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注目の公演・イベント|2022年3月

♩3/2 武満徹 弧[アーク]

オーケストラに東フィル、指揮に最近現代音楽で素晴らしい采配を見せているカーチュン・ウォン、ピアノにまさに現代音楽の達人・高橋アキを迎えての、武満徹の連作『弧[アーク]』をフィーチャーした武満個展が東京オペラシティ主催で開催される。国境も時代も越えた武満の顔が見えることを期待したい。

3/2@東京オペラシティコンサートホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=14965

 

 

 

 

♩ 3/2 山根一仁  J.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏会  I

鮮烈デビューからあっという間に誰もが知る若手実力派のトップランナーとなった山根一仁。満を持してのバッハ無伴奏全曲演奏会。トッパンホールではコロナ禍にありピアニスト来日不能で急遽、ビーバーからイザイまで全曲無伴奏作品に挑んだ郷古簾の名演が記憶に新しいが、音楽のバイブルたるバッハ無伴奏の連続演奏会は必ず彼をさらなる高みに導くことだろう。当夜はパルティータ第1,2,3番。

3/2@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202203021900.html

♩3/3、6 びわ湖ホール プロデュース・オペラ ワーグナー「パルジファル」

今年のびわ湖ホール・プロデュース・オペラは、芸術監督の任期が残り1年となった沼尻竜典のもと、ワーグナーの大作《パルジファル》を取り上げる。タイトル・ロールは、同劇場製作《ニーベルングの指環》のジークフリート役を好演したクリスティアン・フランツと、日本を代表するテナーの福井敬がダブル・キャストで務める。その他、青山貴、妻屋秀和など第一線で活躍する歌手を起用。セミ・ステージ形式だが、やはり「指環」シリーズで演出補佐を行なった気鋭の若手、伊香修吾が構成を担当。楽劇の創始者が最後に夢見た世界を春のびわ湖でぜひ堪能したい。
【新型コロナウイルス感染対策による入国制限措置等の事情により、クリスティアン・フランツとユルゲン・リンを福井敬と友清崇に、友清崇の役を的場正剛に変更して上演】

3/3,6@滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール
https://www.biwako-hall.or.jp/performance/parsifal2022

♩ 3/3,5 アントネッロ<オペラ・フレスカ7> ジュリオ・チェーザレ

本格的な古楽オペラ上演で定評のあるアントネッロがついにヘンデル作品に挑戦。メトロポリタン・オペラや二期会など、日本でも海外でも数々の名演がなされてきた《ジュリオ・チェーザレ》がアントネッロの手にかかるとどうなるのか見ものである。

3/3,5@川口総合文化センター リリア音楽ホール
https://www.anthonello.com/schedule/detail/?id=58

 

 

 

 

♩ 3/3~6 市民と創造する演劇『階層』~チェルフィッチュの<映像演劇>の手法による~

チェルフィッチュ主宰・劇作家・演出家の岡田利規と映像作家の山田晋平による〈映像演劇〉の手法を用いて、オーディションで選ばれた市民と共に創造された演劇作品。約1時間の映像演劇が期間中、複数回上演される。

3/3~6@穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
https://www.toyohashi-at.jp/event/performance.php?id=1002

 

 

 

 

♩3/4 芸劇リサイタルシリーズ「VS」Vol.2 山下洋輔×鈴木優人

昨年12月開始された「VS」シリーズの第2弾は山下洋輔×鈴木優人。コロナ以降、その名をどこかに見ない日はないほど八面六臂の活躍を見せる鈴木。古楽から現代までなんでもござれであれば、山下とのVSもあって当然。2017年に2台ピアノでの初共演で発揮された鈴木の即興の才が、今回はたっぷり堪能できる仕掛け。大御所と獅子奮迅中堅牛若丸との丁々発止、必見必聴だ。

3/4@東京芸術劇場
https://www.geigeki.jp/performance/concert241/c241-2/

 

 

 

♩3/4~4/3  大人計画「命、ギガ長スW」

2019年の松尾スズキと安藤玉恵による二人芝居の再演版。認知症気味の80代母親と、ニートでアルコール依存症の50代息子を描いた同作を、今回は宮藤官九郎、三宅弘城、ともさかりえを迎え、二組体制で上演する。

3/4~4/3@ザ・スズナリ
https://otonakeikaku.net/stage/2007/

 

 

 

 

♩ 3/6 アニバーサリー・イヤー2022 Vol.1 生誕240年ニコロ・パガニーニの世界〜ヴァイオリン・ギター・歌による〜

パガニーニといえばヴァイオリンだが、実はヴァイオリンとギターのための作品も多く書いていたという。あまり聴くことのないそうした作品から、レハールの喜歌劇『パガニーニ』まで、辻彩奈vn、鈴木大介git、そして天羽明惠sopという豪華かつ斬新な顔合わせで聴かせる。なんだか面白そうな色とりどりのラインアップにわくわく感あり。

3/6@サントリーホール ブルーローズ
https://www.kajimotomusic.com/concerts/2022-niccolo-paganini/

 

 

 

♩3/8 読売日本交響楽団 第616回定期演奏会

山田和樹がまたもや魅力的かつ意欲的なプログラムを世に問う。「牧神の午後への前奏曲」の後にくるのは、オランダ出身の作曲家ファン・デル・アー(1970-)の「ヴァイオリン協奏曲」(日本初演)で、プログラム後半は諸井三郎「交響曲第3番」。生まれた時代、国、文脈の異なる三作品を前にして、聴衆は自らの歴史感覚が問われることになるだろう。
【3月3、8日公演のソリスト・曲目変更、チケット発売のお知らせ】

3/8@サントリーホール
https://yomikyo.or.jp/concert/2020/12/616-1.php

 

♩3/13 大田智美・江川良子 クラシカル・スクランブルII

アコーディオンの大田智美とサクソフォーンの江川良子が組み、バッハから夏田昌和、さらにモリコーネの映画音楽と、時代と土地を越えたソロ&デュオ・リサイタルを開く。このような時代にこそ彼女らの笑顔と音楽を求めたい。

3/13@古賀政男音楽博物館 けやきホール
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000516.000013972.html

 

 

 

 

♩3/12〜27 cube 25th presents音楽劇「夜来香イエライシャンラプソディ」

2017年の『魔都夜曲』に続き、第二次世界大戦末期の上海を舞台とした音楽劇。今回は主人公を服部良一に据え、河原雅彦の演出と本間昭光の音楽はどのように描き出すのか。

3/12~3/27@シアターコクーン
https://www.cubeinc.co.jp/archives/theater/cube25thpresents

 

 

 

 

♩ 3/15 B→C 瀬川裕美子ピアノリサイタル

国立音大卒、「音楽と身体」でモートン・フェルドマン「Why Patterns?」を舞踊家、田中泯氏と共演、2020年にはブーレーズ:ピアノソナタ全曲リサイタル「窓のあるコンポジション~B’〈ノタシオン⇔ソナタ⇔バガテル〉」など、現代作品に気を吐く瀬川裕美子が登場。バッハからシューマン、ブーレーズ、湯浅譲二、北爪裕道(世界初演)などを並べた。バッハ「カンタータ第20番《おお永遠よ、雷の言葉よ》」からの「おお永遠よ、雷の言葉よ」は北爪編曲でエレクトロニクスも彼が担当。楽しみな一夜だ。

3/15@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=14380

 

 

♩3/17~19 ニコラ・ヴァッカイ:《ジュリエッタとロメオ》

藤原歌劇団が、イタリアのヴァッレ・ディトリア音楽祭と提携して開催する〈ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン2021〉。今回は、ニコラ・ヴァッカイ(1790-1848)作曲のオペラ《ジュリエッタとロメオ》、ベッリーニの《カプレーティ家とモンテッキ家》と同じフェリーチェ・ロマーニの台本による作品で、音楽祭では2018年に上演されている。その際のキャストと日本の歌手による舞台が予定されており、以前の演目同様、なかなか見る機会のないオペラの高い水準での公演が期待できる。
オペラ以外にもベルカント・コンサート、マスタークラスなども行われる。

3/17,19@テアトロ・ジーリオ・ショウワ
https://www.jof.or.jp/performance/2203_BOF/

 

♩3/18~4/19 東京・春・音楽祭

春恒例の音楽祭、今年も充実したプログラムが組まれている。
オペラでは、ワーグナー《ローエングリン》、プッチーニ《トゥーランドット》が東京文化会館で予定されている。昨年はすべてキャンセルされた歌曲の夕べは4回、東京文化会館小ホールを中心に行われる。室内楽も充実したプログラムが若手奏者を中心として並んでいる。
この音楽祭に特有のプログラムは、美術館・博物館の講堂やエントランスでのミュージアム・コンサート。そこで行われている展覧会との協同企画などもあり、音楽と美術のつながりを知ることもできるだろう。
3/18~4/19@東京文化会館など
https://www.tokyo-harusai.com/

♩3/20 「L’incursion」AI コンピューター・ミュージック・コンサート

後藤英が長年ヨーロッパで取り組んできたコンピューター音楽、それもAIによる同時伴奏などを用いて、新たな創造を「コンピューターと共に」行うという意欲的なコンサート。巷に溢れる流行物・流行語としての「AI」とは違う、「本物のAI」の仕事を直に見てみたい。出演者たちも現代音楽界の手練揃いである。

3/20@東京オペラシティリサイタルホール
https://gotolabedu.geidai.ac.jp/incursion/

 

 

 

 

♩3/23 オーケストラ・アンサンブル金沢第38回東京定期公演

最近、その尖った選曲と棒の振り方に「風格」すら漂わせるようになった川瀬賢太郎がオーケストラ・アンサンブル金沢、さらに2001年生まれのピアニスト亀井聖矢と組む。曲目はショパンのピアノ協奏曲第1番、メンデルスゾーンの交響曲第3番、そして昨年の芥川也寸志サントリー作曲賞にエントリーされた杉山洋一『自画像』の続編『揺籃歌』である。どんな「音楽の未来」が待っているのか、大いに期待したい。

3/23@サントリーホール
https://www.oek.jp/event/4381-2

♩3/27 東京都交響楽団 都響スペシャル

都響の首席客演指揮者アラン・ギルバートが今回の「都響スペシャル」のプログラムのメインに選んだのは、ブルックナーの第七番。だが目を引くのはプログラム前半の、アイスランド出身の作曲家アンナ・ソルヴァルドスドッティルの《メタコスモス》の方だろう。崇高さと透明感とが両作品の共通項と言えるのだろうか。ギルバートが両者をどう対比させ、まとめあげるかが楽しみだ。
3月26日第947回定期演奏会Cシリーズ(東京芸術劇場)と同プログラム)

3/27@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert/detail/detail.php?id=3501

♩3/29 第165回 リクライニング・コンサート 髙木凜々子 ヴァイオリン・リサイタル

2017年バルトーク国際コンクール第2位など、内外で活躍著しい髙木凜々子。YouTube配信やテレビ、ラジオ出演など昨今の若手らしい活発なパフォーマンスを展開中。今回はベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ 第3番」、ショーソン「詩曲」などを聴かせる。1時間ほどのコンパクトなリラックス公演に、若手新人をいそいそマークするのも楽しみ方の一つ。

3/29@HAKUJU HALL 昼夜2公演
https://hakujuhall.jp/concerts/detail/3159

 

 

♩3/30 東京・春・音楽祭 2022 ミュージアム・コンサート 東博でバッハ Vol.55 藤木大地 カウンターテナー

トウハク、バッハ、カウンターテナー。パーセルやバーンスタインも含んだ意欲的プログラム。BCJでの活躍も記憶に新しい藤木大地、さらに共演者と編成も魅力的だ。果たしてどんな音楽に出会えるのか。

3/30@東京国立博物館 平成館ラウンジ
https://www.tokyo-harusai.com/program_info/2022_bach55/