注目の公演・イベント|2022年12月
リーズ国際ピアノコンクール日本人歴代最高位から1年、すでに協奏曲のソリストや室内楽で活躍中の小林がようやく本格的なリサイタルを開く。紀尾井ホールのピアノでどんな音楽を奏でるのか、見届けよう。
12/2@紀尾井ホール
https://www.amati-tokyo.com/performance/2207051400.php
スーパーソリスト達による秋の特別コンサート Vol.4に第16回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで第1位最年少優勝のアジアの新星イム・ユンチャンが日本デビュー。
ギボンズ:ソールズベリー卿のパヴァーヌとガイヤルド、J.S.バッハ:シンフォニア BWV787-801(全15曲)、リスト:二つの伝説、 巡礼の年 第2年「イタリア」より“ダンテを読んで ”と重量級プログラム。その魅力と実力をしっかり目撃したい。
12/3@サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p999/
この2人が行く所面白からざるもの無しという松平敬と工藤あかねのデュオ。今回は松平の永遠の憧れ、シュトックハウゼンの大作『空を私は歩く』がメインである。他にもケージ、クルターグ、それに松平の自作自演と盛りだくさんのプログラムに興味と期待津々、必聴だ。
12/4@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://matsudaira-takashi.jp/
エリーザベト国際コンクールを制した二人のデュオ、滅多に聴けるものではない。シューベルト:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 、ブラームス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第1番「雨の歌」とくれば両者にどんな化学反応が起きるか期待大!円熟などとは程遠いスリリングなデュオになりそうだ。
12/6@サントリーホール
https://www.hirasaoffice06.com/concerts/view/408
♩12/7 結 MUSUBI 〜和楽器とオーケストラの共演〜
東西美学の新たな出会いを、との企画だが、ありがちな和洋並べてとは少し異なる工夫があるものの、注目は藤倉大の2作だろう。本條秀慈郎による三味線協奏曲(2018)と黒田鈴尊による尺八協奏曲(2022)。尺八は今年フランスで世界初演されたばかりの新作だけに期待したい。武満徹の「波の盆」が聴けるのもなかなか嬉しい。他に出会ユキの笙による「セレモニアル」。
杉山洋一指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団。
12/7@なかのZERO
https://worldandnippon.wixsite.com/website?_fsi=H59LdomZ
♩12/7、12 Japan General Orchestra 旗揚げ公演第1弾 神尾真由子「四季四季」
2022年に立ち上げられたプロフェッショナルな新オーケストラ。佐久間聡一をコンサートマスターに国内トップレベルの演奏者が集まり、最上級の音楽を目指すとのこと。その第1弾は神尾真由子を迎えての「四季四季」。つまりヴィヴァルディとブエノスアイレスの四季というわけ。第2弾は大植英次が「本物の第九やる。」だそう。
ピアニスト反田恭平率いるジャパンナショナルオーケストラなど、若く新しいオーケストラが出てくるのはいいことだ。ぜひ、聴き比べてみたいもの。
12/7@紀尾井ホール
12/12@東京オペラシティ コンサートホール
https://japan-go.tokyo/about/
♩12/9、11 北とぴあ国際音楽祭2022 リュリ作曲 オペラ《アルミード》
フランス・バロック・オペラの最高峰といわれるリュリ作曲 の《アルミード》を日本で初めて全編本格上演する。セミ・ステージ形式でのフランス語公演であるが、バロックダンスの振付も加えた舞台となる。歌手は、主役2人にクレール・ルフィリアートル、フィリップ・タルボを招聘、国内からはバロック歌唱の名手を集めた布陣。バロックダンスにも来日組を含む4名と豪華な配役。フランス・バロック・オペラを知る、貴重な機会となるだろう。
12/9,11@北とぴあ さくらホール
https://kitabunka.or.jp/event/9153/
♩12/10 郷古 廉(ヴァイオリン)&ホセ・ガヤルド(ピアノ)
コロナ禍のさなかでの無伴奏ソロリサイタルで気を吐いた郷古、その時、組むはずだったホセ・ガヤルドと念願のステージを果たす。シマノフスキ:神話 Op.30、プーランク:ヴァイオリン・ソナタ、シューマン:3つのロマンス Op.94、ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47《クロイツェル》とヴァラエティに富んだ演目で、両者若々しい気迫を創出してくれることだろう。
12/10@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202212101500.html
♩12/10、11 〈加藤訓子プロデュース〉スティーヴ・ライヒ・プロジェクト
2021年6月5日めぐろパーシモンホールで「クセナキスと日本」を成功させた加藤訓子が次に同ホールで挑戦するのはミニマル・ミュージックの巨匠スティーヴ・ライヒである。ライヒとクセナキスは正反対のようでいて、その彫琢された音響体を実現させるための演奏過程において似るものがあろう。若者たちを集めての一大イベントに心躍る。
12/10,11@、めぐろパーシモンホール大ホール
https://www.persimmon.or.jp/series/2022093019081250178.html
♩12/11 オーケストラ・ニッポニカ 設立20周年記念連続演奏会II
近現代の日本音楽を演奏するという使命を自らに課したオーケストラ・ニッポニカもついに設立20周年を迎えた。その記念演奏会の第2回には藤家渓子、藤倉大、糀場富美子という今をときめく作曲家陣と、日本におけるドイツ音楽派の大家・諸井三郎の交響曲第2番が並べられた。我々が生きる歴史の中で、繋がりゆくものと変わりゆくものに耳をすませたい。
12/11@紀尾井ホール
http://www.nipponica.jp/concert/next_concert.htm
♩12/11、16 庄司紗矢香 (ヴァイオリン) & ジャンルカ・カシオーリ (フォルテピアノ) デュオ・リサイタル
もはや中堅、ますます存在感を増す庄司紗矢香、7年ぶりとなるジャンルカ・カシオーリとの日本ツアー。「ガット弦とモーツァルト時代のクラシック弓を使用した」古典派の音楽で勝負、相方カシオーリもフォルテピアノを弾く。コロナ期にバッハ、モーツァルトらの研究を深め、確信した演奏スタイルでのモーツァルト、バッハ、ベートーヴェンの新たな世界に期待がかかる。
12/11@横浜みなとみらいホール
12/16@サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p985/
♩12/15、16 ジャン=ギアン・ケラス バッハ無伴奏チェロ全曲演奏会
古典から現代、さらには古楽まで意欲的・挑戦的な活動を続けているジャン=ギアン・ケラスがチェロのマスターピース中のマスターピース、バッハ無伴奏チェロ組曲を2日かけて全曲演奏する。しかもコダーイ、デュティユーといった現代の古典も挟んだプログラムというからたまらない。生涯忘れ得ぬステージとなることは間違いなかろう。
12/15,16@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2022/20221215-16.html
B→C バッハからコンテンポラリーへ247 に登場の上野通明(チェロ)。ジュネーヴ国際コンクールの若き覇者が、神や宗教をテーマとするオール無伴奏作品で平和への祈りを紡ぐ。
タヴナー:トリノス(1990)、クセナキス:コットス(1977)、J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV1012、森 円花:不死鳥 ── 独奏チェロのための(2022、上野通明委嘱作品、世界初演)、ビーバー:《ロザリオのソナタ》から「パッサカリア」、ブリテン:無伴奏チェロ組曲第3番 op.87(1971/74)の音の流れの中に、何が浮かび上がってこようか。
12/20@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=15037
同時代の作曲家と聴衆を繋ぐプラットフォーム「スタイル&アイデア:作曲考」が主催する演奏会の第1回。灰街令、山﨑燈里、Camille Kiku Belair、桑原ゆう、辻田絢菜の作品が披露され、このうち桑原、辻田作品は委嘱初演。終演後にはシンポジウムも開催。新しい試みに期待が高まる。
12/24@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://styleandidea.com/2022/08/20/concert01/
ショスタコーヴィチといえば、交響曲にオペラなど大規模作品のイメージが強いが、15曲の弦楽四重奏曲などの器楽作品や多くの声楽曲も残している。ロシア歌曲の世界に浸ってみては?
12/27@大泉学園ゆめりあホール
https://opera-abq.tokyo/2022-12-27
現代日本音楽界が誇るトリックスター・川島素晴の『インヴェンション』全9曲が一挙に演奏される。楽器編成もコンセプトも可笑しからざるなき奇想にどっぷりハマる年末もまた乙なものでは?
12/28@たましんRISURU 小ホール
https://fb.me/e/3LVsCQ0zx