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撮っておきの音楽家たち|アヌ・タリ|林喜代種

アヌ・タリ(女性指揮者)

20161218日 サントリーホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

指揮者といえば、これまでは男性が中心だった。それでも世界で女性の指揮者はいた。日本にもいた。近年、政治・経済・学問などの各界で女性の進出は著しい。音楽界も例外ではなく女性指揮者の活躍は多くを数えている。
2016年12月の東京フィルの『第九』の指揮をしたのはエストニア出身の女性指揮者のアヌ・タリである。若くて、美しく、スタイリッシュな彼女は指揮姿も美しい。細身な身体ながらタクトを振る音楽は決して細くなく骨太で芳醇音楽をオーケストラから引き出していた。
アヌ・タリは音楽活動をピアニストとしてスタートしている。エストニア音楽アカデミーで学び、サンクトペテルブルク国立音楽院でイリヤ・ムーシン等の元で指揮を学ぶ。1997年エストニアとフィンランドの文化交流を促進するため、双子の姉カドリと共にノルディック交響楽団を創設。現在首席指揮者を務める。2013年フロリダのサラソータ・オーケストラの音楽監督に就任。
日本へは2003年東京フィルとの共演で、今回再演した「現在のエストニアの音楽の父」と称されるヘイノ・エッレルの『夜明け』とショスタコーヴィチの『交響曲第9番』の指揮で日本デビュー。久しぶりの来日である。
初録音の『神秘のメッセージ』で2003年エコー・クラシックス最優秀新人賞を受賞。
今、国際舞台で最も活躍中の女性指揮者である。

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