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撮っておきの音楽家たち|村松稔之|林喜代種

村松稔之(カウンターテナー)
Toshiyuki Muramatsu, Countertenor

2022年6月1日 豊洲シビックセンターホール
Photos & Text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

カウンターテナーの村松稔之が武満徹の「SONG」をジャズ風にアレンジしたCD「小さな空 武満徹ソング・ブック」をリリースした。その発売を記念した同名タイトルのコンサートが行なわれた。ピアノは録音と同じジャズピアニストの高田ひろ子を迎えたコンサート。曲目は「小さな空」武満徹詩、「明日ハ晴レカナ、曇リカナ」武満徹詩、「死んだ男の残したものは」谷川俊太郎詩、「〇と△の歌」武満徹詩、2部の冒頭3曲にレイナルド・アーン「クロリスに」、ジュリオ・カッチーニ「アヴェ・マリア」、エンニオ・モリコーネ「愛のテーマ」(『ニュー・シネマ・パラダイス』より)を入れて全14曲を歌う。雰囲気のある歌い方で聴衆を魅了した。
村松稔之は京都市出身。東京藝術大学大学院独唱科を修了後、イタリアのノヴァーラG.カンテッリ音楽院古楽声楽科にて研さんを積む。第4回青山音楽賞新人賞、第13回東京音楽コンクール第3位など受賞多し。声楽を藤花優子、伊原直子、寺谷千枝子、R.バルコーニの各氏に師事。藝大フィル、大阪響、大阪フィル、新日本フィル、など多くのオーケストラと共演。2017年三枝成彰「狂おしき真夏の一日」でユウキ役、2020年井上道義x野田秀樹「フィガロの結婚」でケルビーノ役で出演する。また2022年10月新国立劇場オペラ「ジュリオ・チェザーレ」のニレーノ役の出演が決まっている。2024年1月ドイツ・エアフルト歌劇場オペラ「Julie er Mao」公演へのデビューが決まっ ている。
今度のCD及びコンサートではカウンターテナーなのにあえて地声に近い声域も使ったとインタビューに答えている。ピアノの高田ひろ子とは2021年8月草津アカデミーで武満徹の「ソング」で共演している。CDはカメラータ・トウキョウから「小さい空」のタイトルでリリースされている。

(2022/7/15)