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撮っておきの音楽家たち|スティーブ・ライヒ|林喜代種

スティーブ・ライヒ(現代音楽家・作曲家)

2017年3月01日 東京オペラシティコンサートホール
2006年10月17日 ホテルオークラ
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

スティーブ・ライヒの80歳記念公演が東京オペラシティで2日間行われた。4年振りの来日。
今回のメインプログラムはタイトルにある「テヒリーム」。これは後半に演奏された。ヘブライ語の「詩編」を意味するという。ライヒが気に入ったこのホールで是非演奏したいと願い実現した作品。後方に4人の女声、6つの木管楽器、両サイド各1台の電子オルガン、弦楽アンサンブルの楽器編成。
前半の1曲目に演奏された「クラッピング・ミュージック」ではライヒも手拍子奏者として出演する。「マレット・カルテット」、「カルテット」日本初演、と続く。
ミニマル・ミュージックの元祖言われるライヒの音楽の世界に気持ち良く身を委ねることができた。
スティーブ・ライヒは1936年10月3日ニューヨーク生まれ。14歳の時ドラムを学ぶ。1957年コーネル大学哲学科学士号取得。1958〜61年ニューヨークのジュリアード音楽院でウィリアム・バーグスマらに師事。1961〜63年カリフォルニア州オークランドにあるミルズ・カレッジでルチアーノ・ベリオとダリウス・ミヨーのもとで学び修士号を取得。バリ島やアフリカの音楽に興味を持つ。1966年から自身のアンサンブルで活動。「ドラミング」1971年はアフリカ音楽の影響がある。ミニマル・ミュージックの創始者はスティーブ・ライヒ、フィリップ・グラス、テリー・ライリーなどのアメリカの作曲家たちである。1990年ホロコーストを題材にした「ディファレント・トレインズ」と1999年「18人の音楽家のための音楽」と2017年2月ライヒ作品集「マレット・カルテット」「六重奏曲」「ナゴヤ・マリンバ」「木片のための音楽」で3回のグラミー賞を受賞。2006年70歳で第18回高松宮殿下記念世界文化賞音楽部門を受賞。2008年武満徹作曲賞審査員を務める。2009年「ダブル・セクステット」でピューリッツァー賞音楽部門、2014年ヴェネツィア・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。ライヒの象徴である野球帽を被り、ミキサーの前に座り自作品の演奏を見守る姿が見られた。
今回の80歳記念公演はカーネギーホールやバービカンセンターなど20以上の国で400回以上予定されているという。