注目のコンサート(2016年6月)
♩6/1 福間洸太朗「トランスフォーメーション=変形・変質」
パリ国立高等音楽院、ベルリン芸術大学・同大学院、コモ湖国際ピアノアカデミーで学び、国際舞台で活躍するピアニスト福間洸太朗。2003年、20歳でクリーヴランド国際コンクール優勝(日本人初)およびショパン賞を受賞。
今回は「トランスフォーメーション=変形・変質」をテーマに、バッハから現代までを並べた多彩なプログラム。
6/1@ヤマハホール
https://www.yamahaginza.com/public/seminar/view/2135
200年余の伝統を誇るロシア最高峰のオーケストラと、メンバーからの信頼も厚いテミルカーノフのコンビの2年ぶりの来日。ショスタコーヴィチの交響曲第7番『レニングラード』はナチスによるレニングラード900日封鎖にあたり書かれた大作。「悲劇的な時代のシンボルであるこの曲は、ロシアでは特別な式典の時にしか演奏しない」(テミルカーノフ)とのこと。聞き逃せない一夜である。
6/2@サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=404
ストコフスキー、オーマンディ、ムーティらによって磨かれたフィラデルフィア・サウンドが2012年、若きヤニック・ネゼ=セガンに手渡された。フランス系カナダ人のこの指揮者が引き出す色彩美とともに、八面六臂の活躍を続けるヴァイオリニスト五嶋龍が武満徹やプロコフィエフを聴かせる。
5/31@東京文化会館
6/2@大阪フェスティバルホール
6/3@サントリーホール
6/4@ミューザ川崎シンフォニーホール
6/5@サントリーホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=525/
ジャパン・アーツの「ピアニストは面白い!〜珠玉のピアニストシリーズ6月〜」の先頭を切って登場するのは上原彩子。ラフマニノフとスクリャービンの<プレリュード特集>でロシアの華麗なピアニズムを披露する。
このシリーズの6月は他にジョージ・リー、ユンディ・リ、ドミトリー・マスレエフと続く。いずれも興味深い鍵盤のスペシャリストたちに目移りしそう。
6/3@東京オペラシティ コンサートホール
6月のシリーズは以下。
http://www.japanarts.co.jp/news/news.php?id=1801
♩6/3 トーマス・ヘル リゲティ:ピアノのためのエチュード全曲
リゲティ『エチュード』全曲演奏ライブを聴いて、ブレンデルが「知性とヴィルトゥオージティの両面を兼ね備えている」と称賛したトーマス・ヘル。ハンブルグ生まれ、古典から現代まで幅広いレパートリーで活躍している。2010 年 11 月に、東京音楽大学と国立音楽大学でリゲティのエチュードの演奏を交えた作品分析を講演するなど、リゲティのスペシャリストが『エチュード』18曲全曲を聴かせる。
6/3@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201606031900.html
ウィーン・フィルのコンサートマスター、アルベナ・ダナイローヴァン、首席ソロ・ヴィオラ奏者トバイアス・リー、首席ソロ・フルート奏者カール=ハインツ・シュッツによる極上のアンサンブル。ピアノ加藤洋之を迎えてのソロもたっぷり。ベートーヴェン、シューベルト、ブラームスなどウィーンの芳醇を味わいたい。
6/4@東京文化会館小ホール
http://www.pacific-concert.co.jp/concert/view/554/
フィリアホールの土曜ソワレ・シリーズ<女神(ミューズ)との出逢い>に登場するのは、アンナ・ ネトレプコの代役として英国ロイヤル・オペラに鮮烈なデビューを飾った中村恵里。2012年度のアリオン賞本賞を受賞したソプラノだ。
現在、バイエルン国立歌劇場専属ソリストとして活躍する中村のシューベルト、プッチーニ、マスネなど、今をときめく歌姫、必聴である。
6/4@青葉区民文化センター フィリアホール
http://www.philiahall.com/html/series/160604.html
♩6/4〜26 サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2016
6月、サントリーホールのブルローズで3週間にわたって繰り広げられる多彩な室内楽の饗宴。オープニングは堤剛&野平一郎が後世に伝えたい20世紀以降の作品と新作初演を含むプログラムを組んだ。ウィークエンドを気軽に楽しむ1時間のコンサート、アジアのアーティストと邦人アーティストによる「響感のアジア」、キュッヒル・クァルテットの「シューベルティアーデ」など、盛りだくさん。フィナーレは出演者総出でバッハ、イベール、ブラームス、R・シュトラウスなど。
6/4~26@サントリー ブルーローズ
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall/feature/chamber2016/
♩6/6 クラウス・フロリアン・フォークト「美しき水車屋の娘」
ワーグナー・オペラで評価の高いクラウス・フロリアン・フォークト。2012年、新国立劇場で「ローエングリン」に出演、その輝かしい声で一気に聴衆を魅了した。今回は東京文化会館の「プラチナ・シリーズ」でシューベルトの傑作「美しき水車屋の娘」を歌う。
6/6@東京文化会館小ホール
http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_160606.html
王子ホールのバロック・ライブ劇場第5回公演にスペインの歌姫、ラケル・アンドゥエサと仲間たち(テオルボ、バロック・ギター)が初登場する。アンドゥエサはスペイン生まれのソプラノで、2010年、自身の古楽アンサンブル、ラ・ガラニアを結成、活動している。<愛の苦悩〜17世紀イタリア・スペインの音楽>として繰り広げられる世界をたっぷりと。
6/7@王子ホール
http://www.ojihall.jp/concert/lineup/2016/20160607.html
古典から現代まで、常に意欲的、刺激的な演奏で聴衆を捉えるヒラリー・ハーン。今回もモーツァルト、バッハに加え、コープランド、スペインの巨匠アントン・ガルシア・アブリル、アメリカのティナ・デヴィッドソンと現代作を並べた。冷たい情熱、みたいな彼女のヴァイオリンが、これらをどう聴かせるか。
6/8@東京オペラシティ コンサートホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=430
大野和士が振るブリテンの2曲が目を惹くプログラム。とりわけブリテンがランボーの詩集から選び、管弦楽伴奏の連作歌曲とした「イリュミナシオン」には、イギリスを代表する名テノール、イアン・ボストリッジが登場、どんな幻想世界を描き出すかが、注目される。
6/8@東京文化会館
6/9@サントリーホール
https://www.tmso.or.jp/j/concert_ticket/detail/detail.php?id=2947&year=2016&month=6#date
♩6/10 「クァルテットの饗宴2016」ジュリアード弦楽四重奏団
創立70年のジュリアードSQ、新しい作品を定評ある偉大な作品のように、偉大な作品を新しい作品のように、をモットーにクァルテット界を牽引してきた。今回もワーニック「弦楽四重奏曲第9番」(2015)がモーツァルト、ドビュッシーの間に置かれる。42シーズン在籍した最古参チェロのJ・クロスニックが今シーズンを最後に勇退するとのこと。日本での聴き納めとなる。
6/10@紀尾井ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/20160610k1900.html
♩6/18 トランス=シベリア芸術祭 in Japan 2016 レーピン&諏訪内&マイスキー&ルガンスキー
ヴァイオリンのワディム・レーピンが芸術監督を務めるトランス=シベリア芸術祭は、レーピンの生まれ故郷ノボシビルスクを拠点に2014年にスタート、音楽、美術、映画、バレエ等、多彩なアーティストが集う。第3回目を迎える今年、日本公演が開催されることになった。レーピンvl、諏訪内晶子vl、マイスキーvc、ルガンスキーpfら豪華メンバーが顔を揃えての室内楽の饗宴。
6/18@サントリーホール
http://amati-tokyo.com/performance/20111008.html
NHK交響楽団第1ヴァイオリン・フォアシュピーラーの齋藤真知亜が続けているシリーズの第4回。ヘンデル、アイヴズに、権代敦彦への委嘱作品を並べる。ピアノは作曲家、ピアニストの鷹羽弘晃。現代作品を二人がどうさばくか、要注目だ。
6/24@HAKUJU HALL 昼夜2公演
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=557/
♩6/25 ジャン=ギアン・ケラス シルクロード・プロジェクト
<新しい時代をリードするアーティストシリーズⅠ>として横浜みなとみらいホールが贈る「ジャン=ギアン・ケラス シルクロード・プロジェクト」。
チェロ界の異才が、イラン、ギリシャ、ペルシアの伝統音楽、そして日本の伝統楽器・尺八の響きとともに異次元空間へ誘う刺激的な午後。
6/25@横浜能楽堂
http://www.yaf.or.jp/mmh/recommend/2016/01/post-208.php
2015年オーケストラ・アンサンブル金沢が世界初演した権代敦彦の『Vice Versa―逆も真なり―』(第64回尾高賞受賞作)を筆頭に、今回の委嘱作世界初演は大胡恵の『何を育てているの?「白いヒヤシンス」』。2014年武満徹作曲賞(審査員ペーテル・エトヴェシュ)で第1位となった作曲家である。他にエストニアのエイノ・タンベルク、北爪道夫作品。下野竜也指揮、セルゲイ・ナカリャコフのトランペット。
6/28@東京オペラシティ コンサートホール
http://www.nhkso.or.jp/concert/concert_detail.php?id=519
日本指揮者界のホープ、山田和樹がバーミンガム市交響楽団と待望の共演。若きラトル、ネルソンスが率いたこのオーケストラ、若手とともに成長する覇気ある音楽集団だ。山田とのコンビでどんな新しい側面を見せてくれるか。ピアノの若手、河村尚子を迎えてのラフマニノフも期待される。
6/28@サントリーホール
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=398
6月の「B→C」はヴィオラの笠川恵。ジュネーヴ音楽院でヴイオラを学び、2010年からはアンサンブル・モデルン唯一のヴィオラ奏者として活躍する気鋭。ヴィオラの可能性と隠れた魅力をピアノとエレクトロニクスとともに伝える。バッハのほか、バークスマ、グリゼー、田中吉史(2006)、ハーヴェイ、シューマンで、選曲のコンセプトは「リチェルカーレ」とのこと。
6/28@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=7378
レナード・スラットキン率いるフランス国立リヨン管弦楽団が6月に来日、全国をめぐる。軽やかな色彩溢れるフランスの響きを堪能したい。ムソグルスキーの華麗、パワフルも魅力だが、ヴァイオリンにルノー・カプソンを迎えてのブルッフも楽しみだ。
6/30@サントリーホール
ツァー詳細は以下。
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=546/