ。ポーランドとスウェーデンを出自とする彼らしく、ポーランドの近現代からシマノフスキ、ショパン、グラジナ・バツェヴィチ、 マーティン・スカフテ編曲ドビュッシー前奏曲より。さらに自作「バラード 第1番」、お得意ガーシュウィン(ヤブロンスキー編曲)「ラプソディー・イン・ブルー」が並ぶ。斬新!
2/20@王子ホール
https://www.proarte.jp/shop/products/detail.php?product_id=2803
ソロ、弾き振り、室内楽と多領域で活躍のチェリスト、アルトシュテットがトッパン に初登場。デュティユー、ガブリエッリ、J.S.バッハ、ヴィトマン、コダーイとバロックから近現代までの無伴奏をずらりと並べてのリサイタル。技巧はもとより、煌く才と創造性をブレンドした音楽を堪能できよう。
2/21@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202302211900.html
最近現代邦楽に新しい風が吹いてきている気がする。その風を吹かせている黒田鈴尊、平田紀子、中島裕康、寺井結子の邦楽四重奏団が古典曲から下山一二三、野田暉行、旭井翔一、そしてなんとクセナキスという聴いたこともないプログラムで挑んでくるという。間違いなくこれはなにかが起こるであろう。
2/25@紀尾井小ホール
https://kioihall.jp/20230225s1400.html
♩2/25 シャイニング・シリーズVol.12 北村朋幹ピアノ・リサイタル
東京文化会館シャイニング・シリーズvol.12に登場の北村朋幹はソロ、室内楽、歌曲伴奏など幅広い活躍を見せる若手。その鋭い感性はケージなど現代音楽分野でも抜群の冴えを見せる。今回のシューマン、ホリガー、バルトーク、ノーノの曲目構成の背景にあるのは「夜の音楽」と語るが、どんな夜の物語を聴かせてくれるか楽しみだ。
2/25@東京文化会館小ホール
https://www.t-bunka.jp/stage/16919/