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撮っておきの音楽家たち|ジャン=ジャック・カントロフ|林喜代種    

ジャン=ジャック・カントロフ(ヴァイオリン奏者・指揮者)  

2019年2月26日 武蔵野市民文化会館
photos & text by林喜代種( Kiyotane Hayashi) 

フランスを代表するヴァイオリニスト、ジャン=ジャック・カントロフが演奏会を各地で行なった。カントロフは2012年よりヴァイオリン演奏家としての活動をやめていた。が2017年春から演奏を再開した。
今回はブラームスのソナタ全曲演奏もあった。ラヴェル、フォーレなどのフランスの作曲家のほかに、この日は特に、フランスの知られざる作品を紹介したいということで、ジュダルジュとグロヴレーズの2人作曲家の作品を演奏した。今回のこの4人の作曲家は19世紀から20世紀の半ばにかけてのパリ国立高等音楽院(コンセルヴァトワール)の作曲科の教授たちで、中でもジュダルジュはラヴェルやエネスコ、オネゲル、ミヨー、シュミットなどの作曲家の師匠として信頼された。グロヴレーズは同じくジュダルジュやフォーレの弟子で作曲以外に指揮者、評論家としても活躍し音楽院でも教鞭をとった。
カントロフは、当時のコンセルヴァトワールの雰囲気をこれらの作品から感じてもらえれば、と述べている。聴衆は独自の雰囲気の漂う演奏を体験した。ピアノは上田晴子。
カントロフは1945年フランス・カンヌ生まれ。13歳でパリ高等音楽院のルネ・べネデェティーのクラスに入学が許され、1年でプルミエ・プリを取得。19歳でカーネギーホールにデビューしてからは世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。ヴァイオリニストとしての活動のほか、オランダ室内管弦楽団、パリ管弦楽団アンサンブル、フィンランドのタピオラ・シンフォニエッタ、ローザンヌ室内管弦楽団、など多くのオーケストラ常任指揮者を務める。また2008年までパリ国立高等音楽院のヴァイオリン科の教授を務める。 
世界中でマスタークラスを持ち教育にも力を入れている。録音も多く、受賞アルバムも多数ある

(2019/3/15)