撮っておきの音楽家たち|ヤニック・ネゼ=セガン|林喜代種
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮者)
2016年6月5日 サントリーホール
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)
いま注目の気鋭の指揮者ヤニック・ネゼ=セガンがフィラデルフィア管弦楽団を率いて2014年に続いて2度目の来日公演を行った。
フランス系カナダ人でモントリオール出身。同地の音楽院でピアノ、指揮、作曲、室内楽を学んだ後、カルロ・マリア・ジュリーニらに師事。2008年ロッテルダム・フィルの音楽監督に就任。2012年、ネゼ=セガンは37歳で名門フィラデルフィア管弦楽団の音楽監督に就任した。「華麗なるフィラデルフィア・サウンド」と賞賛される音色はネゼ=セガンに受け継がれる。そしてNYタイムズ紙は「同団をこれほど素晴らしく鳴らした者はいない」と絶賛した。今回の来日演奏でも日本の聴衆をネゼ=セガンの音楽の世界へ引き込み魅了した。
来日中にネゼ=セガンにとってビッグニュースが飛び込んで来た。世界三大歌劇場の一つである、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場(MET)が新音楽監督にヤニック・ネゼ=セガンが就任すると発表した。METは今年4月、40年間音楽監督を務めてきたジェームズ・レヴァインが体調を理由に今季限りで退任し、名誉音楽監督に就任すると発表していた。ネゼ=セガンは17-18年のシーズンから次期音楽監督として暫定的に指揮をし、20-21年のシーズンから完全に引き継ぐという。「METの音楽監督になることは長年の夢でした。オペラの輝ける未来を思い描きながらMETの高い水準を保っていきたいと考えています。」とコメントを寄せている。そして、フィラデルフィア管弦楽団が彼の契約を2025-26年のシーズンまで延長すると発表している。