注目のコンサート|2018年4月

♩4/2 紀尾井 午後の音楽会

<明治150年 音楽の花開く>と題し、徳丸吉彦監修による昼夜の2公演。紀尾井ホールならではの邦楽、洋楽の名手を揃え、長唄、箏曲からヘンデル、ラモー、ダウランド、武満徹などバラエティに富んだプログラム。篠崎史紀(ヴァイオリン)、彌勒忠史(カウンターテナー)、曽根麻矢子(チェンバロ)など、洋楽陣も豪華な顔ぶれ。東西、満開の春の花束が満喫できよう。
4/2@紀尾井ホール 昼夜公演
http://www.kioi-hall.or.jp/20180402k1400.html

 

 

 

♩4/4〜14 東京春祭 エリーザベト・レオンスカヤ〜シューベルト・チクルス

グルジア生まれ、ウィーン在住の名ピアニスト、レオンスカヤはリヒテルとも親交が厚く共演も多い。2015年春祭来日公演での感動を再び、と、今回はシューベルトのソナタ全曲演奏会、全6日のチクルスで登場。最終日には『さすらい人幻想曲』が加わる。72歳の円熟が夭折したシューベルトの音世界をどう広げて見せるか、心待ちにしたい。
4/4,6,8,10,12,14@東京文化会館 小ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4920.html

 

 

 

♩4/5 植村理葉 ヴァイオリン・リサイタル

桐朋からケルン、ローザンヌ、ドレスデンで学び、欧州各国で活躍するヴァイオリニスト、植村理葉のリサイタル。江尻南美のピアノで<フランスの香りとドイツのロマン>。ベルギー生まれ、24歳で夭逝したルクーのソナタ、フランスの音楽に影響を受けた武満徹の「妖精の距離」のほか、シューマン夫妻の作品とブラームスというプログラムの妙をじっくり味わおう。
4/5@東京文化会館 小ホール
180405 植村理葉リサイタル

 

 

 

♩4/5、8 東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.9 《ローエングリン》

東京・春・音楽祭-東京のオペラの森2018-の中で中核となるオペラ公演、ワーグナー・シリーズの9回目となる今年は《ローエングリン》。指揮者に、ライプツィヒ歌劇場の芸術総監督、ウルフ・シルマーをむかえ、タイトルロールに今この役を歌わせたら右へ出るものはいないといわれるクラウス・フロリアン・フォークト、エルザにはレジーネ・ハングラー、テルラムントにエギルス・シリンス、オルトルートにペトラ・ラングと旬の歌手をそろえた。演奏会形式の公演ではあるが、このオペラの魅力をあますことなく引きだしてくれることだろう。
4/5,8@東京文化会館大ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4903.html

 

 

♩4/7 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第338回定期演奏会

神奈川フィル2018年シーズンは、今年生誕100年を迎えるレナード・バーンスタインの個展で始まる。陽気な序曲『スラヴァ!』と、言わずと知れた代表作『ウエスト・サイド・ストーリー』でアメリカの風を感じた後、バーンスタイン20代の作品、交響曲第1番『エレミア』で彼のユダヤ人としてのルーツを知ることになろう。俊英・川瀬賢太郎がどのように楽譜を読み解くかも注目だ。
4/7@横浜みなとみらい 大ホール
http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_detail.php?id=548

 

 

 

♩4/7 東京春祭 ブラームスの室内楽Ⅴ

<ブラームスの室内楽>シリーズも5回を数える。ヴィオラの川本嘉子を中心に、2014 年に開始、ゲストと共に多彩なプログラムで聴かせてきた。今回は成田達輝vnや岡本侑也vcら若手を迎え、弦楽六重奏の第1番と第2番。ベテランと若手の織りなすアンサンブルを楽しみたい。
4/7@東京文化会館小ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4925.html

 

 

 

♩4/10 日本テレマン協会創立55周年記念第250回定期演奏会

指揮者であり楽団の創立者でもある延原武春がその前身となる「テレマン・アンサンブル」を結成したのは1963年。今年創立55年目を迎える老舗団体、しかもクラシカル楽器の演奏団体だ。これまでに「サントリー音楽賞」をはじめ数多くの賞を受賞し、関西の古楽界を牽引し続けてきた。250回目の記念すべき定期公演では、当団の首席客演コンサートマスターで、バロック・ヴァイオリン奏者として名高いウッラ・ブンディースを迎え、モーツァルトの《2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ》のほか、ハイドンの《交響曲第101番ニ長調「時計」》などを上演する。改めてその地道な歩みを振り返る機会となりそうだ。
4/10@大阪市中央公会堂中集会室
http://www.cafe-telemann.com/concerts.html

 

♩4/9、10 東京都交響楽団 第852回、853回定期演奏会

既に第4や第7などを演奏している大野和士&都響のマーラー、今回は待望の第3。何故待望の、なのかと言えばしばらく前に京都市交響楽団と行なった同曲演奏が大変な名演だったからだ。今回も期待するな、という方が無理というもの。都響の2018年度はこれで始まる。
4/9@東京文化会館
4/10@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=3126&year=2018&month=4

 

 

♩4/12  TOKYO TO NEWYORK 2018

トーマス・ピアシーはボーダーレスに活躍している世界的クラリネット奏者。今回は彼がクラリネットとひちりきを手に、特別出演のTTNY マンドリンクインテットと共に12作の現代作品、内10作品は日本人作曲家のもの、そして世界初演・日本初演も7作品という意欲的なプログラムに挑戦する。世代も国境も越えた新しい音楽との出会いを期待したい。
4/12@東京オペラシティ 近江楽堂
http://www.tonadaproductions.com/tokyo-to-new-york-2018-tokyo-ohmi-gakudo.html

 

 

 

4/12、17 マリア・ジョアン・ピリス ピアノ・リサイタル

商業主義に背を向けて限られた演奏活動や教育活動を行なっていた名音楽家(名ピアニストというよりも名「音楽家」と書くのが相応しい)ピリスの引退宣言を聞くに及び、ああ残念という気持ちと同時に、やはり…という想いも同時に湧き上がる。そのピリス、この4月に最後の日本公演を行なう。決して大きくはない音ながら、その中に繊細なニュアンスと音色の変化を封じ込めるこのピアニストの真価は実演で聴いてこそよりはっきりと体感できるだろう。実演体験済の方も、そうでない方も、万難を排してホールへ駆け付けられたい。
4/12,17@サントリーホール
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20180412_M_3.html
https://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20180417_M_3.html

 

♩4/13 レストロ・アルモニコ・トリオ Spiral and Sequence

2016年より活動を開始したレストロ・アルモニコは、伊藤亜美vn、須山暢大vn、安達真理va、山澤慧vcにより結成された弦楽四重奏団。2017年7月にデビュー後、山澤のドイツ留学につき、今回は弦楽デュオ、トリオ公演となる。モーツァルト、ドヴォルザーク、プロコフィエフ、コダーイと秘められた名曲の数々を並べた。今後の活動を注目したい。
4/13@Tokyo Concerts Lab. トーキョーコンサーツ・ラボ
http://www.tokyo-concerts.co.jp/jp/concerts/spiral-&-sequence/

 

 

 

♩4/14、15 東京交響楽団 第659回定期演奏会

ブルックナーの第9をコンサートプログラムに乗せる際のカップリング。同じ未完成作品ということでシューベルトの同名作品。または作曲者が「未完に終わった場合には一緒に演奏してくれ」と述べた『テ・デウム』。この辺りはしばしば目にする、もしくは想定しうるプログラミングだが、ブルックナーの前にマーラー:交響曲第10番〜アダージョを持って来るというのはありそうでなかったのではないか。ある意味では似ていながらも片方は天上の音楽、もう一方は地上の音楽。キュレーター、ノットの放つ球を東響がどう打ち返すか。
4/14@サントリーホール
4/15@ミューザ川崎シンフォニーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/list?p_concertSeasonId=RAOLiPRtk2w%3D&month=04

 

 

♩4/14、15 NHK交響楽団 第1882回 定期公演 Aプログラム

NHK交響楽団の4月の定期公演に登場するのは桂冠名誉指揮者、ヘルベルト・ブロムシュテット。他日のプログラムはすべてベートーヴェンだが、この日のプログラムは彼の影響を受けて書かれた2作品によるもの。一曲目はスウェーデンの作曲家フランツ・ベルワルドの交響曲第3番ハ長調<風変わりな交響曲>。1845年に作曲されたが、初演は1905年にようやく行われたが、その際の修正をブロムシュテットがベルワルドの意図に戻すべく改訂した版で演奏される。二曲目はエクトル・ベルリオーズの<幻想交響曲>、ベートーヴェンの没後間もない1830年に作曲、初演された。ブロムシュテットの指摘するベートーヴェンの影響がこの二曲からどのように響いてくるか楽しみにしたい。
4/14,15@NHKホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=711

 

♩4/15 東京春祭 合唱の芸術シリーズ vol.5 ロッシーニ 《スターバト・マーテル》

東京・春・音楽祭の合唱の芸術シリーズも5回目となる。今年はロッシーニの没後150年の記念年ということで、彼の宗教音楽の傑作《スターバト・マーテル》を中心とするプログラムが組まれた。指揮者に、スペランツァ・スカップッチ、イタリア出身の44歳をむかえる。彼女は、近年ウィーン、バルセロナ、ローマなど各地の歌劇場に活躍の場を拡げているだけでなく、交響曲プログラムにも積極的である。この日はモーツァルトの小ト短調交響曲 K.183が演奏される。ロッシーニのソリストとして、エヴァ・メイ、マリアンナ・ピッツォラート、マルコ・チャポーニ、イルダール・アブドラザコフと力のある歌手が出演する。スカップッチの指揮のもと、東京都交響楽団、東京オペラシンガーズが弾みのある音楽を聴かせてくれることが期待される。
4/15@東京文化会館大ホール
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_4909.html

 

♩4/17 B→C ミサ・ミード

オーケストラではあまり馴染みのないユーフォニアムが主役のB→C、演奏するのはインターナショナル・ソリストとして世界的に活躍しているミサ・ミードである。曲目はバッハから、デッドス、ブライアント、デザンクロ、荒井建、ニニェロラ、池辺晋一郎、ヴォーン・ウィリアムズと、これまた日本では馴染みの薄い作曲家を多数選曲。ユニークなステージになることは間違いない。
4/17@オペラシティリサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=8771

 

 

 

♩4/19 クリストフ・コワンと仲間たち

フランス生まれ、A・ナヴァラ、ロストロポーヴィチ、アーノンクールらの薫陶を受けた名チェリスト、クリストフ・コワンが世界に20台前後しか現存しないと言われる「幻の楽器」アルペジオーネ(オリジナル楽器)でシューベルト『アルペジオーネ・ソナタ』を弾くという話題沸騰のコンサート。金子陽子(フォルテ・ピアノ)、ジェローム・アコカ(ヴァイオリン)と共にシューベルトを堪能する一夜である。
4/19@武蔵野市民文化会館 小ホール
http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2017/11/post-737.html
4/25@芸術文化センター 神戸女学院小ホール
https://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertDetail.aspx?kid=4303213302&sid=0000000001

 

♩4/19 トーマス・ヘル

2016年にリゲティ『ピアノのためのエチュード』全曲で本誌年間企画賞に輝いたトーマス・ヘルが再来日する。曲目はシューマンの『クライスレリアーナ』とアイヴズの『ピアノ・ソナタ第2番』。クラシック中のクラシックであるシューマンと早すぎた前衛のアイヴズがどのように響き合うのか、ヘルでしかありえない音楽的化学変化を聴き届けたい。
4/19@トッパンホール トーマス・ヘル
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201804191900.html

 

 

 

♩4/19 アンサンブル・ヴェルジェ 17、18世紀のイタリアの名曲を楽しむ

17,18世紀イタリアのソロとアンサンブルの名曲を揃えたコンサート。G.B.フォンタナ、F.トゥリーニ、T.メールラなど珍しい作曲家の名前が並んでいる。バロック・ヴァイオリンの廣海史帆とチェンンバロの土居瑞穂に、今回はバロック・チェロの山本徹とリコーダーの深井愛記音が加わる。どんな響きになるかわくわくだ。
4/19@近江楽堂
http://www.oumigakudou.com/cn26/cn140/pg2781.html

 

 

 

♩4/22 安江佐和子 Prana~息 vol.5+Dance

パーカッションの安江佐和子が稲垣聡pf、北村典子のダンスで贈る「Prana」。Prana
は、古いインドの言葉で「息」。単なる呼吸作用にとどまらず同時に生きる「いのち」を意味する。夏田昌和『草原のよろめき太鼓』ほかドビュッシー『月の光』、ヤコブTV『The Body of your dreams』、ピアソラ2曲で描き出すいのちを共に呼吸してはいかが。
4/22@ Tokyo Concerts Lab. トーキョーコンサーツ・ラボ
http://www.tokyo-concerts.co.jp/jp/concerts/prana~息-vol-5dance/

 

 

 

♩4/24 レ・ヴァン・フランセ〜協奏交響曲の夕べ

名手パユ、ルルー、メイエ、オダンそしてヴラトコヴィチが集まったレ・ヴァン・フランセによるシンフォニア・コンチェルタンテ。18世紀後半、パリ発祥の交響的様式で書かれた木管楽器のための作品からモーツァルトと密接な関係にある作曲家たちの曲を集めたポートレート集である。当時まだ新しい楽器だった木管楽器の可能性を追求した協奏交響曲は刺激的な響きで耳を楽しませてくれるに違いない。
4/24@東京オペラシティ コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=635

 

 

♩4/26 イタリアバロックのカンタータ ヘンデル「ルクレツィア」

ドイツバロックのカンタータといえば、すぐでもあれこれ思いつくが、イタリアバロックのカンタータには何があっただろうか?と一瞬考えてしまう。ヘンデル、ストラデッラ、ポルポラ・・・ほうほう。イタリア室内カンタータの変遷をたどるプログラム。バロック歌唱に定評のある阿部早希子の歌で堪能しよう。懸田貴嗣(vc)と平井み帆(cem)という布陣。
4/26@近江楽堂
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1760902

 

 

 

♩4/27 大阪交響楽団 第217回定期演奏会

「ウィーン世紀末のルーツ〜フックスとブラームスから始まる系譜⑤」。
常任指揮者寺岡清高によるシリーズ企画の5回目は、何といっても曲目に注目したい。シュレーカーの《弦楽のための間奏曲作品8》、コルンゴルト《左手のためのピアノ協奏曲嬰ハ調作品17》、シェーンベルクの《交響詩「ペレアスとメリザンド」(シュタイン編)》を取り上げる。近年にわかに注目されるようになったシュレーカーに、コルンゴルトのピアノ協奏曲は第一次大戦で右手を失ったパウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱によるもの。ウィーン・アルテンベルクのピアノ奏者、クリストファー・ヒンターフーバーがソロを務める。幻想と官能が入り混じる世紀末ウィーンの世界をたっぷり堪能できる一夜となりそうだ。
4/27@ザ・シンフォニーホール
http://sym.jp/publics/index/430/#page430_1009_1809

 

4/27 日本フィルハーモニー交響楽団 第699回定期演奏会

オペラ・オーストラリアでの『ニーベルングの指環』全曲、日本フィルでの『ワルキューレ』第1幕、『ジークフリート』と『神々の黄昏』抜粋、そして『ラインの黄金』全曲…、インキネンが今最も力を入れている作曲家がワーグナーだと言っても過言ではない。そのインキネンが今回日本フィルで振るワーグナーは声の入らない管弦楽曲集。プログラムのトリであるマゼール編の『指環』抜粋(『言葉のない指環』と名付けられている)は、『指環』全曲からの聴き所を切れ目なく1時間強でまとめ上げた秀逸なもの。インキネンの指揮へ否応なく期待が高まる。
4/27@サントリーホール
https://www.japanphil.or.jp/concert/21741

 

(2018/3/15)