Back Stage|躍動する山響!|西濱秀樹

定期演奏会年間入場率96%!・・・躍動する山響

text by 西濱秀樹(Hideki Nishihama)

<定期演奏会年間入場率96%!・・・躍動する山響!>

定期演奏会会場いっぱいのお客様

山形テルサという全国屈指の音響を誇るホールで年8プログラム16回の定期演奏会を開催。年間入場率は96%を記録しています。ジャニーズの嵐ほどではありませんが、“チケットがとりにくい”コンサートに成長しています。
山形県民の熱い想いに支えられ1972年東北初のプロ楽団として産声を上げた山響。“子供達に音楽のミルクを!”という理念を貫きこれまでに延べ300万人の子供達に生のオーケストラの感動を届けてきました。山形に住めば、ほぼ必ず義務教育期間中にオーケストラ体験が出来る!そんな山形県全体の人口は108万人。本拠地を置く山形市(4月1日に中核市に移行/世界的に有名な“山形国際ドキュメンタリー映画祭”と市を取り巻く文化環境への評価からユネスコ創造都市ネットワークに加盟)の人口は25万人。全国に36あるプロオーケストラの中で、最も小さな街に育まれたのが、2管8型少数精鋭の山響です。

第272回定期・終演後出演者との交流会

古典作品での古楽器・ナチュラルブラスによる演奏は、山響の代名詞ともなっていますが、これは2000年当時金管メンバー中心に“山響だけの個性を創ろう!”との想いから生まれたものでした。プレコンサートトーク、ロビーコンサート、終演後の交流会・楽団員のお見送り、などなど楽団員と聴衆の距離が近いことも山響の特徴です。
飯森範親音楽監督(現芸術総監督)との“モーツァルト交響曲全集CD”がレコードアカデミー賞特別賞を受賞、「音楽の友」2019年3月号に掲載された“46人の音楽評論家・ジャーナリストによる世界のオーケストラ・ベスト10”でも高い評価を得るなど、勢いに乗る山響が2019年に新時代を迎えます!

<2019年ドイツを拠点に活躍した山形縁の本格派 阪哲朗が山響常任指揮者に!>

阪哲朗氏リハーサルの様子

京都出身。1995年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝後、ベルリンコミッシェオパー専属指揮者、アイゼナハ歌劇場、レーゲンスブルク歌劇場の音楽総監督を歴任。ヨーロッパで指揮したオペラ公演は1000を越える本格派。2019年より、山形交響楽団常任指揮者に就任します。実は、阪さんは両親が山形出身。ルーツを山形に持つ指揮者だったのです。
「3歳の時に初めて山形に帰省したのが最初の思い出。祖母が、県内で唯一音楽科を持つ山形北高校の募金活動に奔走していたこともあったようです。今も親戚がたくさんいます。」
常任指揮者に就任する山形交響楽団については、こう語ります。
「一緒に音楽を創ることが出来る大切な仲間。創造性と積極性に溢れている。アンサンブルを創る縦の流れに加え、呼吸を感じるような横の流れを大切に作りたい。今後例えば、楽譜の小節は四角いけれど、中の音は丸く繋げよう、とか挑戦したいことはたくさんある。」
高校の時に合唱部の指揮をして以来、声にシンパシーを感じるという阪さんが、ヨーロッパを拠点にオペラ指揮者の道を歩んだのは、自然な流れといえるでしょう。鉄道好きは有名な話ですが、最近はキャンピングカー、大型バイクなどでの移動も楽しんでいるようです。

<2019年6月恒例の「山響さくらんぼコンサート」は阪哲朗就任記念!>

さくらんぼコンサート東京公演+ロビー山形物産展

山形の名産“さくらんぼ”の季節、東京・大阪に山形交響楽団がやってきます。公演名はそのものずばり「さくらんぼコンサート」。2003年から続く東京オペラシティ公演では広く開放的なロビーを活かし、山形大物産展を併設。毎年大盛況。2012年から続く大阪公演はザ・シンフォニーホールで。大阪公演では、来場者全員に山形県東根産のさくらんぼをプレゼント。ザ・シンフォニーホールのゴージャスなロビーでは、山形の歌姫「シュガーシスターズ」によるウェルカムコンサートや山形物産展も開催します。
単なるコンサートではなく、“食と温泉の国-おいしい山形”の魅力満載のコンサートは、毎年大好評を博しています。阪哲朗の就任記念を飾る今年は、演目にも注目です。
華麗な“OPERA GARA”プログラム。古典美が輝くモーツァルトとドラマティックなヴェルディの世界を一夜で楽しめる贅沢な内容です。清廉な歌声だけでなく、劇性の強い表現でも世界を魅了する森麻季さん。彼女に加え、新進気鋭の大西宇宙が登場します。2015年にアメリカデビュー。2018年ベルリン国際音楽コンクール金賞など、輝かしい道を歩む俊英。当代屈指の名歌手森さんと気鋭の大西さん。この二人の歌声に接することが出来るとあっては、オペラファンにとっても、聴き逃せない公演となること間違いなしです。
~「単なるOPERA GALAの枠を越えないと面白くないでしょう。モーツァルトのセレナ―ドでは、山響弦楽器首席奏者の妙技をお楽しみいただきます。「リンツ」は、実は私が京都市交響楽団でデビューした時の曲。思い出深いです。」
山響新時代の幕開けを、是非、お楽しみください!

西濱秀樹(公益社団法人 山形交響楽協会専務理事 兼 事務局長)

(2019/4/15)

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公演情報
★さくらんぼコンサート2019東京公演
2019年6月28日(金) 19:00開演(東京オペラシティ コンサートホール)
(開場18:15/プレ・コンサート・トーク18:45~)
http://www.yamakyo.or.jp/concert/2019/06/concert_1946.html#info

★さくらんぼコンサート2019大阪公演
2019年6月29日(土) 17:00開演(ザ・シンフォニーホール)
(開場16:00/プレ・コンサート・トーク16:45~)
http://www.yamakyo.or.jp/concert/2019/06/concert_1947.html#info

指揮:阪 哲朗
ソプラノ:森 麻季
バリトン:大西 宇宙

モーツァルト/セレナード 第6番 ニ長調「セレナータ・ノットゥルナ」K.239
モーツァルト/歌劇「ドン・ジョヴァンニ」K.527 より
ドンナアンナのアリア"酷いですって!いいえ…そんなことはおっしゃらないで下さい、愛しい人よ"
  ドン・ジョヴァンニのカンツォネッタ"窓辺においでよ"
  ドン・ジョヴァンニとツェルリーナの二重唱"お手をどうぞ"
モーツァルト/歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」K.588 より
  フィオルディリージのロンド"恋人よ、どうか許してください"
  グリエルモのアリア"彼に目を向けてください"
ヴェルディ/歌劇「リゴレット」より
  序曲
  リゴレットとジルダの二重唱"娘よ!お父様!"
  ジルダのアリア"慕わしい人の名は"
モーツァルト/交響曲 第36番 ハ長調「リンツ」K.425