Menu

2021年活動報告書について

いつもご愛読ありがとうございます。本誌も今年で創刊7年目に入りました。
ここに、本誌2021年の年間活動報告をさせていただきます。
2017年アクセス解析システムを導入以降、年初めに平素よりお世話になっている関係者の方々に活動報告書をお送りして来ましたが、今年2022年より本誌の活動にご興味がある方々がどなたでも知ることができるよう、About Usで公開することにいたしました。
一昨年来のパンデミックは未だ終息することなく、オミクロン株の急激な拡大により再び入国制限となり、公演中止や大幅な変更が余儀なくされております。予想を超える長い期間、先行き不透明な中で、創造現場を支える方々の懸命なご努力に改めて深い敬意を表します。

報告書には、2021年年間アクセス解析データ、年間企画賞、レギュラー執筆陣自選ベストレビュー&コラム、記事一覧を収録しております。アクセスデータは総合版と海外版を別建てで記載しました。2019年7月より海外読者向けデータ部分の外国語表記を開始、2020年8月よりgoogle自動翻訳導入をしたことで、海外からのアクセスは確実に増えております。同時に、パンデミックによる世界規模の関心の広がりも窺えます。2019年10月開始のArts Review (美術・演劇・舞踊など)も一定の読者層を得ており、創造分野における多様多重な視点の提示に共感いただけているように思います。詳細は報告書のコメントをご覧ください。

コロナ初期、全ての公演中止で完全に「生音」が私たちの周囲から消えた状況から、様々な工夫と試みの中、少しずつ音楽が戻って来た昨今ではありますが、相変わらずの波にあって「作っては壊し、作っては壊し」の嘆きの声、あるいは「お客様が戻らない」との苦境を今も耳にしております。
2021年に本誌が掲載した音楽公演は約150公演、そのうち外来演奏家がわずか10公演であれば、いかに国内に閉ざされたかが明らかですが、レビューをお読みいただけば邦人による公演のどれもが非常にクォリティの高い優れた内容であったことを知ることができます。コロナ以前に「若手演奏家の場がない」という声をたくさん聞きましたが、これまで各現場で播かれて来た種が芽吹き、育ち、若葉を繁らせるシーンも多く見かけるようになりました。そのようなシーンに立ち合い、伝えることができるよう、常にアンテナを広げつつ、むしろこれからが新たな音楽の場の創出の時なのではないか、と考えています。
また、本誌は2017年に国立国会図書館インターネット資料収集保存事業 WARP の収集対象に認定され、創刊号から全記事が逐次保存、世界へ提供されております。本誌を通じて、私たちがどのようにパンデミックと向き合い、努力したかを、50年後、100年後の人々が必ず読み取ってくれることと思います。
「私たちにとって音楽とは何か」を常に問い、考える誌面であり続けること。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 2022年2月1日           
Mercure des Arts 編集長  丘山万里子