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注目のコンサート|2017年5月

♩5/1 オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ第117回定期演奏会

日本で最も長い歴史を誇る吹奏楽団の一つ、オオサカ・シオン・ウインドの定期演奏会が、初めて大阪を出て京都で開催される。吹奏楽界の人気作曲家で指揮者でもあるジェイムズ・バーンズとの初共演、さらにバーンズの2つの大曲を日本初演するという、初めてづくしの会。オール・バーンズというそのプログラムも見ものだ。吹奏楽ファンのみならず、あらゆる音楽ファンにとっても熱い一夜となりそうだ。
http://shion.jp/schedule/2017/05/1/

 

 

 

♩5/4 “Born Creative” Festival 2017

東京芸術劇場のボンクリ・フェス2017はアーティスティック・ディレクターに藤倉大を迎え「新しい音」「新しい音楽」を自由にのびのびと楽しんでほしいというコンセプトのもと、世界中の新しい音が集う祭典。どんな出会いがあるか、ワクワク。その多彩なプログラムに、ゴールデンウィークの1日を過ごすのも一興では。
本誌バックステージ参照
http://mercuredesarts.com/2016/12/07/back-stageボンクリ・フェス2017鈴木順子/
5/4@東京芸術劇場
http://www.geigeki.jp/performance/concert107/

 

 

♩5/13 東京交響楽団東京オペラシティシリーズ第97回

アメリカ映画の古典期からその音楽を書き続けてきたバーナード・ハーマンの最後の作品「タクシードライバー」に英国の現代音楽家ハリソン・バートウィッスル「パニック」をつなげ、さらにそこからベートーヴェンの交響曲第8番に進むというノットの挑戦的な選曲の妙。それがどんな演奏会になるのか興味津々である。指揮はジョナサン・ノット。
5/13@東京オペラシティ コンサートホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=JI2EnZWv7Ko%3D&month=05

 

 

 

♩5/16 印田千裕 ヴァイオリン・リサイタル

オペラシティの<B→C>は、東京藝大から英国王立音楽院に学んだ印田千裕。とりわけ邦人作品の演奏に力を注いでいる。留学時代に自国作品を誇りとともに取り上げる環境に刺激を受けたという。「時代を超えた絶景を巡る一つの旅のように」とのコンセプトからバッハとともにサーリアホ、クセナキス、糀場富美子、池辺晋一郎らを並べた。前半は無伴奏。
5/16@オペラシティリサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=8037

 

 

 

♩5/17 ダニエル・シュー ピアノ・リサイタル

ダニエル・シューはカリフォルニア生まれ、現在カーティス音楽院で学ぶ19歳。ランラン、ユジャ・ワンなどと同門で、2015年第9回浜松国際ピアノコンクール3位に入賞、16年フィラデルフィア管弦楽団にデビューなど、まさにライジング・スター。「心から演奏する」ことを大切にしたい、と語るステージに注目したい。
5/9@ザ・シンフォニーホール(大阪)
5/14@アクトシティ浜松音楽工房ホール(静岡)
5/17@ Hakuju Hall 昼夜公演≪スーパーリクライニングコンサート≫
全国ツァー詳細
http://www.concert.co.jp/concert/daniel_hsu/

 

♩5/17 ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト) シューベルトを歌う 第1夜 室内楽伴奏とともに

トッパンホールが主催する〈歌曲(リート)の森〉シリーズの第21篇、ナタリー・シュトゥッツマンがイングヴァル・カルコフ編による室内楽伴奏により、シューベルトの歌曲を歌う。弦楽器のピアノとは異なる音色やフレージングが、シューベルトのおなじみの曲から新たな魅力を引き出してくれることだろう。シュトゥッツマンは、同じプログラムをiichiko 音の泉ホール (大分県)、神奈川県立音楽堂で歌う。ほかに《美しき水車小屋の娘》が、トッパンホール第2夜(19日)とアルカスSASEBO(長崎県)で予定されている。
5/17@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201705171900.html

 

♩5/19 藤木大地 カウンターテナー リサイタル

Hakuju Hallの第27回ワンダフルoneアワーに登場するのはカウンターテナーで今や破竹の勢いの藤木大地。この4月にウィーン国立歌劇場のライマン「メディア」ヘロルド役でデビューと、世界の藤木へ羽ばたく。今回のステージはシューマン「詩人の恋」とシューベルトの歌曲。その声にたっぷり魅せられたい。
5/19@ Hakuju Hall 昼夜公演
https://www.hakujuhall.jp/syusai/93.html

 

 

 

♩5/19〜21 「新しい耳」テッセラの春・第20回音楽祭

廻由美子の提唱により2007年から年2回開催されているサロン・テッセラでの「新しい耳」音楽祭第20回は、ジャズとクラシックのシアトリカルな<マジカル・ミュージック・ツァー>、寺嶋陸也の耳<動と静>、北爪道夫の耳<室内楽個展>の3夜。バラエティに富んだプログラムがあなたの耳を刺激するにちがいない。
5/19,20,21@サロン・テッセラ
https://www.atarashii-mimi.com/concert

 

 

 

♩5/19、23 タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団

フィンランド独立100周年記念に北欧屈指のオーケストラ、タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団が初来日する。首席指揮者サントゥ=マティアス・ロウヴァリはシベリウス音楽院に学び、ハンス・リントゥらに師事、2017/18年からイェーテボリ交響楽団の首席指揮者に就任する。19日は田部京子のpfでグリーク、23日は堀米ゆず子のvlでシベリウスの協奏曲を。北欧の空を堪能したい。
5/19,23@東京文化会館大ホール
http://www.proarte.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=1683

 

 

 

♩5/20 伊藤ゴロー+ジャキス・モレレンバウム

ボサノヴァ・ギタリスト伊藤ゴローと、アントニオ・カルロス・ジョビンや坂本龍一との活動で知られるブラジルのチェリスト、ジャキス・モレレンバウムの3年ぶりの共演。ジョビンをはじめ、オリジナル、インプロビゼーション、新作など、ギターとチェロの息の合ったアンサンブルを楽しみたい。
5/20@ヤマハホール
https://www.yamahaginza.com/hall/event/002550/

 

 

 

♩5/20、21 フィルハーモニア管弦楽団

エサ=ペッカ・サロネンが首席指揮者を務める英国の名門、フィルハーモニア管弦楽団の来日公演。両者の関係は25年の長きに亘るもの。サロネンは作曲家としても革新的であるだけに、過去の偉大な作品から新鮮な音像を立ち上げる。今回は共演に諏訪内晶子、チョン・ソンジンを迎え、メンデルスゾーン、ベートーヴェンを聴かせる。
5/20@東京芸術劇場
5/21@横浜みなとみらいホール
http://japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=539

 

 

♩5/22 ラトヴィア放送合唱団

合唱の国、ラトヴィアの精鋭ラトヴィア放送合唱団が今回取り上げるのはラフマニノフ、グラス、ペルト。いずれも調性のある「聴きやすい(現代)音楽」であるが、名門ラトヴィア放送合唱団の力でどのような音楽として我々の前に現れるのか期待は尽きない。
5/22@すみだトリフォニーホール
https://www.triphony.com/concert/detail/2016-11-001239.html

 

 

 

♩5/23 《バロック・ライヴ劇場》第7回公演 ル・ポエム・アルモニーク  “ダンツァ!”

王子ホールの主催公演のシリーズの中で、ホールの規模に適した演目、演奏者で、位置づけを確立してきている《バロック・ライヴ劇場》、第7回はヴァンサン・デュメストル率いるル・ポエム・アルモニークが登場。“ダンツァ!“というタイトルで、17世紀のパリで演奏されたスペインの舞曲を中心としたプログラムを、ソプラノを伴い披露する。
5/23@王子ホール
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2017/20170523.html

 

 

♩5/24 古楽アンサンブル コントラポント 聖母の夕べの祈り

花井哲郎をリーダーとして2005年に結成された古楽声楽家、古楽器奏者によるアンサンブル。主に17世紀を中心とした後期ルネサンスからバロックの宗教音楽をレパートリーとし、声楽家と器楽奏者が音そのものに対するイメージを共有し、各自の独創性を生かしながらも「対位法的に」一体となった演奏を目指す。第24回定期公演はモンテヴェルディ生誕450年記念演奏会2~コントラポントのヴェスプロ。「聖母の夕べの祈り」を取り上げる。
5/24@東京カテドラル関口教会聖マリア大聖堂
http://www.fonsfloris.com/c/schedule.html

 

 

♩5/24 岡本誠司 ヴァイオリン・リサイタル

紀尾井の<明日への扉16>はヴァイオリンの岡本誠司。1994年生まれ、今年3月に東京藝大を卒業したばかり。2014年J.S.バッハ国際国際コンクールでアジア人初の優勝を遂げた。2016年ヴィエニャフスキ国際コンクール第2位と注目の新人だ。ドイツ・ライプツィヒにゆかりのある作曲家たちの作品を集め、新緑に似合うコンサートとなりそう。ピアノは田村響。
5/24@紀尾井ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/20170524k1900.html

 

 

 

♩5/24〜6/2 ヴィオラ・スペース2017 vol.26

2017年のヴィオラ・スペース、アントワン・タメスティがプログラミング担当となってから5年目となる今回は母国フランスをテーマとした企画。若手演奏家のための公開マスタークラスのほかフランスが生み出した多彩な音楽のコンサートが名古屋、東京、大阪で開かれる。タメスティの新作「ヴィオラ協奏曲」もヴィオラ・ファンには必聴だろう。
5/24~6/2上野学園 石橋メモリアルホール
http://www.tvumd.com/program/detail/?event_code=violaspace&program_id=this_time

 

 

♩5/25、28 コンポージアム2017 ハインツ・ホリガーの音楽『スカルダネッリ・ツィクルス』&武満徹作曲賞本選会

オーボエの世界的名手にして現代音楽の巨匠、ハインツ・ホリガーがラトヴィア放送合唱団と日本のアンサンブル・ノマドと共に演奏するのは現代音楽の伝説的名作にして大作『スカルダネッリ・ツィクルス』である。2時間半・休憩なしというそのスケールの大きさにまず圧倒されるが、果たしてここ極東の地でどのような音楽体験ができるのだろうか。
5/25,28@オペラシティ コンサートホール
http://www.operacity.jp/concert/compo/2017/schedule/170525.php
https://www.operacity.jp/concert/compo/2017/schedule/170528.php

 

 

♩5/25 山崎伸子 チェロ・リサイタルwith 小菅優

日本のトップ女流チェリスト、山崎伸子が2007年から続けてきたチェロ・ソナタ・シリーズも今回で最終回を迎える。ピアニスト長岡純子の演奏に触発され、こういうピアニストと共演したい、という想いから生まれた、とのシリーズだが、若手の筆頭小菅との組み合わせで締めくくられるのも意味深い。バッハの無伴奏、マルティヌー、ラフマニノフが並ぶ。5/13@彩の国さいたま芸術劇場でのリサイタルは武満作品などで、こちらも注目したい。
5/25@紀尾井ホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=609/

 

 

♩5/26 黒田鈴尊 独演会 Ⅱ

各界から注目を浴びる尺八奏者・黒田鈴尊の独演会第二段はRei-sonic Theater <尺八独奏による 宇宙の歌>。古典本曲から独奏版世界初演、新作初演(公募作品より)まで、洋の東西と時代を問わず、縦横無尽に選び抜かれたプログラミング。“尺八の無限の可能性”に注目したい。
本誌バックステージ参照
http://mercuredesarts.com/2017/02/06/back-stage余白|浅野剛/
5/26@ Tokyo Concerts Lab. トーキョーコンサーツ・ラボ 昼夜公演
http://tocon-lab.com/event/170526

 

 

♩5/26、27 日本フィルハーモニー交響楽団 第690回東京定期演奏会<春季>

昨年首席指揮者に就任したピエタリ・インキネンの指揮のもと、継続的にワーグナーの大作にチャレンジしていこうとする日本フィルハーモニー交響楽団。その第1回となるコンサートがこの日の《ラインの黄金》。ヴォータンにユッカ・ラジライネン、フリッカにリリ・パーシキヴィ、ローゲにウィル・ハルトマン、アルベリヒにワーウィック・ファイフェといった海外の精鋭、他の役は国内のトップ歌手でかためた配役。メルボルンで《ニーベルングの指環》公演を成功させたばかりのインキネン、充実した演奏が期待される。
5/26,27@東京文化会館大ホール
http://www.japanphil.or.jp/concert/20177

 

♩5/27 大萩康司プロデュース ギターと声Vol.3

現代ギターの未来を背負って立つ大萩がこのシリーズ最後に選んだ共演者は現代合唱の最先端を行く西川竜太とヴォクスマーナ。作品は現代日本の権代敦彦、それにスペインのアルベニス、イタリアとアメリカで活動したカステルヌオーヴォ=テデスコである。過去、現代、そして未来が交錯する新しい演奏会を期待したい。
5/27@Hakuju Hall
http://www.hakujuhall.jp/syusai/94.html

 

 

 

♩5/27、28 東京オペラ・プロデュース第100回定期公演 オペラ「ラインの妖精」

上演機会の少ないオペラを積極的に取り上げ、上演してきた東京オペラ・プロデュース、記念すべき第100公演をむかえる。今回はジャック・オッフェンバックが完成、上演した唯一のオペラ《ラインの妖精》をとりあげる。ウィーンでの初演後(一部カット)散逸していた楽譜を集め、ジャン・クリストフ=ケックが校訂し、21世紀に完全初演された。いくつかの曲は《ホフマン物語》に転用されている。もちろん日本初演である。
5/27,28@新国立劇場 中劇場
http://operaproduce.web.fc2.com/

 

 

(C)Photo Akihito Ito

5/27〜7/30 第5回国際音楽祭 NIPPON

諏訪内晶子が芸術監督を務める国際音楽祭NIPPONの第5 回が、東京、名古屋、久慈で開催される。諏訪内と同じくチャイコフスキー国際コンクール覇者であるマリオ・ブルネロvc、ボリス・ベレゾフスキーpfによる特別公演など、室内楽やオーケストラ公演が並ぶほか、藤倉大への委嘱作品や教育プログラム、他ジャンルとのコラボレーションなど多彩な企画が目白押し。街中の音楽祭にぜひ足を運ぼう。
5/27~7/30@東京、名古屋、久慈
http://imfn.jp

 

♩5/29、30 アンジェラ・ヒューイット ピアノ・リサイタル

ファツィオリで聴くコンサートシリーズとして、ピアノのアンジェラ・ヒューイットがバッハのすべてのソロ鍵盤曲を弾くという4年間、12回のリサイタルの日本第一弾である。トロント国際バッハ・ピアノ・コンクールでの優勝以来「当代一のバッハ弾き」と謳われるヒューイット。東京での2夜は、「幻想曲」「インヴェンション」「カプリッチョ」などの第1夜と、「フランス組曲」を並べた第2夜。楽しみだ。
5/29,30@紀尾井ホール
http://www.nipponartists.jp/ticket/td20170529.html