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特別寄稿|作曲家と演奏家の対話・IV|『インスピレーション』|ダムニアノヴィッチ&金子

作曲家と演奏家の対話・IV『インスピレーション』

テキスト:アレクサンダー・ダムニアノヴィッチ & 金子陽子

>>>作曲家と演奏家の対話
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AD アレクサンダー・ダムニアノヴィッチ
5月号の対話の中で、今回『インスピレーション』をテーマとすることに合意していた。フランス語でこの言葉はまず、身体的に『空気が肺の中に入る』意味を、その次になるのだが『神からの又は超自然からの作用によって人間がするべき表現又は行為の啓示を受けること』又は『芸術家、創作者としての熱情』という意味を含んでいる。

いずれの意味、身体的な場合でも、人間の外部の要素であることが興味深い。私達は一般にこの用語を作曲家、作家、画家などの創作家のインスピレーションとして、外部の強い力による直感によって作品を誕生させる、という様に使う訳だ。作曲家として私自身、メロディー、和声、リズムなどで良い解決策を見つけ、それが自己の努力の結果でなく、外部から私にもたらされたということを自覚したことがある。私達が思うような『超自然』又は『偶然』とは、いずれにしても客観的に外部で起こった出来事なのだ。
しかし、インスピレーションがあるだけでは不充分なのだ・・・

このテーマについて、アントン・パブロヴィッチ・チェーホフの小説に言及してみたい。彼は皮肉な手法でインスピレーションを取り扱っている。ある男が友人達に、彼が石油の匂いを嗅ぐ際の心身状態について語る。彼は、あまりの泥酔と興奮によって麻痺状態に陥り、この世の神秘、天地創造、神の神秘、宇宙、人間の魂等の総ての神秘を理解したような印象を持つと言う・・・しかし彼が続けるには、この印象は、彼が石油の匂いを嗅がなくなるやいなや消滅し、何も思い出せなくなるというのだ。この偉大で奇妙な彼の話に当惑した友人は、彼がインスピレーションに取り憑かれた時の為に、常にメモできる紙を手元に置く様に勧めた。そして、新たにやって来たインスピレーションから覚めた折に紙を読むと次のように書かれていた「石油の匂いがする」。
この物語はたまらないイロニーであり、自虐的、残酷でもある。とはいえ、インスピレーションに対する芸術家の役割を明快に描いている。この泥酔と興奮状態、催眠的な魅惑と芸術作品それ自体との間には、膨大な労苦、努力、覚醒が存在する。観客、読者又は聴衆がこの高揚を感じるためには、芸術家は職人としての仕事、自分自身に批判的な精神を持ち、自分自身のアイデアに対する厳しさを乗り越えて行かなければならない。

YK 金子陽子
私は創造性という意味でのインスピレーションという単語から、私達を理想へと導く極めて細い光を思い浮かべる。
貴方は、石油の匂いから起こる、刺激、更に幻覚(その現象が繰り返される際にはこのように認識されるという)に近い意味でのインスピレーションを記したが、私も似たような経験があるので驚きはしなかった。私達の日々の生活の中で、視覚、触覚、臭覚、味覚そして聴覚の5感により、数多くの『小さな』インスピレーションが啓示される。それは私達をとりまく人々と自然界から由来し、私達に糧を与え、想像力を豊かにすると共に芸術的創造へと導く。
貴方がインスピレーションを外の世界と関連付けたなら、私はそれと正反対に、我々の内部で起こることについて焦点を絞ってみたい。
『インスピレーションを受ける』、と言う時、ある種のメッセージ、思いがけない、輝くアイデアが瞬時にして我々に向けて閃く。

中枢神経から摘出したニューロンの顕微鏡映像
パリ、パスツール研究所の脳科学者、イザベル・クロエズ=タラヤニ氏提供

脳科学の分野の進歩のお陰で、私達は思考の伝達、感情の制御、認識と記憶が、中枢神経、つまり、脳の中において行われていることを知っている。脳は、神経伝達の管理を担うという重要な機能を担い、人間に於いては大変に数の多い神経細胞又はニューロン(86兆個あると推定される)に働きかける。しかしながら脳の中に存在する細胞はこれで総てという訳では全くなく、神経細胞以外の他の全部の細胞が大きく調和しながら機能しているのである!

脳のスキャン技術によって、音楽を聴いている際の脳は、非常に分散した部分も含めた脳の全ての部分が活動しながら分子の世界全体に関与していることが解っている。つまり、音楽は何千もの神経伝達を生み出し、初めて聴かれたメロディーがハミングなどで再現される際にも同じ活動が繰り返される。このように、脳のこれ程多くの部分が活動している為、音楽は簡単に消え去らないのである。
私達がインスピレーションを受けた際に受ける印象は、この脳内で起きる伝達現象の速さに由来していると言う事ができるだろう。

石油の匂いからのインスピレーションについては、臭覚による幻覚であり、鼻腔の末梢神経の異常又はより複雑な、脳によって起こされた中枢の異常の結果であるとも言える様である。

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確かに私達の脳の内では様々な事が起こり、我々が体験し感受した全てがその時点で無意識のうちに接続しているという訳だ。その時点では実際の職人の行為の中に創造主が居るのだ。

ポール・クローデル。姉の彫刻家カミーユ・クローデル作

詩的インスピレーションに触れたポール・クローデルの手紙の中で、
『ある詩人がリズムによるある種の興奮と言葉による揺れ、規則正しい音読、東欧の民族的な怒号に取り憑かれ、両手を擦り合わせながら徘徊し、手拍子を取り、歯を噛み合わせながらぶつぶつと唸る。そして少しずつ創造と欲望の両極の間にあるこの定期的な衝動から言葉の流れとアイデアが溢れ出してくる。すべての天分が注意と集中の至高な状態に達して、それぞれが必要で可能な物、記憶、体験、ファンタジー、忍耐、大胆で時には英雄的な勇気、未だ不明瞭な我々の意図に即するか反するか即座に判断できる趣味の良さ、賢明さ、とりわけ、凝視し、価値判断し、依頼し、助言し、抑制し、刺激し、別離し、非難し、集結し、やり直し、秩序、光と均衡を与える。それは英知が成す技ではなく、英知が我々の為す事を見守っているのだ・・』
(ポール・クローデル、詩的インスピレーションについてのブレモン神父への手紙、1927年)

YK
小説家、台本家ポール・クローデル(1868-1955)は、日本文化と日本人を愛するフランスの外交官として日本でも知られていたことを貴方は知っていた?彼は1921年から1927年まで日本に滞在し、京都の日仏学院を創設している。

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それは知らなかった。ここにも神秘的な関連性が・・・上記の氏の手紙に話を戻そう、この人間の外部の『インスピレーション』と呼ばれる非物質な素材は、そこから具体的で実際上の職人の行程を持って練り上げられ、倍増され、広げられる原材料であり、ポール・クローデルはそれを見事に書いている。私は、精神的であり物質的でもあるという彼の物事への見方に親近感を感じる。私が自作『アナスタジマ』を一日にして生んだ行程は、クローデルが描写したのに近い一種の熱狂的創造によってであった。

YK
貴方の作品『アナスタジマ』(このタイトルはギリシャ語の anastasis=復活, に由来する)に関しては、フォルテピアノ独奏版の譜面を受け取った時から、私と作品は完全に共感し合っていた。当初書かれたクラリネットトリオ版と共に、セルビアのロシア正教の歌に由来する美しいメロディーとそこから醸し出される光沢が私達を一瞬のうちに感動させてしまう。その豊かなハーモニック、繊細さとその響き、各音域が音色の対比を与えるフォルテピアノという楽器を選択したことも重要な点だった。この作品は教会の鐘の音とメリスマティックな歌声が重なり合う織物であり、地上と天空の間に存在する偉大な人間の感情を私達に啓示する。

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そもそもの始まりはキリスト復活の日に歌われるセルビアの単旋律の唄だった。復活祭の実際の行列の折に録音されたその唄を以下に聴く事ができる。

私はそこからポリフォニック(複数の旋律から成る)な作品を作る事を決め、まずクラリネット、ヴァイオリン、ピアノのトリオ、そしてフォルテピアノ用を最終的な版とした。この唄に魅せられ、どのように構成されているか、内面にどんな規則があるのか理解しようと試みた。

-ミとファ#の音が、他の音よりも遥かに沢山繰り返されていることを発見した。
-この2つの音が構成の基本の素材となり、それを遥か遠くに聴こえる鐘の音を思い起こさせるために借用した。
-このようにして、基本となる鐘の音の上に、オリジナルの唄のメロディーを歌わせた。

YK
この対話の準備に当たって、貴方は慎ましくも『音楽の譜面は、白い紙に黒で記号が書かれた意味のないものだ』と言っていたが、それは誇張であり、楽譜とそれを巡って存在する物への過小評価である。私は決してそのようには考えず解読するべき大切な手紙、又は、ショパンのマズルカのように、作曲家の個人的内面的日記のようなものだと思っている。ちなみに、音楽のレパートリーを意味する単語として『文学』という言葉をフランス語では用いるということにも言及しておこう。

新しい譜面を前にし、私はまず、すべての音を鳴らす(初見の譜読み)、感動や疑問を感じる箇所を見つける。書かれた音の背後に隠れた意味、メッセージ、作曲家自身の感情を追跡する。この『楽譜の解読』の段階は混み入り、奥深く、夢中にさせられるものだ。
印刷される前のいわゆる『自筆譜』が作曲家の精神状態を私達に明かしてくれるというのは事実である。人間としての作曲家との半ば直接的なコンタクトを持つのは感動的でもある。とはいえ、書かれた音を弾きながら、『音』によって私は少しずつ『3D』(3次元)のインスピレーションを見出すのである。何故かと言うと、ピアノ音楽の世界は同じ様にポリフォニック(複数の声部からなる)であるため、絵画と同じく世界の表象を表現することができるからだ。この概念は私に深いインスピレーションをもたらす。そして楽器と共に与えることのできる音色の豊かさやその響きというものは、作曲家から残された『手紙』即ち『楽譜』を再現するための、演奏の核となる要素である。

私は作曲家の個性や思考回路も想像してみる。出版されている作曲家の書簡や、その一生における個人的な出来事についても好んで読んだりするが、その作曲技法、作品に表れている伝統や受けた影響、生きた国と時代、そして持っていた(作曲に使った)楽器、と作曲家自身と楽器との関係、作曲家が到達を目指した様式等も考慮に入れ、正に『探偵』といえる作業である。これらの手がかりは、できる限り説得力を持って、私だけの物でもある音楽の世界を、ピアニストとしての音色のパレットを駆使して再建築(創造)することを可能としてくれるのだ。

アナスタジマの金子陽子による演奏(フォルテピアノ・グラーフ、オリジナル)

2019年9月に『アナスタジマ』を初演したラ・シェーズ=ジローの教会と持参したクラーク製ワルターモデルのフォルテピアノ

YK
この曲の初演の日、注意深く耳を傾ける聴衆で埋まった教会の音響は私が弾いたクラークのフォルテピアノの響きを更に美しくしてくれ、それが私にインスピレーションと感動を与えた。私は作曲家と自分の真なるメッセージが伝えることができたという印象を持った。

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『アナスタジマ』が構築された方法は、外部のごく断片的な要素が、精神的、素材的により長い音楽作品の基礎として使われる様子を提示している。この基礎の要素を倍増させることで、遥か彼方の鐘の音を描写した2つの音が6分近くかかる作品となる訳だ。基礎になったものは精神的であり素材的だ。何故『精神的』かというと、聖歌の静寂さから私はインスピレーションを受けたから。『素材的』の理由は、より容積のある建築を築くために、職人が小さな素材であるレンガの一つ一つを使って住いを造って行くように、又は科学者がある分子を『増殖』させて有益な物とするように。

フランス語版『運命の卵』の表紙

一般に、科学と芸術は対抗するものだとする傾向がある。科学は実証的、現実的で想像に欠け、芸術は耳元で偉大なる神秘をささやく創造の女神と親交する。私としては、芸術家は科学者、科学者は芸術家であるべきだ。作曲家がどのようにして自身の手元にある素材を解釈して倍増させ、変化させ、引き延ばして音楽作品として行くかを見て来た。発見した分子を再生、増殖して病気を治せる薬として大量生産を目指し、内の成分、その規則性の理解をまず試みる科学者はインスピレーションに満ちた人間なのだ。

抗生物質の存在の基となったペニシリンを発見したアレクサンダー・フレミングに私は思いを巡らせる。そして同じく驚くべきミハイル・ブルガーコフの小説『運命の卵』を思う。生物学者、ペルシコフ教授が偶然にも、生き物がより大きく、より強く、生き残りの為により凶暴になるという、世紀最大の発見となる『生命の光線』の発見の、特筆すべき一瞬をドキドキするような手法で次のように物語る。
「ペルシコフ教授は顕微鏡に両眼を近づけ、調節ネジを廻すべく指を上に沿える、しかしその指は動きを止める。ペルシコフ教授の右目は青白く疲れきったアメーバーの横に、曇った白い輪を見た、輪の中には、髪の毛の束のような色とりどりの固まりがあった。ペルシコフ教授は氏の何百人もの学生と同じ様にこの固まりを知っていたが、誰もそれに興味を持ったことがなかった。この色とりどりの光は顕微鏡観察の際に、焦点が合っていないということを示すもので、研究の邪魔になるものであったからだ。調節ネジをひと回ししてこの邪魔な光を取り除き、白い均等な光の視野を得るのであった。この科学者の細々とした指はすでに調節ネジの上に置かれていたが、突然指は震え、ネジを離す。ペルシコフ教授の右目は突然真面目に、驚き、しかも不安気になった。何故なら、顕微鏡の前に座っていたのは才能がない普通の男ではない。顕微鏡の前にいたのはペルシコフ教授だ。彼の生涯のすべてと思考のすべてがこの一瞬の右目の中に結集されていたのだ。」
いわゆる偶然が、この『生命の光線』というものをあらわにした、しかし、ペルシコフ教授にそれを気づかせたのは、偶然、ではなかった。インスピレーションが『神からの又は超自然からの作用によって人間がするべき表現又は行為の啓示を受けること』ではなく、単なる偶然と考えるにしても、その偶然の出会いを感知し、気がつかずに通り過ぎず、『出会い損い』をしないことが、科学的、又は芸術的な出会いを偉大な物とするのである。

何百人、何千人もの科学者達が、この想像上の人物であるペルシコフ教授や、実際に存在したアレクサンドル・フレミングと同じように学問を極めて来た訳だ。そのうちの多くは、偉大な光線や人類を救える分子などが眼前を過ぎた体験をしたのかもしれないが、この外界の出来事が持つ重要性に気づく精神的ゆとりは全ての科学者には備わっていなかった訳だ。インスピレーションとは、偶然にやって来る信号を感知するこの精神的ゆとりでもあるのだ。

YK
私もこの考えに同意する。インスピレーションが正にそれだと認められるには、本人のモチベーション、欲望、得た知識や経験等、前提となる条件が必要とされる。これらの『記憶』とも称せる情報がニューロンの中で保存され、当人が外部から刺激を受けた際に反応、複雑に接続して、新しい結果、概念を産み出す。この幸せな出会いが単なる気まぐれと解されて忘れ葬られない為には、当人は知識を持ち、芸術的に覚醒していなければならない。

脳科学の教授、研究者で、高いレヴェルのヴァイオリニストでもあるイザベル・クロエズ=タヤラニ氏によると、21世紀の今日でも、音楽作品の創造の、インスピレーション、瞑想などのしくみについて、様々な知識を集大成することは難しいと言う。更に彼女は続ける「全ての解釈に於いて、種族の進化、個人の発展、文化全体の進化、というものを考えに入れなくてはならない」彼女は師でもある、ジャン=ピエール・シャンジュー教授の著作『理性と歓び』の一節を私達に紹介する(ジャン=ピエール・シャンジュー教授はコレージュ・ド・フランス並びにパスツール研究所の教授、フランス科学アカデミー会員、国立科学倫理会議の会長も務めた)

「脳の中において、3つの特異な進化が見られる。種族としての進化、個人の進化、文化の進化。芸術作品の創造やそれに対する憧憬は、様々な統合が行われる意識を管理する部分での進化を考慮に入れなくしては考えることができない。」

このように、脳科学の分野に於いて、インスピレーションはこの3つの進化とそれらが働きかける結果と切り離す事ができない。同じ著作の中で、『魂の化身』という部分の要旨を以下のように私は紹介する。

「私達の思考、感知、感情はニューロンの回路と神経信号の伝達と拡散によって支配されている。この伝達は分子の『世界』が、『精神的実体』と呼ばれる部分において活性化し、ニューロン全体の活動と関連している。」

YK
今日明らかとなっているこれらの科学的な知識は、一見、神、超自然という概念に矛盾し、貴方のような神学者達を失望させるかのように思われる、しかしながら私自身はこの科学の道とそのお陰で、偉大なる創造主の力、その生命体の数々、人間の全て、そして、我々を取り巻く宇宙に心底より賛同する、と言い切ることができる。

2021年7月、ヨーロッパは永かったコロナ災禍によるロックダウン生活から脱出し、私達は文化的芸術的生活の再生を祝いつつある。この7月23日、24日に、フランシュコンテ地方のキュブリー音楽祭の聴衆と再会し、アレクサンダーの最新作『パリ・サン・セルジュの鐘』を1840年製のエラールのフォルテピアノで初演することは、私にとっての歓びである。

(2021年7月15日)

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アレクサンダー・ダムニアノヴィッチ (Alexandre Damnianovitch)
1958年セルビアのベオグラード生まれの作曲家、指揮者。ベオグラード音楽院で作曲と指揮を学び、パリ国立高等音楽院作曲科に入学、1983年に満場一致の一等賞で卒業。フランスに在住して音楽活動。まず、レンヌのオペラ座の合唱指揮者、サン・グレゴワール音楽院の学長に就任し、オーケストラ『カメラータ・グレゴワール』並びに『芸術フェスティヴァル』を創設。1998年にはパリ地方のヘクトール・ベルリオーズ音楽院の学長に就任し『シンフォニエッタ』オーケストラと声楽を中心とした『Voie mêlées』音楽祭を創設。1987年には、フランスの『アンドレ・ジョリヴェ国際作曲コンクール』、1998年にはチェコ共和国の国際作曲コンクール『ARTAMA』で入賞。
作曲スタイルはポストモダン様式で、ビザンチンの宗教音楽並びにセルビアの民族音楽からインスピレーションを受けている。主要作品として『エオリアンハープ』、『キリストの誕生』、『フォークソング』、『聖アントワーヌの誘惑』、『パッサカリア』、『叙情的四重奏曲』、『フランスの4つの詩』、『エルサレムよ、私は忘れない』、、等が挙げられる。

近年での新作は、フォルテピアノ奏者、金子陽子との共同研究の結果生まれた作品、『アナスタジマ』、『3つの瞑想曲』、『6つの俳句』、『パリ・サン・セルジュの鐘』などが挙げられる。

音楽活動と並行して、サン・マロ美術学院油絵科を卒業した他、パリのサン・セルジュ・ロシア正教(大学)神学部にて神学の勉強を続け、神学と音楽の関係についての論文を執筆中である。

(ラルース大百科事典セルビア語版の翻訳)

アレクサンダー・ダムニアノヴィッチ公式サイト(フランス語)の作品試聴のページ

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金子陽子(Yoko Kaneko)
桐朋学園大学音楽科在学中にフランス政府給費留学生として渡仏、パリ国立高等音楽院ピアノ科、室内楽科共にプルミエプリ(1等賞)で卒業。第3課程(大学院)室内楽科首席合格と同時に同学院弦楽科伴奏教員に任命されて永年後進の育成に携わってきた他、ソリスト、フォルテピアノ奏者として、ガブリエル・ピアノ四重奏団の創設メンバーとして活動。又、諏訪内晶子、クリストフ・コワン、レジス・パスキエ、ジョス・ファン・インマーゼルなど世界最高峰の演奏家とのデュオのパートナーとして演奏活動。CD録音も数多く、新アカデミー賞(仏)、ル・モンド音楽誌ショック賞(仏)、レコード芸術特選(日本)、グラモフォン誌エディターズ・チョイス(英)などを受賞。
洗足学園音楽大学大学院、ラ・ロッシュギュイヨン(仏)マスタークラスなどで室内楽特別レッスンをしている。
これまでに大島久子、高柳朗子、徳丸聡子、イヴォンヌ・ロリオ、ジェルメーヌ・ムニエ、ミッシェル・ベロフの各氏にピアノを、ジャン・ユボー、ジャン・ムイエール、ジョルジュ・クルターク、メナへム・プレスラーの各氏に室内楽を、ジョス・ファン・インマーゼル氏にフォルテピアノを師事。
2020年1月にはフォルテピアノによる『シューベルト即興曲全集、楽興の時』のCDをリリース。パリ在住。
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