Menu

注目のイベント・公演|2024年9月

♩9/5~8 東京二期会オペラ劇場モーツァルト:オペラ《コジ・ファン・トゥッテ》

シャンゼリゼ劇場、カーン劇場、パシフィック・オペラ・ヴィクトリアとの共同制作。ロラン・ペリーが演出・衣装を担当し、パリで初演されたプロダクション。彼らしい色彩感とウィットに富んだ舞台が期待される。指揮はクリスティアン・アルミンク、新日本フィルハーモニー交響楽団の演奏。二期会合唱団、新国立劇場合唱団、藤原歌劇団合唱部の三者が合唱を務め、三団体の共催となる。若手を中心とする独唱陣の歌唱も楽しみ。

9/5~8@新国立劇場オペラパレス
https://nikikai.jp/lineup/cosi_fan_tutte2024/

 

♩9/8 東京文化会館チェンバーオーケストラ

東京文化会館シャイニング・シリーズVol.5は館長野平一郎指揮でのチェンバーオーケストラでモーツァルト:ディヴェルティメント、ストラヴィンスキー:室内オーケストラのための協奏曲「ダンバートン・オークス」、ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ、組曲『クープランの墓』を聴かせる。このオケは東京音楽コンクール受賞者が多く参集、コンマスも第4回弦楽部門第2位の依田真宣。若々しいサウンドを楽しみたい。

9/8@東京文化会館小ホール
https://www.t-bunka.jp/stage/22250/

 

 

♩9/8 ドイツ バロック音楽の光彩 古楽器で聴く室内楽の名曲

フラウトトラヴェルソとバロック・オーボエ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロというありそうで意外と珍しい組み合わせのアンサンブルで聴くドイツ・バロック音楽。テレマン、クヴァンツ、C.P.E.バッハにJ.S.バッハもと欲張りなプログラム。日曜午後のひとときを豊かな気持ちで過ごしてみませんか?

9/8@今井館聖書講堂
https://tiget.net/events/320303

 

 

 

♩9/10  B→ C 長谷川将山 尺八リサイタル

 

現代邦楽のスーパースター藤原道山を師に「オール独奏で挑む」大胆企画でB→Cに臨む長谷川将山。バッハ:無伴奏フルート・パルティータから 20世紀以降の尺八音楽史を辿るプログラムで、中尾都山の伝統的五音音階作品から向井響、坂東祐大への委嘱新作世界初演ほか唯是震一、松村禎三、川島素晴が並ぶ。今後の現代邦楽を担う新たなホープの吹きっぷりに期待大。

9/10@オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=16412

 

♩9/11 マルク=アンドレ・アムラン

超絶技巧を要する秘曲をバリバリ弾きこなす、といったイメージも確かにあるが(あったが)、オーソドックスなレパートリーで聴かせる解釈の深みもまた非凡なものがあるマルク=アンドレ・アムラン。近年さらに円熟の度を増すこの鬼才の進化/深化を堪能する一夜となろう。

9/11@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2024/20240911.html

 

 

 

♩9/12 石上真由子&中恵菜&佐藤晴真

若手実力派、石上真由子vn、中恵菜va、佐藤晴真vcのトリオがハクジュホールに再登場。前回はリクライニングでの短縮版だったが今回はウェーベルン、シェーンベルク、シューベルト、ベートーヴェンと、ウィーンを中心とした選曲。楽都でそれぞれの時代を生きた作曲家たちの相貌、時代の変遷をどう描き出すか。その実力のほどをたっぷり味わいたい。

9/12@ハクジュホール
https://hakujuhall.jp/concerts/detail/3937

 

 

♩9/11~15 ピナ・バウシュ「春の祭典」、「PHILIPS 836 887 DSY」
ジェルメーヌ・アコニー「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」来日公演

18年ぶりのピナ・バウシュ版『春の祭典』の日本上演。初演の振付、演出はそのままに、本プロジェクトのために選ばれたダンサーがヴッパタール舞踊団のメンバー指導の下でこの傑作に新たな息吹をもたらすだろう。さらに今回の来日公演ではピナ・バウシュがコレオグラファーとしての最初期に創作、自らが踊った貴重なソロ作品「PHILIPS 836 887 DSY」(出演: エヴァ・パジェ)と、ピナ・バウシュ・フェローシップを通じて、ともに後進ダンサーの育成にもあたるなど、ピナと深い親交を持った“アフリカン・コンテンポラリーダンスの母”ジェルメーヌ・アコニー振付・出演「オマージュ・トゥ・ジ・アンセスターズ」も同時上演。(この2作品は、いずれも日本初演)。ダンス・ファンならずともこの機会を逃すわけにはいかない。

9/11-15@東京国際フォーラム ホールC
https://stage.parco.jp/program/pinabausch2024/

♩9/13~23 オペラシアターこんにゃく座 リア王

日本に元気と叙情を与えるオペラシアターこんにゃく座がシェイクスピアの「リア王」を手掛けるという。黒澤明監督の映画「乱」の原作でもあるあの古典中の古典がこんにゃく座のオペラとしてどう再生されるのか、実に興味深い。

9/13~23@吉祥寺シアター
https://www.konnyakuza.com/produce/

 

 

 

 

♩9/14,16 リッカルド・ムーティ イタリア・オペラ・アカデミー in 東京 vol.4 ヴェルディ:オペラ《アッティラ》

東京・春・音楽祭の中で行われてきた、リッカルド・ムーティによるイタリア・オペラ・アカデミー、今年は時期を変え9月に開催される。取り上げる作品は《アッティラ》。3日の作品解説に始まり、4日のリハーサルから13日のゲネプロまで、集中的に行われる。12日にはアカデミーの受講生の指揮による「若い音楽家による《アッティラ》」の公演が行われ、最後にムーティ自身の指揮による演奏でアカデミーを終える。毎年この本公演の充実はすばらしいもの、今年も粒ぞろいのキャストが集められており、白熱した演奏が期待できるだろう。

9/14@東京音楽大学 100周年記念ホール
9/16@Bunkamura オーチャードホール
https://www.tokyo-harusai.com/academy_2024/

♩9/15 ジェルジ・リゲティ生誕100年記念レクチャー&コンサートvol.2

リゲティの高弟で微分音を多用した作品を用いているマンフレット・シュターンケ(ただしオンライン参加)、さらに日本のマイクロトーナルポップデュオ「シジジーズ」の冷水ひとみにリゲティに師事した作曲家・たかの舞俐、ピアニスト・フベルトス・ドライヤーを招いての微分音をめぐるレクチャーとコンサートというから只事ではない。演奏者も手練れ揃いだ。要注目。

9/15@両国門天ホール
https://www.monten.jp/20240915

 

 

 

♩9/15,17、19 東京フィルハーモニー交響楽団 9月定期演奏会 ヴェルディ:オペラ《マクベス》

チョン・ミョンフンの指揮によるオペラ、演奏会形式の公演。《ファルスタッフ》《オテロ》に続き、ヴェルディのシェークスピア原作による作品を取り上げる。ヴェルディ初期の名作《マクベス》 がチョンの劇的表現力により全曲が推進力を持って演奏されることだろう。海外から招聘した名歌手たち、マクベスのセバスティアン・カターナ、マクベス夫人のヴィットリア・イェオ等のパワーあふれる歌唱も期待できる。

9/15@Bunkamura オーチャードホール
9/17@サントリーホール
9/19東京オペラシティ コンサートホール
https://www.tpo.or.jp/information/detail-20240915.php

♩9/16 ブラックユーモア音楽劇

誰もが知っている童話が現代音楽家たちによって変貌を遂げて子どもたちと大人たちに届けられる。もともと童話というものは何らかのブラックなものを内包しているものだが、現代音楽家たちのブラックさはそれをさらに増幅するのか、あるいは・・・?

9/16昼の部14:00~15:20 夕の部16:00~17:20@神保町ブックハウスカフェ2Fひふみ座
チケットはque315710@gmail.com へ

 

 

 

♩9/18 大井浩明ピアノリサイタル《エオンタ & クセナキス 全ピアノ作品》

大井浩明の鬼才ぶりが知られるようになったのはTIMPANIレーベルからリリースされたクセナキス:管弦楽曲全集に作曲家自身の推挙により参加して弾いた『シナファイ』ではなかったか。実際それは恐るべき強度に満ちた「激演」であった。そのためか、非常に多彩なレパートリーを誇るこのピアニストではあるが、やはりまずその名前はクセナキスに結びつく。となれば、この度開催されるエオンタとピアノソロ作品全曲演奏(!)コンサートが大井、そしてクセナキスの真髄を体感できる唯一無二の機会となることは間違いあるまい。

9/18@豊洲シビックセンターホール
https://artandmedia.com/concerts-events/eonta

 

♩9/19、21 ベアータ・ムジカ・トキエンシス第15回公演 絢爛たるイタリア ~ヴェネツィア楽派の饗宴~

ルネサンス期の宗教音楽や、知られざる作曲家の隠れた名曲を次々と演奏してきた実力派声楽アンサンブル、ベアータ・ムジカ・トキエンシスが第15回公演で取り上げるのは、ヴェネツィア楽派の音楽。両ガブリエリだけではない、ヴェネツィア楽派の魅力を3本のサクバットとともに聞く。

9/19@豊洲シビックセンターホール
9/21@日本ホーリネス教団東京中央教会
https://beatamusicatoki.wixsite.com/beatamusicatokiensis/concert

 

 

♩9/20~29 チェルフィッチュ× 藤倉大 with アンサンブル・ノマド 『リビングルームのメタモルフォーシス』

ウィーン芸術週間の委嘱により2023年5月に世界初演を迎えた本作の日本初演。有り体な紹介の仕方をするならば演劇と現代音楽のコラボレーションということになるのだろうが、話はそう単純なものでないのは明白ではないか。岡田利規=チェルフィッチュに寄せて見るならば岡田が試みる映像演劇、あるいはダンスでありながらダンサーに本格的なセリフ発話行為を行わせたり、演劇の構造自体をメタに捉えたり、と様々な意味で「レイヤー」をまたぐ/撹乱する表現にこだわりをみせる。そして音楽側からみれば藤倉大が作曲しアンサンブル・ノマドが演奏するという点に非常な興味が湧く。一体どのような世界が現出するのか想像がつかぬ。

9/20~29@東京芸術劇場シアターイースト
https://www.geigeki.jp/performance/theater371/

♩9/21 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第78回ティアラこうとう定期演奏会

ハチャトゥリアン国際コンクール日本人初優勝を果たした出口大地が東京シティ・フィル定期に初登場。ハチャトゥリアン:バレエ音楽「スパルタクス」より「ガディスの娘の踊り~スパルタクスの勝利」、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番とロシア超弩級のプログラム。協奏曲vnは仙台国際音楽コンクール史上最年少優勝の中野りな。若手同士の顔合わせに期待が集まる。

9/21@ティアラこうとう
https://www.cityphil.jp/concert/detail.php?id=524&

 

♩9/21 加藤訓子 メタ・クセナキス

本誌でも以前レビューが書かれた加藤訓子がまたしてもクセナキスに果敢に挑まんとするという。「レボン」「プレイアデス」「プサッファ」の3曲を若き打楽器奏者と共に、さらに「レボン」では中所宣夫の能舞、「プサッファ」では中村恩恵のダンスとコラボレートするというからこれは凄いことになるに決まっている!

9/21@神奈川県立音楽堂
https://www.kanagawa-ongakudo.com/d/xenakis2024

 

 

 

♩9/21,23 2024年度 全国共同制作オペラ 東京芸術劇場シアターオペラvol.18 プッチーニ:オペラ《ラ・ボエーム》

2024年末での引退を宣言している指揮者・井上道義が、自身最後となるオペラに選んだのは“最愛のオペラ”と語る《ラ・ボエーム》。全国共同制作オペラとして7都市で上演される。演出は舞踊家・演出家の森山開次で、これまでも多くの鮮やかなステージを生み続けてきた名コンビである。日本&海外混成による新進気鋭の歌手陣のがんばりも期待される。

9/21,23@東京芸術劇場
https://www.geigeki.jp/performance/concert291/

 

♩9/22 Osaka Shion Wind Orchestra 第156回定期演奏会

Osaka Shion Wind Orchestra は、昨年創立100周年を迎えた関西の老舗吹奏楽団。定期演奏会では毎回特色ある内容を展開するが、第156回定期演奏会は、松下功の「飛天三部作」を中心にオール邦人作品という興味深いプログラム。和太鼓にはベテラン林英哲、指揮にはイギリスの俊英ダグラス・ボストックを迎えて万全の態勢で臨む。世界屈指の吹奏楽大国である我が国のブラバン文化を味わうには絶好の機会となりそうだ。

9/22@ザ・シンフォニーホール
https://shion.jp/concert/20240922-2/

 

 

♩9/23 里井宏次&ザ・タロー・シンガーズ 第29回定期演奏会~地には平和を~

関西を拠点に活躍するア・カペラ混声室内合唱団「里井宏次&ザ・タロー・シンガーズ 」。第29回定期演奏会では、今年生誕150年を迎えるシェーンベルクの《地には平和を》をメインに、武満徹の《死んだ男の残したものは》を取り上げるなど、いずれも平和への祈りに満ちた選曲で臨む。そのほか、生誕200年となるブルックナーや生誕150年のホルストなど生誕記念を迎える作曲家たち、さらにエルガーの《永遠の光》も含むなど、無伴奏宗教声楽曲をじっくりと堪能できそうだ。

9/23@住友生命いずみホール
https://office-vega.net/event/20240923taro/

♩9/24~29 サー・アントニオ・パッパーノ指揮ロンドン交響楽団

まさにこの9月からロンドン交響楽団の首席指揮者となるパッパーノ、同コンビ早速の来日公演。ユジャ・ワンはラフマニノフの、第2番でも3番でもなく敢えて(?)第1番の協奏曲を持ってくるのが興味津々であるし、シマノフスキ、サン=サーンスにマーラー、とこのオケのフレキシビリティをとことん味わえるプログラムで臨む。

9/24@アクロス福岡
https://www.acros.or.jp/events/13924.html
9/25@ザ・シンフォニーホール
9/26、27@サントリーホール
https://www.kajimotomusic.com/concerts/2024-lso/
9/29@札幌コンサートホールKitara大ホール
https://www.kitara-sapporo.or.jp/event/event_detail.php?num=5860

♩9/25 クァルテット・インテグラ Vol.1~シューベルトとウェーベルンⅠ~

王子ホールで始まるクァルテット・インテグラのシリーズ・コンサート。まずは2回に渡ってシューベルトとウェーベルンを取り上げる。テーマはウィーン。間違いなく若手のクァルテット中で一頭地を抜く存在のインテグラ、昨年のメンバー交代はあれどそのアンサンブルはより緊密度を増しているようだ。本シリーズ、クァルテット・ファンは逃すべきではない。

9/25@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2024/20240925.html

 

 

♩9/28 《Duo》山根一仁&阪田知樹デュオ・リサイタル

現在のクラシック音楽シーンに少しでも触れたことのある人でこの2人の名前を知らない人はいないのではないかとも思われる若き天才ヴァイオリニスト山根一仁とピアニスト阪田知樹がデュオを組む。アフタヌーンコンサートということで少しぬるめなのかな?と思えば、クライスラーとラヴェルに挟まってプーランクやバルトークやプロコフィエフの名前が挙がっているではないか! 間違いなくハードコアな演奏会で謹聴必至。

9/28@神奈川県立音楽堂
https://kanagawa-geikyo.com/concert/concert-6728/