注目のコンサート(2016年7月)
首席客演指揮者アラン・ブリバエフの故郷カザフスタンの作曲家ジュバノフ、ハミディの歌劇「アバイ」より民族舞曲が日本初演されるのが注目されよう。「アバイ」は1936年に作曲されたカザフスタン人による初のオペラ作品。
また、1984年ウクライナ生まれ、2001年ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝、2011年チャイコフスキー国際コンクール第4位入賞のキャリアを持つアレクサンダー・ロマノフスキーのプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」も興味深い。
7/1@ザ・シンフォニーホール
http://www.century-orchestra.jp/concert/no210/?q=31
♩7/1 クラシカル・プレイヤーズ東京 演奏会
有田正広率いるオリジナル楽器オケ、クラシカル・プレイヤーズ東京と仲道郁代のコラボレーション第6弾はベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」。前後にはモーツァルトの交響曲2曲(共にGの調性を有する単一楽章の32番と40番)が置かれる。200年前のウィーンの空気を彷彿させる響きで、現代からタイムスリップしたい。
7/1@東京芸術劇場
https://www.geigeki.jp/performance/concert080/
♩7/1、2 新日本フィルハーモニー交響楽団定期演奏会第560回「千人の交響曲」
マーラーを次々に取り上げてきたハーディング。オーケストラ、合唱など最大規模を誇る「千人の交響曲」が、ついにステージ上に。8人のソリストもハーディングが選んだ選りすぐりのメンバーが揃う。壮大な音響の大伽藍を体験できよう。
7/1,2@すみだトリフォニー
https://www.njp.or.jp/archives/808
團伊玖磨の名作「夕鶴」は内外でたびたび上演される、もはや古典と呼ぶにふさわしいオペラである。栗山民也演出によるプロダクションは、能舞台を思わせる装置に、「空」をイメージする背景、その中に与ひょうの住む家が一軒というシンプルで美しい舞台が特徴。
日本オペラに定評のある大友直人の指揮のもと、澤畑恵美、腰越満美、小原啓楼、鈴木准ら、ダブルキャストでの上演となる。
7/1~3@新国立歌劇場
http://www.nntt.jac.go.jp/opera/performance/150109_006155.html
♩7/1〜3 チェンバロ・フェスティバルin東京 第4回「J.S.バッハ」
日本を代表するチェンバリスト曽根麻矢子を中心に、2011年にスタートした「チェンバロ・フェスティバル in 東京」。今回はJ.S.バッハを特集、曽根のほか、鈴木優人、渡邊順生、大塚直哉によるリサイタルや、チェンバロ協奏曲全14曲を届ける。
当日の有料公演チケットを提示すると無料で参加できるイベント、レクチャー・コンサート、子供のためのチェンバロ教室なども開催。特別企画として、チェンバロの巨匠グスタフ・レオンハルト主演、ジャン=マリー・ストローブ&ダニエル・ユイレ監督によるバッハの伝記的映画「アンナ・マグダレーナ・バッハの年代記」のDVDを連日上映。
7/1,2,3@浜離宮朝日ホール
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2016/07/event367.html
♩7/5 エイステイン・ボーツヴィック テューバリサイタル&マスタークラス
1966年ノルウェー生まれのボーツヴィックはソリストとして独自の道を切り開くテューバの名手。15歳からテューバを始め、スウェーデン王立音楽院、インディアナ大学音楽学部に学ぶ。1991年、ジュネーヴ国際音楽コンクール・テューバ部門で2つの賞を獲得、国際的なキャリアをスタートさせた。
テューバという楽器の多角的な可能性を追求し、アメリカ、ロシア、スウェーデン、ノルウェー、スイスの作曲家に新作を委嘱、これまでに約40の独奏曲を初演、新たな技術開拓に心血を注ぐ。果たしてどんな妙技が聴けるか。プライベート・レッスン、マスタークラスも開かれる。
7/5@ルーテル市ヶ谷ホール
http://www.proarte.co.jp/shop/products/detail.php?product_id=1549
♩7/7 徳永二男 楽壇生活50周年記念演奏会「魂の協奏曲」
長年NHK交響楽団のソロ・コンサートマスターを務め、退団後もソロ、室内楽と活躍を続けるヴァイオリニスト徳永二男が楽壇生活50周年を記念するコンサートを開く。チャイコフスキーとメンデルスゾーンの協奏曲は古巣のN響と共に、広上淳一の指揮で。間にラヴェルを置いたプログラム。年輪を重ねての円熟のヴァイオリンに耳を傾けたい。
7/7@サントリーホール
http://amati-tokyo.com/performance/20111001.html
2002年、ヴァイオリンのピエール・アモイヤルによって創設されたカメラータ・ド・ローザンヌは、曲目によって様々な編成を組む弦楽アンサンブル。師弟、同門の絆が生み出す若くエネルギッシュなサウンドが世界各地で聴衆を魅了している。
今回が初来日で、東京公演は2夜。1夜は若林顕pfとのショパン「ピアノ協奏曲第1番」(弦楽合奏版)、2夜は伊藤(尾池)亜美vlとバッハ「2つのヴァイオリンのための協奏曲」が組まれている。
7/7@東京文化会館小ホール
http://www.concert.co.jp/concert/detail/1120/
7/3仙台、7/8藤沢、7/10名古屋、7/11東京公演
現音楽監督秋山和慶からバトンを受け継ぐ次期音楽監督・下野竜也が<祈り>として、ペンデレツキ「シャコンヌ」(ポーランド・レクイエムより)、バッハ「シャコンヌ」、ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」を振る。オーボエのセリーヌ・モワネとのマルティヌーの協奏曲も。広島の祈りが世界の隅々まで届くことを願う。
7/8@広島文化学園 HBGホール
http://hirokyo.or.jp/concert/list
イタリア・パレルモ生まれ、艶やかなベルベット・ヴォイスでハートを掴むファナーレのリサイタル。国際舞台でもオファー殺到の大型新人がトスティ、ドニゼッティなどのアリアを並べる。2013年6月に新国立劇場に登場、以来確実にファンを増やしている期待の星の美声が堪能できよう。
7/8@紀尾井ホール
http://tokyopromusica.jp/concert/concert_20160708.html
♩7/10 ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団名曲全集第119回
井上道義念願のオール伊福部昭プログラム「協奏四題」、これは聞き逃せない。マリンバ高田みどり、ヴァイオリン山根一仁、二十五絃箏野坂操壽、ピアノ山田令子を迎えての協奏曲尽くし。どんな伊福部ワールドが繰り広げられるか、ワクワクだ。
7/10@ミューザ川崎シンフォニーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/
♩7/14 アレクサンダー・ガヴリリュク ピアノ・リサイタル
2000年浜松国際ピアノコンクール第4回で優勝、「20世紀後半最高の16歳」と評されたガヴリリュク。その後、着々とキャリアを重ねているが、今回はムソルグスキーの「展覧会の絵」が目を惹く。圧倒的なヴィルティオジティとシンフォニックな響きを聴かせてくれるだろう。
7/14@東京オペラシティコンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=406
♩7/15〜18 東京二期会オペラ劇場7月公演「フィガロの結婚」
3万人を魅了した宮本亜門演出の人気オペラ「フィガロの結婚」がさらに進化したステージを観せる。「若い人たちに観て欲しい」という宮本が今回、どんな仕掛けで楽しませてくれるか。指揮は2014年ウィーン国立歌劇場の「フィガロ」で絶賛を浴びたサッシャ・ゲッツェルが初登場。
7/15~18@東京文化会館大ホール
http://www.nikikai.net/lineup/figaro2016/index.html
ペルー出身の指揮者ミゲル・ハース=ベドヤが初登場する。注目はトルコ出身の奇才ピアニスト&作曲家ファジル・サイが、日本を代表するサクソフォン奏者・須川展也のために書き下ろす「サクソフォン協奏曲」の世界初演。今年生誕100年にあたるヒナステラの代表作「スタンシア」、ピアソラなど熱いステージが期待される。
7/18@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=2950&year=2016&month=7
♩7/21、22 大阪フィルハーモニー交響楽団第500回定期演奏会
バンドネオンの三浦一馬がデビュー10周年で6月に全国ツァーを行った。その三浦が、井上道義率いる大フィルに、バカロフ「ミサ・タンゴ」のソリストとして登場。サンドラ・フェランデス(メゾソプラノ)、ガスパール・コロン(バリトン)、大阪フィルハーモニー合唱団とともにステージを飾る。
7/21,22@フェスティバルホール
http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20160721
第22回ワンダフルoneアワーに登場するのはメゾソプラノの小山由美。バイロイトを始め世界の歌劇場でキャリアを積んだディーヴァと、俊英オペラ指揮者・佐藤正浩pfが「“悪女”百花繚乱」を繰り広げる。カルメン、デリラ、アズチェーナなど、どんな悪女ぶりが披露されるか楽しみだ。
7/22@ハクジュホール(昼夜2公演)
http://www.hakujuhall.jp/schedule/index.php
♩7/22、24 東京フィルハーモニー交響楽団7月定期演奏会
ミョンフンがキャリアの初期から手がけたというオペラ「蝶々夫人」の演奏会形式での上演。3月にフェニーチェ劇場でミョンフンのもと、蝶々夫人を歌ったヴィットリア・イェオ、ピンカートン役のヴィンツェンツォ・コスタンツォを迎えてのステージとなる。夏の一夜、美しいプッチーニの旋律とドラマに酔いしれたい。
7/22@サントリーホール
7/24@オーチャードホール
http://www.tpo.or.jp/concert/20160724-01.php
♩7/22〜31日 佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2016「夏の夜の夢」
ブリテンがシェイクスピアの戯曲をオペラ化したこの作品、上演機会はさほど多くないが、全編に英国のエッセンスが香る。今回は、1984年関西二期会、2000年東京二期会、2008年大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウスでの公演に続き、8年ぶりの貴重なステージとなる。シェイクスピア没後400年に、これは見逃せない。
7/22,24,26,28,30,31@芸術文化センター KOBELCO大ホール
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/html/01_shousai/4280411102_0000000001.html
♩7/23〜8/11 フェスタサマーミューザKAWASAKI2016
2005年に始まったフェスタサマーミューザKAWASAKIは今回で12年を迎える。ミューザ川崎シンフォニーホールを舞台に、首都圏のオーケストラが続々登場する真夏の音楽祭。
オーケストラの競演はまさに「最高」「最強」「最響」!初日のオープニング・コンサートにはジョナサン・ノット/東京交響楽団が登場、ヴィラ=ロボス、アイヴズ、ベートーヴェンを聴かせる。他にも、こどもフェスタ・夏、ミニコンサートなどイベント満載。
7/23〜8/11@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/