Pick Up(2018/10/15)|STAND  UP!CLASSIC  FESTIVAL|JOE

STAND  UP!CLASSIC  FESTIVAL

2018年9月23日 横浜赤レンガ倉庫
text & photos by JOE

横浜に来たのは久々だ。運河に囲まれた汽車道をブラブラと歩き、みなとみらいの大観覧車を仰ぎつつ向かったのは赤レンガ倉庫。まだ午前10時前だというのに広場はたくさんの人で賑わっている。
9月の三連休の中日にここで開催された「STAND  UP!CLASSIC  FESTIVAL」は、「食べながら飲みながら、自由にクラシック音楽を楽しめる野外フェス」。ロックやジャズでは盛んだけれど、クラシックの野外フェスはあまりない、たぶん。
海辺に設置された2ヵ所のステージで、ブラスバンド、ピアノ、ヴァイオリン、ヴォーカルやオーケストラ等の若手アーティストたちが、ソロやコラボでさまざまなプログラムを繰り広げていくという。お客さんたちは思い思いのスタイルで…例えばビール片手に、はたまた赤ちゃん片手に…通常のクラシックコンサートとは程遠いかたちで、音を楽しむ1日が始まった。
オープニングは日本サックス界を代表する若手音楽家、上野耕平率いる“ぱんだウィンドオーケストラ”がファンファーレを飾り、ジブリの名作『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ・メドレー』など、耳に親しい曲を披露していく。
ブラスバンドに色を添えたヴォーカリストの麻衣は、作曲家・久石譲の娘で、『風の谷のナウシカ』の挿入歌を歌った本人とのこと、嬉しいプラスワンだ。彼女の歌声に「あ、あの作品の、胸がキュンとする場面ね!」なんてしびれていると、不意に「ブォーーーッ!!」と港を出る船の汽笛。えー、ここで鳴らすかぁ?と予期せぬタイミングでの外野とのセッションには、思わず苦笑い。
それにしても、暑い!!ここ数日涼しい日が続いていたので気を抜いていただけに、肌を刺す直射日光が辛く。反対側のステージで始まった反田恭平のピアノソロは、エリア外の木陰でグッタリしながら耳だけ傾けた。でも暑さにめげないお客さんたちは、芝生にシ-トを広げ、ショパンの『幻想即興曲』『英雄ポロネーズ』など、ポピュラーなラインナップに酔いしれているようだ。
そうこうしているうちに、もう一方のステージではご機嫌な指揮者、青島広志とシアターオーケストラ・トーキョーがリハを始め、その音に集まり出した聴衆が曲に合わせて手拍子をおくり出し、もうこれ本番でいいんじゃない?という盛り上がり。
だが、本番に人気ヴァイオリニスト・宮本笑里が『チャルダッシュ』を弾き上げたときのボルテージはもちろんその上を行く。この回は、『威風堂々』『モーツァルトメドレー』『新世界』など、クラシックのメジャーどころに『ドレミの歌』、はたまた『ラデツキー行進曲』などを組み入れ、誰の耳にも心地よく、とにかく音楽を笑顔で楽しむ時間となった。

出演者たちは一様に、「私たちにちょっとでも興味を持ってくれたならぜひコンサートへ!」とクラシックの世界へ誘い込んでいたが、いや、このフェスみたいに、そちら側がこちら側に、もっと来るのもいいんじゃない?

一緒に行ったブラバンでトロンボーンを吹く高校1年生の感想。
たくさんの人数での合奏だったから、すごい迫力があって感動した!
たくさんいても、それぞれのパートが、自分たちが目立つべきところでちゃんと目立てていて、全体的にバランスがよくてすごいなと思った!
知ってる曲をやってくれたり、歌とコラボしてたりしたから飽きずに楽しめたし、外での演奏会は体験したことなかったから新鮮だった!

追記:撮影禁止と思い、開演前の撮影につき観客は多くないが実際はちゃんと盛り上がった。

(2018/10/15)

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JOE
東京都立芸術高校音楽科〜法政大学哲学科卒。
東京ニュース通信社勤務、現在フリー。