注目のコンサート|2017年4月
♩4/2 東京春祭 歌曲シリーズ vol.20 マルクス・アイヒェ(バリトン)
《東京・春・音楽祭〜東京オペラの森2017》の歌曲シリーズ第20回はウィーン、バイエルンなど世界の名だたる歌劇場を主舞台に活躍するバリトンのマルクス・アイヒェ。日本での初リサイタルである。シューベルト、ベートーヴェン、シューマンなどを並べたプログラム。ピアノはクリストフ・ベルナー。
4/2@東京文化会館小ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4036.html
♩4/5 新日本フィルハーモニー交響楽団室内楽シリーズXIII
新日フィルのフルート奏者渡辺泰プロデュースによる本公演、ブラジルの近代作曲家ヴィラ=ロボス、フランス古典派のドヴィエンヌ、フランス印象派のドビュッシー、フランス現代作曲家ジョリヴェと異色の組み合わせである。この組み合わせからいかなる音楽世界が立ち現れるか注目したい。
4/5@すみだトリフォニーホール小ホール
https://www.njp.or.jp/archives/3602
♩4/7 東京春祭 歌曲シリーズvol.21 エリーザベト・クールマン (メゾ・ソプラノ)
この音楽祭のハルサイ[リング]で、エルダ、フリッカといった重要な役で存在感をみせ、一昨年のリサイタルでも「愛と死」をテーマとする緻密なプログラムで高い評価を得た。今年もヴァルトラウテとして《神々のたそがれ》に出演する。その後に行われるリサイタル、シューベルト、リスト、ブリテン、そしてオーストリアの作曲家ライター(Herwig Reiter)の歌曲が予定されている。演奏機会が少ないものもあり、また彼女とエドゥアルド・クトロヴァッツ(ピアノ)の踏み込んだ表現にも期待が大きい。
4/7@東京文化会館小ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4038.html
♩4/8 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第328回定期演奏会
4年目のシーズンを迎える、常任指揮者川瀬賢太郎によるシーズン・オープニングは世界的指揮者サロネンが、作曲家として残した秘曲「フォーリン・ボディーズ」と、マーラー・ツィクルス以来の演奏となる「巨人」。「新たな豊穣の響きへ」が始まる。
なお、4月9日の第318回もプーランク「2台のピアノのための協奏曲」(田村響、佐藤卓史)など興味深いプログラム。
4/8@横浜みなとみらいホール
http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_detail.php?id=485
4/9@横浜みなとみらいホール
http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_calendar.php?date=201604
♩4/8、9 安江佐和子perc.プロデュース「il Sloe」/YxSCrossing#01
独自の道を切り拓いている打楽器奏者・安江佐和子のこの新企画では、2017年一柳コンテンポラリー賞も受賞し、今最も注目を浴びていると言っても良い作曲家・指揮者の杉山洋一を取り上げる。またピアノの加藤真一郎は作曲家として芥川作曲賞候補にも選ばれたこともある逸材、この3人がいかなる音楽を作り上げるのか興味津々である。
4/8,9@トーキョー・コンサーツ・ラボ
http://tocon-lab.com/event/20170408
♩4/9 東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.4 シューベルト 《ミサ曲》~夭折の作曲家による、最後のミサ曲
2009/10年からライプツィヒ歌劇場の音楽監督を務め、2011年から総監督を任されているウルフ・シルマー。ドイツでも屈指の歌劇場の一つに再建、なかでもライプツィヒ生まれのワーグナー・オペラに力を注いでいる。今回はドイツ正統を継承するシルマーによるオール・シューベルトプログラム。とりわけ最後の「ミサ曲」に注目したい。
4/9@東京文化会館大ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4019.html
♩4/10 銀座ぶらっとコンサート #120 ステラ・トリオ Vol.1
平日の昼下がりを楽しむ『銀座ぶらっとコンサート』第120回は、王子ホールの名物企画MAROワールドから誕生したフレッシュなピアノ・トリオの初お目見え。輝く星座を志す若手3人、小林壱成vl、伊東裕vc、入江一雄pfがモーツァルトとチャイコフスキーの名曲でデビューする。要注目だ。
4/10@王子ホール
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2017/20170410.html
現代、最高峰の女流ヴィオリスト、タベア・ツィンマーマンの無伴奏の夕べ。リゲティ、ホリガー、リーム、ジャレル等、多くの現代作曲家が彼女のために新作を書いている。2014年4月、およそ15年ぶりの王子ホールでのリサイタルから3年、今回はバッハ、ヒンデミット、ツィンマーマン、ストラヴィンスキー、リゲティなどに新たな世界を開示してくれるだろう。
4/14@王子ホール
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2017/20170414.html
♩4/14、15 日本フィルハーモニー交響楽団 第689回定期演奏会
2016年9月に首席指揮者に就任したピエタリ・インキネンのブラームス・ツィクルス<1>。インキネン&日本フィルコンビの王道とも言えるプログラムは交響曲「第3番」「第4番」。ロマンと哀愁のブラームス世界を堪能させてくれることだろう。
4/14,15@ Bunkamuraオーチャードホール
http://www.japanphil.or.jp/concert/20176
セイジ・オザワ松本フェスティバルの名演で人気沸騰のファビオ・ルイージ。現在、チューリヒ歌劇場音楽総監督、メトロポリタン歌劇場首席指揮者を務める。2001年N響との初共演以来、共演を重ねるが、とりわけ2008年のベートーヴェン《交響曲第7番》、2014年のブルックナー《交響曲第9番》、オルフ《カルミナ・ブラーナ》での熱演は記憶に新しい。今回のプログラムはゴットフリート・フォン・アイネム「カプリッチョ」、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」(ニコライ・ズナイダーvl)、マーラー「巨人」。
4/15,16@ NHKホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=583
♩4/16 スペシャル・ガラ・コンサート~東京春祭2017 グランド・フィナーレを飾るオペラの名曲たち
今年のハルサイの最後を飾るガラ・コンサート。イタリア生まれの指揮者、スペランツァ・スカップッチのほか、歌手3人、ソプラノのクリスティナ・パサローユ、テノールのイヴァン・マグリ、バスのアドリアン・ザンペトレアンも、活躍の舞台を拡げつつある若手。彼らの生き生きとした音楽で、今年の音楽祭が幕となる。
4/16@東京文化会館大ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4024.html
1987年生まれ、古き良き時代のサウンドを受け継ぐヴァイオリニストとして売り出す。バッハ、フランスもの、ピアソラを得意とするが、その独特の演奏でJ-POPなど“歌もの”カヴァーにも熱烈なファンが多い。2015年からは新鋭バンド「El Cielo 2020」(エルシエロ2020)のヴァイオリニストとしても活動している。今回はバッハの無伴奏・ソナタ&パルティータに挑む。注目したい。
4/16@東京オペラシティ 近江楽堂
http://www.mori-music.com/taishi-13.html
♩4/17、18 東京都交響楽団 第828、829回定期演奏会
アメリカのポスト・ミニマルミュージックの旗手アダムズも早70歳である。その年齢にして50分の大作をいまだに書けるとは驚嘆しきり。彼がどのような境地に至ったか直に触れる稀有な機会である。
4/17@東京文化会館大ホール
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=3027&year=2017&month=4
4/18@東京オペラシティコンサートホール
http://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=3028&year=2017&month=4
♩4/18、20 ニコライ・ズナイダー ヴァイオリン・リサイタル
世界トップクラスのヴァイオリニストであり、指揮者としても超一流のキャリアを築いているニコライ・ズナイダー。1997年エリザベート王妃国際音楽コンクール第1位、1992年カール・ニールセン国際音楽コンクール第1位など輝かしいキャリアを誇る。指揮者としての活躍も目覚ましく、ワレリー・ゲルギエフに招かれ、2010年にマリインスキー歌劇場管の首席客演指揮者に就任した。13年ぶりの来日で待望のリサイタル。ベートーヴェン、シューマン、ショスタコーヴィチなどを並べた。
4/18@浜離宮朝日ホール
4/20@フィリアホール
http://www.pacific-concert.co.jp/concert/view/683/
木琴の巨匠平岡養一の愛器を譲り受け、演奏・執筆活動を通じて木琴復興の使命に情熱を傾ける通崎睦美の木琴デイズ。国内外でアコーディオンの魅力と可能性を発信する大田智美とともに、ポルディーニから寺嶋陸也、古賀政男などバラエティに富んだプログラム。郷愁とモダンをたっぷり楽しみたい。
4/19@すみだトリフォニー 小ホール
http://www.plan-pit.com/kouenshosai_010.html
♩4/19 ナタリー・デセイ&フィリップ・カサール デュオ・リサイタル
数年前、オペラの舞台は「お休み」すると宣言し、コンサート活動に専念しているナタリー・デセイ。近年はドイツ・リートやミシェル・ルグランとの共演など新たな境地を開いている。今回のコンサート、”Portraits de femmes”というタイトルが付けられている。オペラ・アリア、ドイツ歌曲、フランス歌曲の多彩な曲目による「女性の肖像」、どのようなものになるか楽しみ。50代に入った彼女の「歌いたい」気持ちを聴けるだろう。
3/16@東京オペラシティ・タケミツメモリアル
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=8023
♩4/20 アプリコ・アフタヌーン・サロン「大作曲家の恋文」
「大作曲家と恋する方法教えます」。平日の午後を楽しむサロンのコンサートの第一弾は名曲を彩る恋のエピソードとともに、という趣向。第1回は<ロマン派の巨匠たちと恋の大追跡劇>がテーマ。児玉麻里、桃姉妹が演奏をトークで盛り上げる。
4/20@大田区民ホール・アプリコ
http://www.ota-bunka.or.jp/facilities/aprico/event/tabid/180/Default.aspx?itemid=408&dispmid=876
♩4/21、22 紀尾井ホール室内管弦楽団 第106回定期演奏会
リニューアル・オープニング
首席指揮者にライナー・ホーネックを迎え、新たなスタートを切る紀尾井ホール室内管弦楽団。ホール開館と同時に発足した「紀尾井シンフォニエッタ東京」だが、2017年4月より音楽的求心力を強めるため首席指揮者をおき、レベルアップを図っていこうと、名称も「紀尾井ホール室内管弦楽団」と改め、新たな一歩を踏み出す。この夜がその最初のコンサート。ストラヴィンスキー、バッハ、ハイドンといった多彩なプログラム、この楽団の今後への意欲が感じられる。
4/21@紀尾井ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/20170421k1900.html
http://mercuredesarts.com/2016/12/31/back-stage「新たな一歩を踏み出す。紀尾井ホール室内管/
♩4/21 兵庫芸術文化センター管弦楽団 第95回定期演奏会
イギリスの巨匠サー・コリン・デイヴィスを父に持ち、次代を担う指揮者として注目を集めるジョセフ・ウォルフが、定期に初登場する。<高貴なるエルガーの世界>として、祖国イギリスの作曲家、オール・エルガーのプログラムを組んだ。漆原朝子vlと「ヴァイオリン協奏曲」、そして「交響曲第1番」を。その気品ある音楽を楽しみたい。
4/21@芸術文化センター KOBELCO大ホール
http://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertDetail.aspx?kid=4280211311&sid=0000000007
アレクサンダー・リープライヒは、次世代を担うエキサイティングな指揮者として注目されており、クラウディオ・アバド、ミヒャエル・ギーレン双方の薫陶を受けた。メンデルスゾーンとルトスワフスキのほか、2005年東京音楽コン クール第1位、浜松、シドニー、リーズ国際コンクールでも入賞した北村朋幹がショパンの協奏曲を弾く。若々しいステージが期待される。
4/21@京都コンサートホール
http://www.kyoto-symphony.jp/concert/detail.php?id=612&y=2017&m=4
グバイドゥーリナの日本初演「太陽の讃歌」にホルストの「惑星」、まるで宇宙旅行のようなプログラムだが、東響・沼尻竜典のコンビならばきっと豊かな音楽的宇宙にいざなわれるであろう。
4/22@ミューザ川崎シンフォニーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=sEINg7MBR44%3D&month=04
♩4/25 アヴィ・アヴィタル ヴェニス・バロック・オーケストラ
2015年エコー賞受賞、マンドリン界のプリンス、アヴィ・アヴィタル率いるヴェニス・バロック・オーケストラ公演。1978年イスラエル生まれ、8歳でマンドリンを始め、イタリアのパドヴァで学ぶ。マンドリンのレパートリーに革新を起こし、熱狂的なファンを獲得。
変幻自在なヴィヴァルディ、鮮烈なヴェネチアン・サウンドに期待したい。
4/25@浜離宮朝日ホール
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2017/04/event727.html
Hakujuホールのギター・フェスタでもお馴染みの名匠・荘村清志と、台湾出身でアジアを代表するギタリストであるデニー・イェにスイス在住の気鋭ヴァイオリニスト、廣田真希が加わってのソロ、デュオ、トリオ。ヴィラ=ロボス、タレガ、モリコーネ、ソル、イベールなど盛りだくさんの一夜。
4/27@Hakuju Hall
https://www.hakujuhall.jp/syusai/90.html