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注目の公演・イベント|2024年12月

♩11/29,12/1 北とぴあ国際音楽祭2024 モーツァルト:《皇帝ティートの慈悲》

寺神戸亮が手兵レ・ボレアードを率いて行っている北とぴあ国際音楽祭でのオペラ公演、今年はモーツァルトの晩年の傑作《皇帝ティートの慈悲》を取り上げる。主役にルーファス・ミュラー、ロベルタ・マメリ、ガイア・ペトローネといった歌手を呼び、充実した演奏を聴かせてくれそう。限られたスペースでの演技とはなるが、毎年よく考えられた舞台を見せてくれているので、そちらも期待できるだろう。

11/29,12/1@北とぴあさくらホール
https://kitabunka.or.jp/himf/16810/

 

♩12/3 クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)&ゲロルト・フーバー(ピアノ)
〈クララ・シューマンへのオマージュ〉

ドイツの名歌手クリスティアーネ・カルクの8年ぶりの来日。前回はまだ若手といえる時期であったが、今ではトップクラスのソプラノ歌手となっている。その声の成熟も楽しみだが、〈クララ・シューマンへのオマージュ〉と題するプログラムもなかなか凝ったもので、どのように聴かせてくれるか大いに期待される。クララ・シューマンの歌曲にロベルト・シューマンとブラームスの歌曲を組み合わせた構成となっており、それほど演奏機会の多くないクララの歌がどのように響くか楽しみにしたい。

12/3@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2024/20241203.html

♩12/4東京都交響楽団 第1012回定期演奏会Bシリーズ
♩12/5東京都交響楽団 第1013回定期演奏会Aシリーズ

大野和士のショスタコーヴィチは刺激的な爆音で攻め立てない。しかし、それに代わっていかにも陰鬱かつ内面的、そして複雑な表情をみせる。この指揮者が得意とする傑作、交響曲第8番をどう聴かせるか期待は高まる。前半は都響の若き首席チェロ奏者伊東裕がハイドンの協奏曲第1番を披露。

12/4@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3800
12/5@東京文化会館
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3801

 

 

♩12/5 東京現音計画#22 コンポーザーズセレクション8 木下正道

作曲家にして電子楽器即興奏者の異才・木下正道が現音計画に登場。「密やかさの探求~無音よりさらに深い静けさへ向けて~」というテーマで、木下他、ジョン・ゾーン、大友良英、ルイジ・ノーノ、杉本拓、佐原洸という作曲家陣を見るだに、いかに・いかなる「静けさ」が現れるのか期待が高まる。

12/5@杉並公会堂小ホール
https://tokyogenonproject.net/?p=1099

 

 

 

♩12/6 紀尾井レジデント・シリーズⅢ・第2回青木尚佳vn “ Fantasy”

紀尾井レジデント・シリーズ 初回でイザイの無伴奏作品を取り上げその実力の程を示した青木尚佳。今回はピアノとのデュオで、“ファンタジー”と題しての一夜、ボリス・クズネツォフ(ピアノ)、早川りさこ(ハープ) を迎え、シェーンベルク:幻想曲 op.47、シューベルト:幻想曲ハ長調 D934 、シューマン:幻想曲ハ長調 op.131 、サン=サーンス:幻想曲 op.124 、サラサーテ:カルメン幻想曲 op.25と華やかな幻想を振り撒く。ハープとのデュオも楽しみだ。

12/6@紀尾井ホール
https://kioihall.jp/20241206k1900.html

 

 

♩12/6 九州交響楽団第427回定期演奏会

九州交響楽団の終身名誉音楽監督に就任した小泉和裕がブルックナー生誕200年の年に取り上げるのは、交響曲第5番。小泉は、2021年のシーズンに交響曲第8番の力強い解釈を示していた。確かな土台の上でリズムを躍動させ、雄大な流れを作るアプローチは、第5交響曲にも適していよう。ブルックナーの交響曲のなかで最も緊密に構築されたこの作品において、小泉と九響がどのような音響を築き上げるか注目される。

12/6 @アクロス福岡シンフォニーホール
https://kyukyo.or.jp/cms/15146

 

 

♩12/7 山澤慧チェロリサイタル マインドツリーvo.10 バッハツィクルス5

現代チェロ音楽の裾野を拡げ続けている山澤慧チェロリサイタルマインドツリー、今回はバッハの5番に加えて1960年代生まれの望月京、1970年代生まれの酒井健治、1980年代生まれの高橋宏治、そして2002年生まれの梅本佑利と佐藤伸輝の2人でプログラムを組んだ。どんな精神の枝葉が伸びていくのか、必聴である。

12/7@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://tocon-lab.com/event/20241207

 

 

 

♩12/7,8 東京交響楽団第727回定期演奏会、川崎定期演奏会第98回

シェーンベルク渡米後の代表作・ヴァイオリン協奏曲とベートーヴェンの交響曲第5番『運命』、をノットが「ついに」振る時が来た。現代音楽のカノンと古典・ロマン派のカノンが並ぶこの王道を行くプログラムでいかに東響・ノットの個性が現れるのか、今から手が汗ばむような気すらする。必聴。

12/7@サントリーホール
https://tokyosymphony.jp/concert/14918/
12/8@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://tokyosymphony.jp/concert/14923/

 

 

♩12/7~15 パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

今年はパーヴォ・ヤルヴィがドイツ・カンマーフィルの首席指揮者に就任して20年の記念の年だという。その意味合いがあるのかどうかはともかく、2年前の同コンビでの来日時の東京2公演のみ、というような規模ではなく日本各地での8公演。モーツァルトとベートーヴェンの協奏曲ではそれぞれブレハッチとヒラリー・ハーンが登場するのも楽しみだ。

12/7日@熊本県立劇場コンサートホール
https://www.kengeki.or.jp/audienceperform/2024-tdkb
12/8@横浜みなとみらいホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2097/
12/9@東京オペラシティ・コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2097/
12/10@文京シビックホール
https://www.b-academy.jp/hall/play_list/062015.html#content
12/12@東京オペラシティ・コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/p2097/
12/13@所沢市民文化センターミューズ
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20241213/
12/14@兵庫県立芸術文化センター
https://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertDetail.aspx?kid=5040911317&sid=0000000001
12/15@iichikoグランシアタ
https://emo.or.jp/event/7982/

♩12/8 パトリツィア・コパチンスカヤ&カメラータ・ベルン

彩の国さいたま芸術劇場開館30周年記念にパトリツィア・コパチンスカヤ&カメラータ・ベルンがステージを飾る。どこに行っても何をしても旋風を巻き起こすコパチンスカヤ。歌うわ、踊るわ、芝居するわ、と常に予想を裏切り続ける彼女がアーティスティック・パートナーを務める凄腕集団カメラータ・ベルンと共に来日。パトコップ(コパチンスカヤ):怒り、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調、シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 「死と乙女」D810 (コパチンスカヤ編/弦楽オーケストラ版)と、またまた興奮の坩堝に!

12/8@彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール
http://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/101234/

 

♩12/9,12 サラ・トラウベル ソプラノ・リサイタル

ドイツのソプラノ、サラ・トラウベルの日本初登場。近年各地で名前を聞くようになってきた。そろそろ中堅というべき年齢であるが、楽しみな歌手であることは間違いなさそう。今回はモーツァルトの歌曲とオペラ・アリアを中心とするプログラムが組まれていて、彼女の明るい軽めの声に適したものだろう。なお、彼女は、戦後METのプリマドンナであったヘレン・トローベルと指揮者ギュンター・ヴァントの姪孫とのこと。

12/9@東京文化会館小ホール
https://www.mozart.or.jp/concert/2389/
12/12@日経ホール
https://art.nikkei.com/muse/20241212.html

 

♩12/10,11 イザベル・ファウスト モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 全曲演奏会

バッハの無伴奏ヴァイオリンで異次元の名演奏を聴かせたファウストによる、しばしばその魅力を語り落とされがちなモーツァルトの初期ヴァイオリン協奏曲群の実演。イル・ジャルディーノ・アルモニコとの共演もポイントだが、ファウストの解釈は単にピリオドや古楽といったワードを超えた豊かさをもつことだろう。

12/10,11@東京オペラシティ・コンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=16407

 

 

♩12/12 Elegant Time Concert スメタナ生誕200th Anniversary

若手というにはすでに風格ただよわせる三銃士、福間洸太朗pf、成田達輝vn、伊藤悠貴vc によるトリオ・コンサート。「チェコのレガシー ~スーク、スメタナ、ドヴォルザーク 」と銘打ち、スメタナのピアノトリオを中心に、同郷のスークとドヴォルザークの作品を聴かせる。トークを交えてのエレガントな午後、郷愁哀愁にどっぷり浸りたい。13:30より出演者によるプレトーク、終演後アーティストとのパーティーもあり盛りだくさん。

12/12@ヤマハホール
https://retailing.jp.yamaha.com/shop/ginza/hall/event/detail?id=5523

 

♩12/12 紀尾井 明日への扉 vol.41 井上玲 リコーダー

近年、印象的な古楽演奏会の舞台上で見かけることの多い井上玲。アンサンブルでの光る演奏ぶりもさることながら、ソロ・リサイタルでも玄人を唸らせるプログラムと演奏で注目されている。今夜、あなたのリコーダーの概念が変わる。

12/12@紀尾井ホール
https://kioihall.jp/20241212k1900.html

 

 

 

 

♩12/13,15 ジョナサン・ノット(指揮) 東京交響楽団 R.シュトラウス:《ばらの騎士》

ジョナサン・ノットが東京交響楽団と行ってきたR.シュトラウスのオペラの演奏会形式の公演、今回がシリーズの最終回となる。演目は代表作《ばらの騎士》。元帥夫人:ミア・パーション、オクタヴィアン:カトリオーナ・モリソン、ゾフィー:エルザ・ブノワ、オックス男爵:アルベルト・ペーゼンドルファーといった粒ぞろいのキャスト、レベルの高い公演が期待できる。《サロメ》《エレクトラ》と続けてきたこのシリーズの最後を飾るにふさわしいものとなることだろう。

12/13@サントリーホール
https://tokyosymphony.jp/concert/14990/
12/15@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/derrosenkavalier

♩12/13〜15 室内楽フェスティバル AGIO vol.2

Bunkamuraオーチャードホール × 浜離宮朝日ホール共同企画ORCHARD PRODUCE 2024
室内楽フェスティバル AGIO vol.2。AGIOはくつろぎ、ゆとりの意で日本を代表するチェリスト宮田大とヴィオリスト横溝耕一が発起人、若手を中心とする名手たちによる極上のアンサンブルが楽しめる室内楽の祭典。第2回は「魅惑のチェロ・クァルテット」から「ファミリー・コンサート」「クロージング・コンサート」まで昼夜6公演。ピアソラから坂本龍一、マーラー、シェーンベルク、シューベルトなど各種取り揃え、ずらり並んだ豪華メンバーで存分に楽しめる3日間。室内楽ファンには垂涎、どれを選ぶか悩ましい。

12/13~15@浜離宮朝日ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2024/12/event2797.html

♩12/13~21 サー・アンドラーシュ・シフ

最近のシフのリサイタルは事前にプログラムを公表せず、当日夫人の塩川悠子を伴ってステージに登場、塩川の通訳でトークを行いながら演奏する曲を発表するスタイルとなっている。今回のツアーは7公演、それぞれの日に何が飛び出すか。

12/13@高崎芸術劇場
https://www.takasaki-foundation.or.jp/theatre/concert_detail.php?key=1573
12/14@鎌倉芸術館
https://www.kajimotomusic.com/concerts/sir-andras-schiff-piano-recital2024/
12/15@彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
https://www.saf.or.jp/arthall/stages/detail/101254/
12/16@東京オペラシティ・コンサートホール
https://www.kajimotomusic.com/concerts/sir-andras-schiff-piano-recital2024/
12/18@東海市芸術劇場
https://www.tokai-arts.jp/performance/sponsor/perform/24980/
12/19@豊田市コンサートホール
https://www.t-cn.gr.jp/12208/
12/21@住友生命いずみホール
https://www.kajimotomusic.com/concerts/sir-andras-schiff-piano-recital2024/

♩12/18 野田暉行 追悼演奏会

2022年に逝去された野田暉行氏の追悼演奏会が、主に若い演奏家たちによって開催される。透徹した眼差しで音楽の深奥を覗いていた野田の音楽が若い世代に受け継がれていくのをこの目と耳でしかと見届けたい。

12/18@東京文化会館小ホール
http://camerata.co.jp/concerts_events/detail.php?id=259

 

 

 

 

♩12/19 イーケ・トニー・ヤン ピアノ・リサイタル

16歳で第17回ショパンコンクール第5位入賞のピアニスト(チョ・ソンジン第1位)の約9年ぶりの来日。今回はモーツァルト:ドゥゼードの《ジュリ》の「リゾンは眠った」による9つの変奏曲、ピアノ・ソナタ第4番、ショパン:《ドン・ジョヴァンニ》の「お手をどうぞ」による変奏曲、ポロネーズ第7番「幻想」、ピアノ・ソナタ第3番、スクリャービン:幻想曲とまさに変奏、幻想に満ちたプログラム。成長ぶりが楽しみ。

12/19@浜離宮朝日ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2024/12/event2838.html

 

 

♩12/21 神戸市室内管弦楽団・神戸市混声合唱団 ヴェルディ オペラ「ファルスタッフ」

1つの自治体がプロの管弦楽団と合唱団の双方を擁するのは全国的にも珍しいが、彼らが拠点とする神戸文化ホールが開館50年を迎えたことから、「神戸文化ホールオペラ」が制作されることになった。演目はヴェルディの《ファルスタッフ》。神戸市混声合唱団の指揮者で音楽監督の佐藤正浩がタクトを握り、ベテラン岩田達宗が演出を手掛ける。佐藤は近年、日本を代表するオペラ指揮者の一人として確たる存在感を示している。タイトルロールを務めるのは黒田博。その他の主要キャストは関西の第一線で活躍する歌手陣だ。神戸から、ひいては関西からどのようなオペラ文化が誕生するのか、その貴重な瞬間を見届けたい。

12/21@神戸文化ホール 大ホール
https://www.kobe-ensou.jp/schedule/3747/

♩12/22 オーケストラ・ニッポニカ第45回演奏会

今回の副題「賛否両論?!プリングスハイムのオケコン」に戸惑った人は筆者含めて大勢いるはずだ。現代音楽の古典的存在の三善晃オケコンに、コダーイの名作オケコン、演奏機会の稀な大栗裕オケコン、そして日本近現代音楽史上の人クラウス・プリングスハイムの1935年オケコンが並ぶことなど誰が想像し得たであろうか? おそらく会場の誰もが初めて聴くプリングスハイムの音楽が現代の耳にどう聴こえるのか、是非実地で体験したい。

12/22@紀尾井ホール
http://www.nipponica.jp/concert/next_concert.htm

 

 

♩12/25、26 Ensemble amoibe 第61回公演 <ブルックナー弦楽五重奏曲> アルバム発売記念公演

石上真由子が主宰するアンサンブル・アモイベの第61回公演は、実演でなかなか接する機会のないブルックナーの弦楽五重奏曲が披露される。同アンサンブルはこの曲を今年3月に録音、8月にリリースされており、本公演はその記念コンサートとなる。前半はベートーヴェンの弦楽五重奏曲 作品29、これも実演で演奏されることは稀。

12/25@京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
12/26@ハクジュホール
https://music-dialogue.org/event/ensemble_amoibe/

♩第54回サントリー音楽賞受賞記念コンサート 井上道義(指揮)

井上道義、最後のコンサート。最後の最後はやはりショスタコーヴィチ、しかもこの作曲家としてはやたらと明るく能天気かつ祝祭的な祝典序曲。そこにミッキーが込めた心情は…?

12/30@サントリーホール
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20241230_M_2.html