撮っておきの音楽家たち|ステファヌ・ドゥネーヴ|林喜代種
ステファヌ・ドゥネーヴ(指揮者)
2017年6月11日 東京芸術劇場
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
ベルギーの古都ブリュッセルから創立80年のステファヌ・ドゥネーヴ指揮、ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団が初来日した。
ステファヌ・ドゥネーヴは1971年フランス生まれ。2015年9月よりこのオーケストラの音楽監督に就任する。ドゥネーヴはパリ音楽院で指揮を学ぶ。パリ管弦楽団に於いてゲオルグ・ショルティに厳格さを、パリ国立オペラに於いてジョルジュ・プレートルにパリのエスプリを、1988年サイトウ・キネン・フェスティヴァルに於いて小澤征爾アシスタントとして精密さなどを学び研鑽を積む。いま「ヨーロッパ最注目の指揮者」として評価が高い。
ロイヤル・コンセルトヘボウ管絃楽団、ミュンヘン・フィル、ウィーン交響楽団などのヨーロッパのオーケストラに次々と客演。2012年カーネギーホールのボストン交響楽団に客演して以来、ニューヨーク・フィル、シカゴ交響楽団等アメリカの名門オーケストラと共演する。またフィラデルフィア管弦楽団の首席客演指揮者も務める。ミラノ・スカラ座、英国ロイヤル・オペラ、パリ国立オペラなどでのオペラの舞台も注目されている。長身のドゥネーヴの指揮は繊細である。
また2016年ドイツ・グラモフォンから発売されたCDは「ディアパソン・ドール賞」「ショック賞」など権威ある賞を受賞。注目の指揮者と波に乗ったブリュッセル・フィルの初来日の演奏に日本の聴衆は期待を裏切られなかった。