注目のコンサート|2019年1月

♩1/4 ラ・ルーチェ弦楽八重奏団 第5回公演

東京藝術大学4名・桐朋学園大学4名のメンバーで結成された8人の若手演奏家集団、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団が5回目の公演を行う。「弦楽八重奏」というアンサンブル形態は決して曲数が多いジャンルではないにも拘らず、取り上げられるのはもっぱらメンデルスゾーンの名作ばかりというのが正直な状況かと思われる。ブルッフとグリエールの作品に、若きアンサンブルがどのように挑むのだろう。

1/4@東京文化会館小ホール
http://amati-tokyo.com/performance/20110607.html

 

 

 

♩1/6、16 ヴォーカル・アンサンブル・カペラ定期公演 ビュノワのミサ《ロム・アルメ》

ミサ形式による演奏会を特徴とするヴォーカル・アンサンブル・カペラの定期公演。今回はルネサンス時代に多くの作曲家によって作曲された《ロム・アルメ》のうち、ビュノワによるものを取り上げる。ビュノワに繋がるグレゴリオ聖歌、デュファイ、オケゲムを並べてのプログラムにより教会に聖なるものが降りんことを。

1/6@カトリック由比ガ浜教会
1/16@東京カテドラル聖マリア大聖堂
http://www.cappellajp.com/

 

 

 

♩1/8 深新會 第35回作品展 「二重奏作品百花繚乱」

池内友次郎門下の作曲家グループ深新會の第35回作品展は「二重奏作品百花繚乱」のタイトル。今回は太田彌生、河内琢夫、中川俊郎、野澤啓子、松尾祐孝の5名による作品展で松尾の改訂初演以外は全て初演作品である。二重奏は龍笛、二十五絃箏といった組み合わせからヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ピアノなど様々。その百花繚乱を目撃したい。

1/8@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=48408

 

 

 

♩1/11 ドビュッシー 最後の夢 未完のオペラ《アッシャー家の崩壊》

エドガー・アラン・ポー生誕210年の記念年、彼の小説「アッシャー家の崩壊」をドビュッシー自身が台本化し、亡くなるまで作曲していたものの未完に終わったオペラ《アッシャー家の崩壊》。残された音楽をもとに、補筆・完成しようという試みはたびたび行われてきた。青柳いづみこが中心となるこのコンサート、市川影之による「試補作」を演奏会形式で上演する。ドビュッシー晩年の創作活動との関連の強いこのオペラ、《ペレアスとメリザンド》とは異なる世界を味わうことができるだろうか。

1/11@14:00,19:00 ハクジュホール
http://www.tokyo-concerts.co.jp/concerts/エドガー・アラン・ポー生誕210年ドビュッシー-最-2/
http://www.tokyo-concerts.co.jp/concerts/エドガー・アラン・ポー生誕210年ドビュッシー-最/

 

 

♩1/14 第16回 ヘンデル・フェスティバル・ジャパン オラトリオ《ソロモン》全曲 (HWV 67)

毎年1月恒例のヘンデル・フェスティバル・ジャパン、第16回目となる今回は、ヘンデルが視力を失い作曲が困難になる少し前、1749年に初演を行ったオラトリオ《ソロモン》を上演する。賢王ソロモンの知恵と栄華を称える曲で、合唱の多くが二重合唱、ホルン2本、トランペット2本をともなうといった壮麗なものもある。高い水準を維持し続けてきているこの団体の演奏、おおいに期待したい。

1/14@浜離宮朝日ホール
http://handel-f-j.org/concert_top.html

 

 

 

♩1/14 パトリツィア・コパチンスカヤ(ヴァイオリン)

コパチンスカヤの音楽を紹介する時に、名だたる共演者や楽団を列挙するのは些か本質を外れるように思える。どの音楽家も技を磨き、個性を磨きステージに立つが、コパチンスカヤという音楽家はまさに「唯一無二」ということしか出来ない。彼女の中に眠るのは悪魔か、天使か、はたまた女神か。渾身のプログラムによって、彼女の音楽の全てがステージ上にさらけ出されることだろう。

1/14@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201901141500.html

 

 

 

♩1/15,21 ホアキン・アチュカロ(ピアノ)

ホアキン・アチュカロが1/12,13の読響共演(ラヴェル『ピアノ協奏曲』)のため来日し、ソロ・リサイタルも催す。今回の東京文化会館公演は前半がショパン『24の前奏曲』、後半はアラウンド・グラナダと題して自らのルーツたるスペインの作品を巡る。80歳後半に差し掛かってなお矍鑠たるピアニズムを味わいたい。関東圏では1/15にも武蔵野市民文化会館でモンポウとファリャのプログラムを聴ける。

1/15@武蔵野市民文化会館 小ホール
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2018/09/post-852.html
1/21@東京文化会館小ホール
http://opus-one.jp/1111/

 

♩1/16 NHK交響楽団 第1904回 定期公演 Bプログラム 指揮トゥガン・ソヒエフ

「色彩の魔術師」ソヒエフが近年懇意であるN響で『シェエラザード』を振る。ソヒエフの同曲と言えば2015年のトゥールーズ・キャピトル国立管との来日公演で聴かせた演奏が忘れ難い。この曲のオーケストレーションの魅惑を徹底的に生かし切った演奏には溜息が漏れたものだ。同様の「奇跡」、再び起こるか。

1/16@サントリーホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=808

 

 

 

♩1/17 イアン・ボストリッジ『冬の旅』

ボストリッジ、改装なった王子ホールに5年ぶりの登場。演目は『冬の旅』とあってはこれ以上何を望もう。2016年にモーツァルト国際コンクールで優勝を果たしたサスキア・ジョルジーニのピアノにも注目。

1/17@王子ホール
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2018/20190117.html

 

 

 

 

♩1/17 東京現音計画#11~ベスト・セレクション2:パフォーマティブ・パースペクティブ

多様な視点で同時代の音楽シーンを提示してきた東京現音計画による、ベスト・セレクション第2弾。今回は演出家・劇作家・批評家・パフォーマーなど複数の顔をもつ大岡淳を迎え、パフォーマンスの色合いの強い作品を揃えたステージとなる。何が飛び出すか予想がつかないこのシリーズ、今回は更に予想不可能な予感。好奇心を携え会場へ赴こう。

1/17@杉並公会堂小ホール
https://www.facebook.com/events/185273919073571/

 

 

 

♩1/17,18,22 大阪フィルハーモニー交響楽団第524回定期演奏会

2018年4月より大阪フィルの音楽監督に就任した尾高忠明が、もっとも得意とするエルガーの1番を振る。長年、英国の楽団を指揮し、高い評価を受けてきた本場仕込みのエルガーを、大フィルのサウンドによってどのように響かせるのか、大いに期待したい。この他、やはり力を入れる邦人作曲家作品として武満徹の《トゥイル・バイ・トワイライト》、音に一層の艶と円熟味を増しつつある神尾真由子とのブルッフの《ヴァイオリン協奏曲》など、注目の演目が並ぶ。なお、東京でも同一プログラムによる公演が予定されている。

1/17,18@フェスティバルホール
1/22@サントリーホール
http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20190117

 

 

♩1/18・19名古屋フィルハーモニー交響楽団第464回定期演奏会

名古屋フィルの定期演奏会はちょっとユニーク。というのも、シーズンを通じて共通テーマを設けている。2018年度のテーマは「文豪クラシック」。その年明け最初の定期演奏会のタイトルは、「アンデルセン『人魚姫』」だ。まさにメインはツェムリンスキーの《交響詩「人魚姫」》。そこにラヴェルの《マ・メール・ロワ》が加えられ、音楽で描くお伽の世界がじっくり堪能できそうだ。さらにもう一つの目玉が、2017年よりコンポーザー・イン・レジデンスを務める酒井健治の新作世界初演。ソリストにジュネーヴ国際コンクールの覇者、萩原麻未を迎えてどのようなピアノ協奏曲が披露されるのか、こちらも見逃せない。

1/18,19@愛知県立芸術劇場
https://www.nagoya-phil.or.jp/2017/1025145937.html

 

 

♩1/19 モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」

いずみホールの企画「古楽最前線!–2018 躍動するバロック」シリーズの最終回である第5回目が、モンテヴェルディの晩年のオペラ《ポッペアの戴冠》公演。指揮の渡邊順生氏、演出の髙岸未朝、そして日本のヒストリカル演奏最前線の歌手と器楽奏者たちが結集した上演には必然的に期待が高まる。関西でモンテヴェルディ・オペラを体験できる数少ない機会でもある。《ポッペア》のそれぞれの役どころをキャストたちがどう演じるのかが楽しみだ。

1/19@いずみホール
http://www.izumihall.jp/schedule/concert.html?cid=1703&y=2019&m=1

 

 

♩1/22 〈歌曲(リート)の森〉~詩と音楽 Gedichte und Musik~ 第24篇 イアン・ボストリッジ(テノール)

イアン・ボストリッジのリサイタル、他の会場では《冬の旅》、《美しき水車小屋の娘》といったプログラムが予定されているが、この日のトッパンホールでは、シューマンとブリテンがとりあげられる。シューマンの歌曲集Op.40、ブリテンの歌曲集《冬の言葉》という暗い印象の曲を中心とするもの。共演するピアニストはイタリア出身の若手、サスキア・ジョルジーニ。彼女は独奏者としても名をあげてきているが、ボストリッジがジュリアス・ドレイクとのデュオと異なる表現をみせてくれるかにも注目したい。

1/22@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201901221900.html
他の来日公演予定
http://www.pacific-concert.co.jp/foreigner/view/445/

 

♩1/22 B→C 松田理奈 ヴァイオリンリサイタル

1月のB→C はヴァイオリンの松田理奈。東京藝大音高から桐朋ソリスト・ディプロマコースに進みニュルンベルク音大に学ぶ。シャコンヌとパッサカリアを軸に据えてのバッハからコンテンポラリー。藤倉大、ペルト、中野公揮、武満とヴァラエティに富んだ品揃えだ。共演は阪田知樹、中野公揮(ピアノ)、伊藤悠貴(チェロ)でフレッシュな演奏が期待される。

1/22@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=8778

 

 

 

♩1/23 アンサンブル・ディアーロギ

「古楽器」が「ピリオド楽器」と呼ばれ、バロック時代までだけでなく古典派やロマン派にまでその概念が広がったことにより、聴き慣れた時代の音楽がどう聴こえるのか?ピリオド楽器の名手たちによるモーツァルトやベートーヴェンの世界を堪能あれ。

1/23@浜離宮朝日ホール
http://www.allegromusic.co.jp/EnsembleDialoghi2019.html

 

 

♩1/24 鈴木雅明&BCJ/ベートーヴェン交響曲第9番

誰もが知っているがゆえに、(日本の年末になると)何処でも演奏されるがゆえに、ともすれば軽んじられさえもする、ベートーヴェンの偉大なる交響曲第9番をついにバッハ・コレギウム・ジャパンがオリジナル楽器で演奏する。2017年『ミサ・ソレムニス』の衝撃をも超える感動が待ち受けているに違いない。

1/24@東京オペラシティコンサートホール
http://bachcollegiumjapan.org/schedule/beethoven190124/

 

 

 

♩1/26/27 全国共同制作プロジェクト「ドン・ジョヴァンニ」新演出

東京芸術劇場シアターオペラvol.12はモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」でオペラ×ダンスの邂逅。井上道義により2015年に全国10都市14公演を全国共同制作、センセーションを巻き起こした『フィガロの結婚』に続くダ・ポンテ三部作の第2弾。今回は若い頃、自身もバレエを学んだ井上とダンサー・演出家として活躍する森山開次のコラボ。さて、どんなステージになろうか。

1/26,27@東京芸術劇場コンサートホール
http://www.geigeki.jp/performance/concert152/
その他の公演
1/20@オーバード・ホール 富山
2/3@熊本県立劇場演劇ホール

 

♩1/27 オーケストラ・ニッポニカ 間宮芳生オペラ『ニホンザル・スキトオリメ』

現代日本音楽の巨匠・間宮芳生90歳の新春をオペラ『ニホンザル・スキトオリメ』53年ぶりの上演で寿ぐ。ニホンザル一族の国の女王と民衆、そして「見えないものを描く絵かきザル」であるスキトオリメ(英語ではclairvoyant monkey painter(千里眼を持つサルの絵描き))たちによる、木島始の大人のための童話を原作とした1965年のオペラである。権力とは、ニホンとは、そして音楽とは、間宮が見据えた問いかけを今こそ改めて聴き届けたい。間宮による新作委嘱初演(タイトル未定)も楽しみである。
オペラはセミ・ステージ形式、日本語上演、字幕付き。

1/27@すみだトリフォニーホール大ホール
http://nipponica.jp/wp_34th/concert_info/

 

♩1/28 モルゴーア・クァルテット第47回定期演奏会

モルゴーアQ、第47回定期演奏会はシューベルトの『ロサムンデ』という人口に膾炙した名曲を真ん中に、頭にはツェムリンスキーを、そして後ろにはヴォルフの弦楽四重奏曲。リートの作曲家としてもっぱら有名なヴォルフの数少ないリート以外の作品である当曲は演奏時間約45分の大作・力作。かのラサールSQも録音しているが、実演で耳に出来る機会はほぼないだろう。このチョイスはさすがモルゴーア、聴き逃す手はない。

1/28@東京文化会館小ホール
http://www.t-bunka.jp/stage/rent_11110.html

 

 

 

♩1/30 札幌交響楽団東京公演2019 指揮マティアス・バーメルト

2018年4月より札幌交響楽団の首席指揮者に就任したバーメルト、その東京公演が実現。ごまかしの利かないモーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスという王道中の王道プログラム、それゆえそこには大きな自信が感じられよう。

1/30@サントリーホール
https://www.sso.or.jp/concerts/pops/

 

 

 

 

♩1/30,31(2/2,3) シカゴ交響楽団

シカゴ響との長期政権が続くリッカルド・ムーティ。今回のプログラムは彼らの魅力を重層的に味わえる演目ばかりだ。Aプログラムのブラームスでは重厚な弦の魅力とムーティの歌心が発揮され、Bプログラムのヴェルディ『レクイエム』では選りすぐりの歌手陣と東京オペラシンガーズが加わり、長年この曲に向き合い続けてきたムーティが更なる深化を聴かせる。Cプログラムはシカゴ響の技量が全開となる名曲2篇。どれも必聴だろう。

1/30、1/31、2/2、2/3@東京文化会館大ホール
https://www.nbs.or.jp/stages/2019/chicago/index.html