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注目のコンサート|2018年5月

♩4/28〜5/13 第23回宮崎国際音楽祭

1996年に始まった宮崎国際音楽祭も今年で23年目。収益重視の馴れ合い音楽祭に陥ることもなく、5月に開催されるメイン公演だけを見ても、ロマン派から近現代まで、プログラミングはなかなか心憎い。とはいえ、この音楽祭の魅力は何と言っても出演者の顔ぶれだ。故アイザック・スターンが提唱したという「アジアの演奏家の育成」は着実に受け継がれているようで、今年もソロ奏者やオペラ・ソリスト、管弦楽団奏者などに今後を期待される日本とアジアの若手の名前がずらりと並ぶ。もちろん、諏訪内晶子やチョン・キョン・ファと言った世界的奏者を聴きに行くのもよし。アジアと日本の音楽界の「今」を知るには格好の機会となるだろう。
4/28@メディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)ほか
http://www.mmfes.jp/2018/gaiyou/

 

♩5/3 山根一仁&北村朋幹 デュオ・リサイタル

ミューザ川崎ホリデーアフタヌーンコンサート2018前期「新星の煌めきーー俊英デュオ」として90年代生まれ、つまり20代の演奏家の中でも、その傑出した技量で熱い視線を浴びているヴァイオリンの山根一仁とピアノの北村朋幹がデュオ・リサイタルを催す。曲目もバッハと20世紀ロシアの3人、それぞれが全く違う楽想の作品を並べたもの。彼らの若さが音楽にどう反映するか興味津々である。
5/3@ミューザ川崎シンフォニーホール
http://www.kanagawa-geikyo.com/calendar/concerts/180503-1/180503-1.html

 

 

 

♩5/3~5 ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2018

2005年を第1回とし、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンという名で東京・丸の内地区でゴールデン・ウィークに開催されてきたクラシック音楽を中心とした祭典。今年から「ラ・フォル・ジュルネTOKYO」と名称を変え、池袋地区も加えた二拠点で行われる。丸の内エリア125回、池袋エリア53回の有料公演のほか、公園などでアマチュアや若手演奏家による無料コンサートも200回ほど開かれる。今年のテーマは「モンド・ヌーヴォー 新しい世界へ」というもの。全体主義体制の圧力により亡命を余儀なくされた作曲家、自ら進んで新しい環境を求めた作曲家、ジプシーや中世の放浪楽師の音楽などを幅広く取り上げる。出演者はフランス・ナントと共通する人が多いが、日本では知られていない演奏家や団体も多く、この音楽祭で注目を集め、その後活躍の場を拡げるというケース、今年もあるかもしれない。小規模なホールの公演のチケットは売り切れていることが多いのが難点だが、大ホールの公演もバラエティに富んでいるし、無料のコンサートもなかなか楽しい。聴く側もテーマを持ってコンサートを選ぶとよいだろう。
5/3,4,5@東京国際フォーラム、東京芸術劇場
https://www.lfj.jp/lfj_2018/

 

♩5/6、8、10 東京フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会『フィデリオ』

『トリスタンとイゾルデ』『蝶々夫人』に続くミョンフンによるベートーヴェン『フィデリオ』(演奏会形式)。『レオノーレ序曲第3番』に『フィデリオ』の深遠な魂が集約されていると語るミョンフンの「愛こそが正義」のドラマ創りに期待したい。ペーター・ザイフェルト、マヌエラ・ウールら充実した布陣もステージを盛り立てるに違いない。
5/6@ Bunkamura オーチャードホール
5/8@サントリーホール
5/10@東京オペラシティ コンサートホール
http://tpo.or.jp/concert/20180506-01.php

 

 

♩5/11 バッハ・コレギウム・ジャパン 第128回定期/J. S. バッハ:教会カンタータ・シリーズ vol.74

バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)が、この6月に行われるライプツィヒ・バッハ音楽祭へ出演するのを記念したコンサート。《天は笑う!地は歓呼する!》BWV 31などの祝祭カンタータを取り上げる。ライプチィヒで演奏予定の曲目と重なるものも多い。鈴木雅明の指揮のもと、ソプラノのジョアン・ラン、アルト(カウンターテナー)のダミアン・ギヨン、テノールの櫻田亮、バスの加耒徹と、実力のある若手を中心とした声楽陣が加わる。鈴木とBCJがすでに録音している曲目ではあるが、次のステップに向け、新たな側面を見せてくれることだろう。
5/11@東京オペラシティ コンサートホール
Bach_Collegium_Japan–J_S_バッハ:教会カンタータ・シリーズ-vol-74

 

♩5/12 ヴィットリオ・ギエルミ ヴィオラ・ダ・ガンバ・リサイタル

ハイフェッツに比すると賞賛されるヴィオラ・ダ・ガンバの名手ヴィットリオ・ギエルミの日本初ソロ・リサイタル。王の楽器ヴィオラ・ダ・ガンバ黄金期の名手たちによる作品を現代のヴィルティオーゾが演奏する。民俗音楽からジャズまで幅広い領域に精通するギエルミの手で新たな音楽世界が広がるに違いない。
5/12@東京オペラシティ 近江楽堂
http://www.allegromusic.co.jp/VittorioGhielmi2018.html
http://www.allegromusic.co.jp/centerII.html

 

 

 

♩ 5/12 大阪国際フェスティバル ロッシーニ オペラ『チェネレントラ』

今年の大阪国際フェスティバルでは、ロッシーニ没後150年を記念してオペラ『チェネレントラ』を上演。演出は、フランチェスコ・ベッロットによる2008年のプロダクションの再演となる。イタリア・オペラの弾き振りなどで評価の高い園田隆一郎が、日本人キャストとともにどのような舞台を繰り広げるのか見ものだ。
だが、注目は何と言ってもアンジェリーナを演じる脇園彩。「ロッシーニ・オペラ・フェスティバル」で注目を集めて以来、スカラ座など世界各国の劇場で高い評価を得ている彼女にとっては凱旋公演とも言えるかもしれない。オペラ界新星の演技を目にする貴重な機会となるだろう。
5/12@フェスティバルホール
http://www.festivalhall.jp/program_information.html?id=1457

 

♩5/12、13 NHK交響楽団 第1885回定期公演 Aプログラム

前半にはクリスティアン・テツラフをソロに迎えてのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲でドイツ古典派の王道を行き、後半には北欧出身のパーヴォ・ヤルヴィにとって特別な作曲家であるシベリウス、その作曲家としての最後期に完成された交響詩『4つの伝説』を聴かせるという異色だが意欲的なプログラム。N響=パーヴォ・ヤルヴィの音楽の真髄を聴けることだろう。
5/12,13@NHKホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=717

 

 

 

♩5/13 フジタ・ピアノトリオ演奏会

いずれも早くから海外で音楽の専門教育を受け、それぞれ国際音楽コンクールの受賞歴をもつフジタ3姉妹。彼女らが結成したピアノ・トリオはイギリスをはじめとするヨーロッパでの活動が多く、人気も高い。これまでにリリースした6枚のCDの評価も高く、2015年に発表したメンデルスゾーンの《ピアノ三重奏曲》はレコード芸術誌で「推薦盤」に選ばれた。「心揺さぶるトリオの名曲」と題した本公演では、モーツァルト、スメタナ、メンデルスゾーンとトリオの名曲を披露する。ヨーロッパで育まれた日本人トリオがどのような音楽を届けてくれるのか楽しみだ。
5/13@京都・青山音楽記念館(バロックザール)
http://www.barocksaal.com/concert_schedule/concert20180513.html

 

♩5/15 ナタリー・シュトゥッツマン&オルフェオ55

シュトゥッツマンが、2009年に自ら創設した室内オーケストラ・オルフェオ55を率いて来日。イタリア古典歌曲として歌われることの多いバロック期のオペラ・アリアを、オリジナル楽譜、オリジナル編成で演奏する。近年、指揮活動も活発に行っているシュトゥッツマンが、自ら歌うとともに指揮にあたる。彼女の深々としたコントラルトの響きが当時のオペラの世界を再現してくれることだろう。初来日となるオルフェオ55の演奏も楽しみ。このコンサートが、今回の来日で唯一の公演である。
5/15@紀尾井ホール
http://www.hirasaoffice06.com/concerts/view/181

 

 

♩5/18 居福健太郎 ピアノ・リサイタル

東京文化会館主催の<上野de クラシック vol.15>に登場するのは東京音楽コンクール第5回でピアノ部門第3位となった居福健太郎。東京藝大卒で、ポゴレリッチ、ピリス、ゲルバーらのマスタークラスを受講、ソリストとして各オーケストラと共演、また室内楽、歌曲伴奏にも力を入れている。モーツァルト、シューマンによる1時間のコンサートで1000円の設定は嬉しい。
5/18@東京文化会館小ホール
http://www.t-bunka.jp/stage/host_10554.html

 

 

 

♩5/18、19 日本フィルハーモニー交響楽団 第700回東京定期演奏会

ラザレフと言えばロシア音楽。今回は前半にプロコフィエフの交響的協奏曲(チェロ独奏:辻本玲)、そしてメインはストラヴィンスキーの劇場作品『ペルセフォーヌ』、オーケストラにナレーション、テノール、合唱、児童合唱を加えた神話劇である。これが日本初演となる大作をしかと聴き遂げたい。
5/18,19@サントリーホール
https://www.japanphil.or.jp/concert/21742

 

 

 

♩5/18〜20 テッセラの春 第22回音楽祭「新しい耳」

廻由美子によって2007年に開始されたテッセラ音楽祭「新しい耳」の第22回が3夜にわたって開かれる。第1夜は梯剛之pf<エロイカ変奏曲>で、ベートーヴェンの他イエシェック、ウェーベルンなど。 第2夜はHISASHI&廻<カバレット・ソング>で1920年代ベルリンのカバレット・ソングを。第3夜は寺嶋陸也の耳<聖なる音・世俗の楽>でベルク、安達元彦のほかバッハを。聴けば新しい耳が拓かれよう。
5/18~20@サロン・テッセラ
https://www.atarashii-mimi.com

 

 

 

♩5/19、20 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場『アルチーナ』

二期会ニューウェーブ・オペラ劇場は若手歌手を中心としたキャスティングによる3年に一度開催のシリーズ。今回はヘンデルのオペラのうちでも人気の演目がついに登場。心情豊かなレチタティーヴォ、美しいアリアが満載の物語。バロック・オペラの魅力がステージに広がる。指揮をとる鈴木秀美に鍛えられた若手の活躍に期待したい。
5/19,20@めぐろパーシモン 大ホール
http://www.nikikai.net/lineup/alcina2018/index.html

 

 

 

♩5/20、24、27、30、6/2 新国立劇場『フィデリオ』

新国立劇場の開場20周年を記念して、ベートーヴェン唯一のオペラ《フィデリオ》が新制作で登場する。飯守泰次郎芸術監督が任期中指揮する最後の作品でもあり、ドイツ音楽の泰斗ならではの説得力ある音楽に期待したい。演出にはバイロイト音楽祭を率いるカタリーナ・ワーグナーを迎える。常に賛否を呼ぶ彼女の演出が、今回は作品の深層をどのように炙り出すか。フロレスタンにステファン・グールド、レオノーレにはリカルダ・メルベート他、邦人の実力派含めて強力な歌手陣も楽しみだ。ピットに入るのは飯守の信頼篤い東京交響楽団。‬
5-20,24,27,30,6-2@新国立劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/fidelio/

 

 

♩5/22 小倉貴久子の《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》《第32回》 G.パイジエッロ

ピアニスト小倉貴久子が続けてきているシリーズコンサート、《モーツァルトのクラヴィーアのある部屋》、毎回モーツァルトと関わりのある作曲家をゲストとし、彼とモーツァルトの作品を演奏してきた。第32回目となる今回は、1740年にイタリアで生まれ、国際的に活躍したジョヴァンニ・パイジエッロをゲストに迎える。彼のオペラ《セヴィリアの理髪師》からのアリア、モーツアルトの歌曲といった声楽作品、モーツァルトがパイジエッロのオペラの一節をもとに作曲した変奏曲などを演奏する。カウンターテナーの彌勒忠史が共演。
5/22@東京オペラシティ 近江楽堂
http://kikuko-mdf.com/omoklahe.html#dai32kai

 

♩5/22 東京都交響楽団 第855回定期演奏会 Bシリーズ

‪知られざる作品の紹介で大きな成果を挙げてきた下野竜也が、都響定期で得意のコリリアーノ作品の日本初演を手掛ける。《ミスター・タンブリンマン》はボブ・ディラン(2016年のノーベル文学賞受賞でも話題になった)の詩にコリリアーノが付曲した作品で、連作歌曲集のような趣もある。広く知られたディランの詩が、全く違った音楽と融合することで新たな地平が拓かれるのではないだろうか。独唱を務めるヒラ・プリットマンはこの作品の録音にも参加した歌い手で万全。前半のメンデルスゾーン「スコットランド」も、下野らしい雄弁な響きが楽しみだ。‬
5/22@サントリーホール
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=3130&year=2018&month=5

 

♩5/23 ブルーノ・カニーノpf&サンドリーネ・カントレッジvn

草津音楽祭の常連で多くの人材を育てた名ピアニスト、カニーノ。ソロ・室内楽の他、現代音楽にも造詣が深く、1999~2001までヴェネツィア・ビエンナーレの音楽監督を務めた。
そのイタリアの巨匠と組むのがフランスの逸材と言われるカントレッジ。パリ国立高等音楽院に学び、フランス=ベルギー派を継承、バロックから現代まで幅広いレパートリーの持ち主で、ドビュッシー、ラベルなどフランスものをじっくり聴かせるプログラムである。
5/23@Hakuju Hall
http://www.proarte.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=1912
他の公演
5/19@武蔵村山市民会館 大ホール
5/20@スタディオ・ベルソー
5/26@藤沢リラホール

 

♩5/23 アレクサンドル・トラーゼ ピアノ・リサイタル

アレクサンドル・トラーゼというピアニストの魅力がぎっしりと詰め込まれたプログラムだ。ハイドン、ラヴェル、プロコフィエフ、ストラヴィンスキーという色彩豊かな曲目(プロコフィエフを核として組まれていることは明らかだ)の中で、とりわけ目を引くのが、やはりプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第2番」の第1楽章カデンツァ。独奏コンサートとしては極めて異例な選曲とも言えるが、ゲルギエフとの強烈な名盤も残す彼の自信のほどが窺える。知性と野性味が絶妙に入り混じった、濃厚なピアニズムを味わい尽くす公演になりそうだ。
5-23@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201805231900.html

 

 

♩5/23、24 NHK交響楽団 第1887回定期公演 Bプログラム

パーヴォ& N響、待望のオール・ストラヴィンスキー・プログラム。今さら書くまでもなかろうが、徹底的に響きをシャープに磨き上げ、かつリズムの弾力とキレに富むパーヴォの指揮にストラヴィンスキーは合う。この作曲家の原点にはチャイコフスキーやリムスキー=コルサコフらに通じるロシア的要素があるのは事実しても、それは後年になるに従いあくまで意匠としての役割という側面が強化されて行く。言い換えれば抽象化ということだが、今回のプログラムは新古典主義時代以降の曲目ばかりで構成され、これはことによると3大バレエなどに比べてもパーヴォのコスモポリタニズムによりマッチングするだろう。パーヴォ・ファンもストラヴィンスキーのファンも聴き逃せぬ一夜。
5/23,24@サントリーホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=719

 

♩5/23、24、27 コンポージアム2018 ウンスク・チンを迎えて

今年のコンポージアムは韓国出身のウンスク・チンを招く。リゲティに学ぶためハンブルクに留学、ベルリンを拠点に活躍する作曲家。ドゥダメル、ミョンフンら多くの世界的音楽家とのコラボレーションなど、高い評価を獲得。歌劇『不思議の国のアリス』(2007)の大成功、近く初演予定の続編『鏡の国のアリス』と注目を集めるチンの作品から協奏曲2曲が披露される。武満徹作曲賞には40ヶ国143作が応募、4人が本選会に臨む。
5/23,24,27@東京オペラシティ コンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/compo/2018/about/

 

 

♩5/25 広島交響楽団 第380回定期演奏会

1998年以来長らく広響と共に歩んできた秋山和慶の勇退公演はオール・バーンスタイン・プロ。「キャンディード」序曲、「セレナード」(独奏ヴァイオリン、弦楽、ハープと打楽器のための)、交響曲第2番「不安の時代」。ソロはコンマスの佐久間聡一、ピアノはサラ・デイヴィス・ヴュクナー。秋山とオケが培ってきたのこれまでの蓄積を最大限に発揮してくれることだろう。ぜひ立ち会いたい。
5/25@広島文化学園HBGホール
http://hirokyo.or.jp/concert/teiki
関連記事:
http://mercuredesarts.com/2018/03/14/back_stage-hirokyo_akiyama_to_shimono-utsushi/

 

♩5/26 横浜みなとみらいホール20周年記念 バーンスタイン生誕100周年記念演奏会/神奈川フィルハーモニー管弦楽団

4月7日の神奈川フィルハーモニー管弦楽団/バーンスタイン・ガラに続く形での「バーンスタイン生誕100周年記念演奏会」。定番の『ウエスト・サイド・ストーリー』も演奏されるが、『ハリル』『セレナード』、交響曲第2番『不安の時代』、『ミサ』はあまり知られていない彼の「影」の側面を浮かび上がらせるだろう。神奈川フィル=井上道義=ソリストたちの「交響」に期待したい。
5/25@横浜みなとみらい大ホール
http://www.yaf.or.jp/mmh/recommend/2018/05/20-100.php

 

 

♩5/26 東京交響楽団 第660回定期演奏会

ナチス政権下で、抵抗運動を行った大学生グループ「白いバラ」、その中心的メンバーであったショル兄妹を主人公とするウド・ツィンマーマンの歌劇《白いバラ》を演奏会形式で上演、これが日本初演となる。シュトゥットガルト歌劇場のソリストとして活躍している角田祐子とドイツのバリトンで以前にもこのオペラの経験のあるクリスティアン・ミードルが歌う。飯森範親の指揮で、前プロとして、2002年に秋山指揮の東響が日本初演したヘンツェの《交響的侵略 ~マラトンの墓の上で~》が予定されている。現代作品2点による意欲的な定期演奏会、楽しみである。
5/26@サントリーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=5JcRWyIsCBY%3D&month=05

 

♩5/28 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 (来日中止)

メータ&イスラエル・フィル4年ぶりの来日。1961年の初共演以来実に半世紀以上もの長い絆で結ばれたこの両者だが、しかし2019年をもってメータが同オケの終身音楽監督を退任することが既に発表されている。文字通り「終身」でその任を全うするものと誰もが思っていたのではなかろうか。今後指揮をしなくなる訳ではあるまいが、しかし残念。今回は「音楽監督メータ」としてイスラエル・フィルを率いての最後の来日ということになろう。豊潤が弦楽器が自慢のイスラエル・フィルの持ち味が発揮されるであろうブラームス、そして指揮者とオケ共々得意中の得意であるマーラー。彼らの集大成たる今回の来日での演奏をしっかりと耳に焼き付けられたし。
5/28@サントリーホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=660/
その他の公演
5/27@新潟/りゅーとぴあ
5/29@東京/東京文化会館
5/31@川崎/ミューザ川崎シンフォニーホール
6/2 @大阪/ザ・シンフォニーホール

 

♩5/30、31 アレクサンドラ・スム ピアノ・リサイタル

日本での知名度はまださほどでもないと思われる逸材アレンクサンドラ・スム、度々来日しているが日本のオーケストラとの共演が多く、リサイタルは久しぶりという。よく通る音と明晰なアーティキュレーションを駆使したその演奏は、知的でありながらもパッショネイトな表現力に溢れる。弦楽器の「歌」の魅惑と構築力を高い次元で併せ持つスム、もっと知られてよい名前だろう。ヴァイオリン好きは今回のリサイタル、聴き逃すべきではない!
5/31@浜離宮朝日ホール
http://www.pacific-concert.co.jp/concert/view/855/

 

 

♩5/30、31 ジャコバン国際ピアノ音楽祭 2018 in 東京

中世の街並みが美しいトゥールーズ(仏)にある13世紀ゴシック建築、ジャコバン修道院を舞台に半世紀前から開催されている<ジャコバン国際ピアノ音楽祭>。「ピアノでみんながひとつになる」というコンセプトの音楽祭を日本にも、とHakuju Hallが企画。音楽祭アンバサダー仲道郁代の演奏のほかエマヌエル・スヴィエルチのショパン、ラフマニノフ、フィリップ・レオジェのフランス・シャンソンを楽しむ2日間。
5/30,31@ Hakuju Hall 昼夜公演4公演
http://www.hakujuhall.jp/syusai/140.html