注目のコンサート|2016年12月
トッパンホールでは2度目の登場となる“ヴィオラ界の革命児”タメスティ。ムーティ/ウィーン・フィルとの共演など、確かなキャリアを誇る。オルガ・ノイヴィルトが彼のために書いたヴィオラ協奏曲でベルリン・ドイツ交響楽団との初演もしている。
今回は無伴奏で、CDにもなっているバッハ、リゲティの作品を揃えた。ヴィオラ好きには必聴ものである。
12/1@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201612011900.html
音楽学の研究、指揮で知られるアルベルト・ゼッダ、今年1月に88歳、米寿をむかえた。それを祝うコンサート。曲目はお得意のロッシーニを2曲、「スターバト・マーテル」/カンタータ「テーティとペレーオの結婚」。永年にわたり関係を築いてきた藤原歌劇団のソリストが出演する。
12/1@Bunkamuraオーチャードホール
https://www.jof.or.jp/performance/nrml/1612_zedda.html
♩12/3 仲道郁代 デビュー30周年記念ピアノ・リサイタル
デビュー30周年記念のリサイタルは<マイ・フェイヴァリット>として思い出の深い名曲ばかりをプログラミング。グリーク、シューマン、ショパン、ブラームス、リストなど、誰もが聴いたことのあるポピュラーな曲を仲道の歩みとともに楽しみたい。
12/3@横浜みなとみらいホール
http://www.kanagawa-geikyo.com/calendar/concerts/161203-2/161203-2.html
1982年、中国・瀋陽生まれ。ノーベル賞コンサート(07年)、オバマ大統領ノーベル平和賞受賞コンサート(09年)、北京五輪開会式(08年)などで演奏、世界的なスーパースターとなったランラン。最新アルバム「ニューヨーク・ラプソディ」ではNYをテーマに、ジャズ界のレジェンド、ハービー・ハンコックと共演など話題は尽きない。今回の来日ツァーではチャイコフスキーとショパンを並べた。
12/4@サントリーホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/ym=2016-12/
12/6@横浜みなとみらいホール
http://www.yaf.or.jp/mmh/recommend/2016/12/post-215.php
紀尾井ホールの<明日への扉 14>にヴァイオリンの小川恭子が登場する。小川は2014年ザルツブルク=モーツァルト国際室内楽コンクール第1位グランプリ、2015年第84回日本音楽コンクール第1位、2016年ノヴォシビルスク国際コンクール第1位を獲得と数々の受賞歴を持つ。現在桐朋音大の研究科に在籍という新進。ブラームス、バッハ、ラヴェル、プロコフィエフなど。
12/6@紀尾井ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/20161206k1900.html
♩12/6 新日本フィルハーモニー交響楽団 第567回ジェイド<サントリーホール・シリーズ>
上岡音楽監督によるロシアン・プログラム。クリスマスシーズン定番のチャイコフスキー「くるみ割り人形」のほか、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「プツチネッラ」、プロコフィエフ交響曲「第5番」。「第5番」は戦時下に生きた彼の祖国愛をもとに一気に書き上げられ、自身が“純粋で高貴な魂への賛歌”と語った代表作だ。
上岡のタクトが引き出す音の色彩を期待したい。
12/6@サントリーホール
https://www.njp.or.jp/archives/1103
結成から14年、欧州では筆頭株、若手から中堅へと変貌するチェコのクァルテット。ポスト・ハーゲンQとしてますます注目を集めている。
今年3月、創設メンバーの一人、パヴェル・ニクルが近親者重病のため退団、メンバーの長年の友人ラディム・セドミドブスキに代わった。
ペルト、バルトーク、スメタナのプログラムで彼らの“今”を聴かせてくれる。
12/7@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201612071900.html
♩12/9 プラジャーク・クヮルテット & 関西弦楽四重奏団
関西弦楽四重奏団は2012年、日本のオケやコンマス、室内楽などで活躍する第一線のプレーヤーが結成した新鋭四重奏団。チェロの上森祥平ら4人はそれぞれ東京藝大に学び、欧州での研鑽と活動ののち、大阪、京都などで活躍している。
プラジャーク Qは1974年チェコ音楽年にプラハ音楽院室内楽コンクールで第1位を獲得、以来国際的な活躍をするチェコのクァルテット。両者が共演する「メンデルスゾーン八重奏曲」が楽しみだ。大正時代の洋館建築で音楽の粋をたっぷり味わおう。
12/9@大阪倶楽部4階ホール
http://www.kojimacm.com/digest/161209/161209.html
ウィーン・フィルのメンバーを中心に結成されたアンサンブル、ザ・フィルハーモニクスはウィーンの香りの中にもクラシックからロマ音楽まで、多彩なレパートリーを誇る。
曲目はクライスラー、H・マンシーニ、サティなど。変幻自在なその演奏を心ゆくまで堪能したい。
12/9@東京芸術劇場
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=485
♩12/9、10 日本フィルハーモニー交響楽団 第686回定期演奏会
飯守泰次郎が4年ぶりに定期を振る。シューマン「ライン」がメインだが、湯浅譲二の「始原への眼差 Ⅲ」(2005年日フィル委嘱初演作)、ブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」と魅力的なプログラム。ブラームスのソロはアシスタント・コンマスの千葉清加vl、辻本玲vcの顔ぶれ。
12/9,10@サントリーホール
http://www.japanphil.or.jp/concert/20168
音楽監督ジョナサン・ノットの指揮とハンマーフリューゲルで行われる、東京交響楽団の演奏会形式でのオペラ公演。大ベテランのサー・トーマス・アレンがドン・アルフォンソ、ミア・パーション、マルクス・ウェルバといった中堅、ヴァレンティナ・ファルカス、ショーン・マゼイといった若手を組み合わせたキャストも楽しみ。
<舞台監修:サー・トーマス・アレン>とあるので、舞台にも何らかの工夫がありそう。
12/9@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/cosi/
12/11@東京芸術劇場
https://www.geigeki.jp/performance/concert092/
♩12/9、11 NHK交響楽団 第1851回 定期公演 Aプログラム ビゼー「カルメン」
毎年恒例となった、デュトワによる声楽大曲の演奏会形式での公演、今年の曲目は「カルメン」。ケイト・アルドリッチ、マルセロ・プエンテ、シルヴィア・シュヴァルツといった若手キャストの歌、円熟のデュトワの指揮が楽しみ。
なお、16,17日の定期もブリテン、プロコフィエフ、ラヴェル、オネゲルなど興味深い。
12/9,11@NHKホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=567
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=568
12/16,17@NHKホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=571
1980年ショパン・コンクールで落選、審査員のアルゲリッチが怒って帰国したエピソードで知られるポゴレリッチ。ショパン、シューマン、モーツァルト、ラフマニノフを、さて、どう弾くか。彼のいわば音の儀式に共に参加するか、途中で冷めてしまうか。いずれにしても行ってみなければわからない、スリリングな夜となろう。
12/10@サントリーホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=540/
川端康成「眠れる美女」を原作とするオペラの日本初演。東京文化会館開館55周年、日本ベルギー友好150周年記念の企画で、2009年初演されたベルギーでのメンバーが出演する。作曲/クリス・デフォート、台本/ギー・カシアス、クリス・デフォート、マリアンヌ・フォン・ケルホーフェン、指揮/パトリック・ダヴァン、管弦楽/東京藝大シンフォニエッタ。原作は全5章の中編小説だが、オペラは1幕3場。どんなステージか、期待される。
12/10,11@東京文化会館
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_161210_11.html
ハンブルクを拠点とするアンサンブル・レゾナンツの初来日。防空壕を利用したホールやライブハウス感覚でクラシックを街中へと広げる“独創的なアンサンブル”として意欲的に活動している。トランペットのイエルーン・ベルワルツとの共演で細川俊夫「旅 Ⅶ」を演奏するのも要注目。東京公演のバッハにはフルートの瀬尾和紀も加わる。
12/15@東京文化会館小ホール
12/16@愛知芸術劇場コンサートホール
http://okamura-co.com/concerts/455/
オペラ、リサイタルなどで活躍するテノール中鉢がヤマハホール・コンサート・シリーズに登場。 東京藝大で学んだのち、イタリアで研鑽を積んだ。R・シュトラウスからベッリーニ、<カタリ カタリ>や<忘れな草>など名曲を歌う。
午後のひととき、ゆっくりとその美声を味わおう。
12/17@ヤマハホール
https://www.yamahaginza.com/hall/event/002327/
ソプラノ/ヴォーカルの柴田智子企画、構成 プロデュースによる<アメリカンシアターシリーズvol2>は<ガーシュインなクリスマス>。
舞台には雪が降り、まさに戦争前の活気のある1920年〜30年代のNY、そこに流れる音楽は「ラプソディー・イン・ブルー」。前半はオール・ガーシュウィン、後半はクリスマスキャロルを含め賛美歌など。アメリカンシアターシンガーズらと共に過ごす NYなクリスマス。監修には世界のエンタテイメントにかかわってきた広渡勲を迎える。
12/18@ Hakuju Hall
https://www.yadrigi.com/yojiaoi/ny-gershwin-175.html
♩12/19 東京都交響楽団定期演奏会Aシリーズ 第822回
30代の指揮者の中でも躍進著しいヤクブ・フルシャ。今シーズンからバンベルク交響楽団の首席指揮者に就任した。そのフルシャが首席客員指揮者を務める都響で全曲演奏を目指すマルティヌーの交響曲から「第5番」を。戦火を避けての渡米生活の最中に生み出された作品で望郷の想いも底に流れる。加えてフルシャ×都響で初のショスタコーヴィチ「第10番」。その棒さばきや如何に。
彼は12/13,14にも都響で初めてマーラーを振る。こちらもマークしたい。
12/19@東京文化会館
第822回 定期演奏会Aシリーズ
12/13@東京芸術劇場
12/14@サントリーホール
第820回 定期演奏会Cシリーズ、第821回 定期演奏会Bシリーズ
平成21年11月より文化庁新進芸術家海外育成制度奨学生として1年間イタリアに留学、23年度の五島記念文化賞を受賞したソプラノ、佐藤康子のリサイタル。ギリシャ国立歌劇場、スロベニア国立歌劇場、イタリアのイェーズィ、フェルモ、ブリンディズィの各劇場で「蝶々夫人」タイトルロールを務め好評を博した。当夜はその「蝶々夫人」のほか「トスカ」などで実力を披露する。
12/20@東京文化会館小ホール
https://www.jof.or.jp/performance/nrml/161220_satoysk.html
メモリアル・イヤーだった2016年、武満年の最後を飾るとも言える「武満徹の音楽」は、彼の映画音楽を集めたもの。映画を愛した武満の想いを、ギター/渡辺香津美、アコーディオン/coba、ギター/鈴木大介、パーカッション/ ヤヒロトモヒロが伝える。『不良少年』『伊豆の踊子』『どですかでん』『太平洋ひとりぼっち』『狂った果実』『他人の顔』など、どれも映画史上に残る名作ばかり。映画のワン・シーンを思い起こしつつ、その音楽に耳を傾けたい。
12/21@Bunkamura オーチャードホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=569/
なお、本誌バックステージ「武満徹の映画音楽」も参考にされたい。
http://mercuredesarts.com/2016/10/07/back-stage武満徹の映画音楽/
今が旬の若手3人によるデュオとトリオ。ヴァイオリンの長原は東京藝大からジュリアードに留学、1998年日本音楽コンクール最年少優勝、2014年読響のコンマスに。チェロの宮田大は2009年ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールで日本人として初優勝、桐朋音大からジュネーブ音楽院、2013にクロンベルク・アカデミー修了。活発な演奏活動を行っている。ピアノの田村は2007年ロン・ティボー国際コンクールの覇者。ザルツブルク・モーツァルテウム音大から大阪音大を経て現在京都市立芸術大学講師。
聞き逃せない顔合わせだ。
12/23@所沢市民文化センター・ミューズ
http://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20161223/
♩12/24 サントリーホール クリスマス オルガンコンサート 2016
クリスマス・ガラ with バッハ・コレギウム・ジャパン
サントリーホールが誇るオルガンの魅力を最大限に楽しめるクリスマス・オルガンコンサート。指揮はバッハ・コレギウム・ジャパンの音楽監督、鈴木雅明、オルガンはその息子鈴木優人、他にソプラノ/レイチェル・ニコルズ、カウンターテナー/クリント・ファン・デア・リンデ、テノール/ニコラス・パン、バリトン/加耒徹ら豪華メンバーが揃う。「聖しこの夜」など、どっぷりクリスマス気分に浸れるプログラムだ。
12/24@サントリーホール
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/schedule/detail/20161224_M_3.html