注目の公演&イベント|2021年6月
2021年2月24日(水)の延期公演。九州真言宗教師連合法親会と古楽アンサンブル・コントラポントとミラノ大聖堂聖歌隊の共演(聖歌隊は映像での出演)。グレゴリオ聖歌と声明、洋の東西の宗教音楽の交わるところに何が聞こえてくるのか、耳と心をそばだてたい。
6/2@Bunkamuraオーチャードホール
https://www.arstokyo.co.jp/general/archive/2020/milano_syomyo/
♩6/3 Opus One Live@Hakuju Hall Vol.5 鈴木玲奈 ソプラノ
日本コロンビアとハクジュホールが手を組み、若手アーティストに録音とライブの機会を与え、彼らの成長を助けることを目指したシリーズOpus One(オーパス・ワン)、その第5回となる鈴木玲奈のリサイタル。もともとは昨年4月に予定されていたものだが、コロナウイルスの感染拡大防止のためのイベント中止要請により7月に延期されていたものの再延期でこの日となった。
ソプラノの鈴木玲奈の歌うR.シュトラウスの歌曲、オペレッタのアリアなど、若々しい声を楽しみたい。
6/3@HAKUJU HALL
https://eplus.jp/sf/detail/3366410001
王子ホールの若手アーティス紹介シリーズtransitの14回目は、活躍著しい次世代スターヴィオラ奏者、ティモシー・リダウト。2016年ライオネル・ターティス国際コンクール優勝。T・ツィンマーマン、A・タメスティらの高い評価を受ける伸び盛りの大型新星。今回は絶対外せないというブラームスのソナタ2曲のほかシューマンの「詩人の恋」を彼自身の編曲で披露。歌曲集のやや物憂げな性格がヴィオラにぴったりだそうで、楽しみだ。ピアノ担当はJ・ウェア。
6/4@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2021/20210604.html
1880年に「音楽取調掛」が創設されてから今年で141年、藝大の前身「東京音楽学校」に作曲科が置かれた1932年から89年。この年月を背負った東京藝術大学の「現在」を学生2人と小鍛冶邦隆の新作、故平義久の作品で俯瞰する。混迷を極める世界において、藝大が果たしている役割を確かめる機会となろう。
6/4@東京藝術大学奏楽堂
https://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/100293.html
クセナキス生誕100年を、このところ活躍目覚ましいパーカッショニスト・加藤訓子のディレクションで寿ぐ。小ホール公演では日本におけるクセナキスの大家・高橋アキから若手の現代邦楽奏者までが集い、大ホールでは能楽師・中所宜夫と加藤のコラボ、そして打楽器奏者18人を集めての『プレイアデス』と、充実のプログラム。クセナキスの論理・感性を全身で感じ取りたい。
6/5めぐろパーシモンホール(小ホール、大ホール別公演、大ホール公演は16時と18時の2回)
https://www.persimmon.or.jp/series/20210317153046.html
歴史や空間を生かしたユニークな企画で知られる「ながらの座・座」が、滋賀は大津の三井寺を舞台にした新シリーズ「音の三井寺」を始める。初回となる本公演では「うた」の源流に着目。中世芸能の祖と言われる三井寺流声明と、イタリア古典歌曲を取り上げ、東西、聖俗を超えた「うた」の源流に迫る。会場は国宝三井寺光浄院客殿というからそちらも見もの。ここでしかあり得ない「うた」の邂逅の瞬間を、ぜひこの目でじかに確かめたい。
6/5@大津 三井寺
https://nagara-zaza.net/2021/000355.php
♩6/5 第59回大阪国際フェスティバル2021 ロッシーニ 歌劇「泥棒かささぎ」
今年の大阪国際フェスティバル注目公演の一つは、ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」。ヒロインのニネッタ役の老田裕子のほか、関西を代表する精鋭歌手陣が合間見える豪華なキャストでの舞台となる。全体を牽引するのは、今や日本のオペラ界では欠かせない存在となった園田隆一郎(管弦楽は大阪交響楽団)。関西での全曲上演は初めてということもあり、こちらも見逃せない。
6/5@フェスティバルホール
https://www.blog-osakafes.com/report/20210126-726/
国内外で高い注目を集めている岡田利規の最新作。2020年6-7月の劇場公演が延期されたため、同年6月末に創作の一部が映像作品『「未練の幽霊と怪物」の上演の幽霊』としてオンライン初演された。戯曲版は2021年2月に第72回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞している。
6/5-6/26@KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
https://www.kaat.jp/d/miren2021
庭劇団ペニノ主宰のタニノクロウによる新作の舞台は、横浜・野毛の飲食店街。タニノがこれまで行ってきた、上演される地域でのリサーチに基づく創作方法を今回も踏襲し、俳優だけでなく神奈川県に住まうさまざまな人々が出演する。
6/6-6/20@KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ
https://www.kaat.jp/d/nijimumachi
♩6/6 サーリアホ 歌劇「オンリー・ザ・サウンド・リメインズ」
東京文化会館が<舞台芸術創造事業>として行う、サーリアホの歌劇「オンリー・ザ・サウンド・リメインズ」公演。
2016年に能を題材に書かれた作品で今回が日本初演である。作曲家本人のほか、アレクシ・バリエールの演出、森山開次のダンス振付など新たなプロダクションの上演となる。 東洋と西洋の融合、衝突がどのように表現されるか、大いに楽しみ。
6/6@東京文化会館大ホール
https://www.t-bunka.jp/stage/9159/
昨年8月にトッパンのランチタイムで登場したトリオ、毛利文香vn、田原綾子va、笹沼樹vcが結成した「トリオ・リズル」。このところ若手室内楽が活気に満ちているが、この3人もその牽引者で、今回トリオとして活動開始とは頼もしい。新星というよりすでにキャリアを積んだメンバーであれば、若さの中にも優れたアプローチを見せてくれよう。ベートーヴェン、モーツァルト、ヒンデミットをどう聴かせてくれるか期待大。
6/10@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202106101900.html
今年1月にもオペラシティB→ Cに登場した、新世代箏奏者中島裕康が3度目のリサイタルを開く。西洋クラシック畑の西村朗、権代敦彦、野田暉行らと、箏畑の唯是震一、沢井忠夫の作品を並べて、何を「開く」のか、その扉の向こうに未来を見たい。
6/11@東京文化会館(昼の部、夜の部同じ曲目)
https://www.t-bunka.jp/stage/10545/
♩6/12、13 NISSAY OPERA 2021 『ラ・ボエーム』
2017年初演の名舞台を新たな視点から再構築しての「青少年向けプロダクション」。指揮/園田 隆一郎、演出/伊香修吾、訳詞/宮本益光の日本語上演。ダブルキャスト:安藤赴美子、迫田美帆、宮里直樹、岸浪愛学、横前奈緒、冨平安希子といった若手歌手陣で、オペラ初心者にも楽しめる若者青春物語。閉塞感漂う昨今、別世界へのタイムスリップも良いのでは。管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団。
6/12,13@日生劇場
https://www.nissaytheatre.or.jp/schedule/boheme2021/
♩6/13〜6/25 フォルテピアノ・カレイドスコープ I~IV (サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン 2021)
モダンピアノとは趣向の異なる個性的響きが魅力のフォルテピアノ。サントリー所蔵エラールをはじめ、様々な時代や国で制作された楽器4台が登場するシリーズ。
佐藤俊介vn、鈴木秀美vc、渡邊順生fp、酒井淳vc 、小川加恵fp他、クレシミル・ストラジャナッツ(バス・バリトン)が、シューベルト、シューマンを中心とする歌曲を披露。川口成彦fp、原田陽vn、新倉瞳vcのアンサンブルも楽しみ。多彩なプログラムとアンサンブルで極上の音楽に酔いたい。
【6/13公演は中止】
6/13~6/25@サントリーホール ブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/article/detail/000466.html
♩6/15、17 小菅優プロデュース 武満徹「愛・希望・祈り」~戦争の歴史を振り返って
サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデンの公演、小菅優がプロデュースする二夜、「武満徹「愛・希望・祈り」~戦争の歴史を振り返って」というタイトルで、武満、メシアン、ストラヴィンスキー、ショスタコーヴィチの作品を取り上げる。
小菅がアレクサンダー・シトコヴェツキーvn、ベネディクト・クレックナーvc、吉田誠clとともに奏でるこれらの作品、不穏な世界情勢のなか、心を打つものがあるだろう。
メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」、ショスタコーヴィチの「ピアノ三重奏曲第2番」など聴き応え十分に違いない。
【シトコヴェツキー来日不可により金川真弓が代役として出演】
6/15,17@サントリーホールブルーローズ
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20210615_S_3.html
♩6/16 アントニオ・カルダーラ 生誕350年記念コンサート 知られざる名曲を求めて:歌劇《オリンピーアデ》と器楽作品
2020年11月にカルダーラの生誕350周年を記念して行う予定だった演奏会の延期公演。カルダーラはヴィーンの宮廷副楽長をつとめ、当時の人気台本作家メタスタジオの作品を多く作曲したことでも知られるが、現代ではほとんど演奏される機会がない。今回はその中で特に人気のあったオペラ《オリンピーアデ》と、さらにレアな器楽曲を聞けるまたとない機会。
6/16@Hakuju Hall
https://www.yuki-hosooka.com/複製-20210327
人間のさまざまな生き方を、独自の切り口で時にシュルレアリスティックに描き出してきたデーア・ローアーの最新作は、環境破壊をテーマにした動物劇。ドイツ・ミュルハイム演劇祭で児童演劇部門にノミネートされている作品の日本初演。
6/16-20@シアターグリーン BOX in BOX THEATER
http://www.tee.co.jp/?p=1588
独立独歩の作曲家・木下正道が「双子」すなわち「二重奏」オンリーの個展を開く。出演者は低音デュオ(松平敬(Br)・橋本晋哉(Tuba))、薬師寺典子(Sp)、吉原佐知子(箏・箏歌)、山田岳(Gt)、土橋庸人(Gt)と、日本の現代音楽シーンを引っ張っている逸材ばかり。何か、凄いことが起きようとしている。
6/23@近江楽堂
https://ja-jp.facebook.com/events/近江楽堂/双子の音楽-木下正道作品個展演奏会/2618270281618477/
♩6/24 C.P.E.バッハの感覚~ヴァイオリンとフォルテピアノによる演奏会~
クラヴィーア奏者・音楽理論家としても名を馳せ、「多感様式」を代表する作曲家であるC.P.E.バッハ。バッハ一族のなかで最も有名だが、作品について、あるいは音楽史上の位置づけについても、まだまだ語られる余地が残された作曲家と言えよう。本コンサートでは、ヴァイオリンソナタ、クラヴィーアソナタ、幻想曲「C.P.E.バッハの感覚」などが披露されるとのこと。エマヌエルの独特のスタイルを心ゆくまで堪能したい。
6/24(午後の部、夜の部の2回公演)@近江楽堂
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