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注目のコンサート|2019年7月

♩7/1 響きあうアジア 2019ガラコンサート

東南アジアと日本のオーケストラ奏者による特別編成コンサート「響きあうアジア2019ガラコンサート」。2014年から開始の国際交流基金による「ASEANオーケストラ支援事業」の集大成として、ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシア・ミャンマーの5か国8オーケストラから選抜された約80名の演奏家を招聘、日本の演奏家とともに6か国の多国籍オーケストラ「響きあうアジア2019交響楽団」を結成、一夜限りのコンサートを開催する。炎のコバケン小林研一郎の棒で新鮮なアジアの響きを堪能したい。

7/1@東京芸術劇場
http://www.orchestra.or.jp/information/2019/2019-5/

 

 

♩7/1 ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団<東京公演>

2011年からクリスティアン・アルミンクが音楽監督を務めるベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団の来日公演。古都ベルギーの雅な味わいとともにアルミンクの洗練が生み出す響きに帆走するのは小林愛実pf。幼少から注目を集め、米国留学・在住の小林、モーツァルト『ピアノ協奏曲第20番』でその成熟ぶりを示してくれるだろう。他にルクーとブラームスという組み合わせ。

7/1@サントリーホール
http://www.kajimotomusic.com/jp/concert/k=725/

 

 

♩7/2 東京現音計画#12 ミュージシャンズセレクション4 黒田亜樹 with フランチェスコ・ディロン

毎回演奏会になんらかの音楽的意図を込めてきた東京現音計画。今回はロックにクラシックやジャズを取り込んだプログレッシヴ・ロックの記念碑的作品『タルカス』をイタリアのピサーティが編作した『ゾーン・タルカス』を最初に据え、ミニマル以後の調性音楽も、それに対抗するかのような噪音の音楽も入り乱れた「熱い」企画である。アメリカとヨーロッパの「今」を知りたいのならば是非。

7/2@杉並公会堂小ホール
http://tokyogenonproject.net/

 

 

♩7/3 モルゴーア・クァルテット 第48回定期演奏会

常に攻めの姿勢で挑み続ける古武士クァルテット、モルゴーアの48回定期は20世紀に書かれた3作を並べるプログラム。佐藤聰明『夜へ』、H.グレツキ『弦楽四重奏曲 第1番 すでに日は暮れて』、J.コリリアーノ『弦楽四重奏曲』で、テーマは「夜」。「夜」とは、見えないものが「在る」ことを証明、「夜」を聴くことは潜在意識、深層心理への誘いでもある、との荒井英治の言葉とともにミステリアスな旅へと、いざ。

7/3@浜離宮朝日ホール
モルゴーア・クァルテット 第48回定期演奏会 今宵は、夜鳴きモルゴーア。

 

 

♩7/5 transit Vol.11 ノトス・カルテット

王子ホールが若い才能や未知のアーティストを紹介するシリーズtransit、第11回目となるこの日は、ピアノ四重奏団としてヨーロッパで注目を集めているノトス・カルテットが登場する。プログラムは、バルトーク17歳の作品、ピアノ四重奏曲ハ短調から始められる。未出版で自筆譜も紛失といわれていた曲だが、彼らが数年かけて探し出し、世界初録音したもので、日本初演となる。ブライス・デスナーの現代音楽作品をはさみ、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番。実力のほどを十分に聴かせてくれることだろう。

7/5@王子ホール
https://www.ojihall.jp/concert/lineup/2019/20190705.html
デスナーの作品をマーラーのピアノ四重奏曲イ短調に代えた京都公演もあり。
7/2@京都コンサートホール
https://kyotoconcerthall.org/calendar/?y=2019&m=7#key18900

 

♩7/6 いずみシンフォニエッタ大阪 第42回定期演奏会

三ツ橋敬子を指揮に迎える今定期のテーマは「祈り」。サブ・タイトルに「祈りの霊感」を掲げ、近代から現代まで、またフランス、ロシア、スペイン、日本と、古今東西にわたる4つの作品を取り上げる。なかでも注目すべきは、当楽団が2007年度より行なっている「関西出身若手作曲家委嘱プロジェクト」の一環として作曲された、薮田翔一の新作の世界初演。篠崎和子をソリストに迎えてハープ協奏曲を披露する。地域と時代を超えた様々な祈りの音に、ぜひ耳を傾けたい。

7/6@いずみホール
http://www.izumihall.jp/sinfonietta/

 

 

♩7/7 アーヴィン・アルディッティ無伴奏ヴァイオリン・リサイタル

「できるだけ、難しい曲を書いてほしい」という条件で作品委嘱をするという、現代音楽における世界的パイオニアにして大家、アーヴィン・アルディッティがソロ・リサイタルを開催する。バルトーク、ベリオ、ブーレーズ、シャリーノ、ファーニホウらが並んだプログラムに「現代音楽は難しくない」という常套句は全く通じない。むしろ「現代音楽の難しさの極北を聴きたい」と思えてくる。

7/7@静岡音楽館AOIホール
https://www3.aoi.shizuoka-city.or.jp/concert/detail.php?y_yoyaku_day_uid=16216

 

 

♩7/8 Ensemble Xenos 第1回演奏会

フランスで活躍する高橋美千子を中心に、日本の声楽アンサンブルで活躍中の若手実力派が5人結集したグループの第1回演奏会。イタリアのマドリガーレを完璧なアンサンブルで聴けること請け合い。

7/8@大森復興教会
https://www.facebook.com/events/大森福興教会/ensemble-xenos- 第1回演奏会 -vanitas空/1238961639605724/

 

 

 

♩7/9 ナポリのサルヴェ・レジーナ

生前の名声とは裏腹に現在では無名になってしまった18世紀の作曲家の中で近年徐々に人気が出てきたポルポラ。歌唱旋律が美しいことで知られる彼のサルヴェ・レジーナを中心に、ヴィヴァルディ、ヘンデルに加え、レーオのチェロ協奏曲も演奏される。

7/9@近江楽堂
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=1921801

 

 

 

 

♩7/9 アンサンブル金沢 東京公演

昨夏の『ペレアスとメリザンド』の名演も記憶に新しいオーケストラ・アンサンブル金沢。芸術監督ミンコフスキが今回選んだのはブラームス『セレナード』とベートーヴェン『ヴァイオリン協奏曲』。OEKらしいアンサンブルの妙味をたっぷり楽しませてくれるはず。ヴァイオリン独奏はウィーン・フィル首席奏者でミンコフスキ率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴルの首席指揮者でもあるクリストフ・コンツが登場、こちらも要注目だ。

7/9@東京芸術劇場
http://www.oek.jp/event/1910-2
同じプログラムでの金沢公演あり
7/6@石川県立音楽堂 コンサートホール
http://www.oek.jp/event/1065-2

 

♩7/10 東京シンフォニエッタ第45回定期演奏会

東京シンフォニエッタ定期は「イスラエルからの風」でイスラエル在住の作曲家の全曲日本初演となる。ユダヤ民族はディアスポラ(離散)を余儀なくされる中、携帯可能な教育・文化を重視、アイデンティティの拠り所とした。音楽もその一つ。ダン・ユハス(1947—)からリパーイル・クラータク(1985—)まで4人の現代作曲家の作品を揃え、新たな視点を提示する意欲的なコンサート。ぜひ足を運びたい。

7/10@東京文化会館小ホール
http://orchestra.musicinfo.co.jp/~ts/perform.html

 

 

♩7/12 ピアノ!ピアノ!!ピアノ!!!

紀尾井ホールに新たに加わったスタインウェイ・ピアノのお披露目コンサート。すでにある2台とともに3台のスタインウェイで華麗な響きを堪能しようというゴージャス企画だ。
プロデュースは伊藤恵。ポーランドを代表するエヴァ・ポブウォツカに加え、日本の若手北村朋幹、津田裕也、坂本姉妹(彩&リサ)とずらり揃えた、こちらもゴージャスな面々。ワーグナーからプーランクに至るまで、多彩なピアノ・アンサンブル、音の万華鏡が楽しめよう。

7/12@紀尾井ホール
http://www.kioi-hall.or.jp/category/concert/kioihall?ky=2019&km=7#post_0712

 

 

♩7/12 日本の現代音楽、創作の軌跡 第1回「生誕90年〜1929年生まれの5人」

池辺晋一郎がプロデュースする「日本の現代音楽、創作の軌跡」シリーズ第一回は奇しくも1929年という同じ年に生まれた偉大な作曲家、湯浅譲二、矢代秋雄、松村禎三、間宮芳生、黛敏郎の若き頃の室内楽を取り上げる。黛の19歳時の作品から松村の42歳時の作品まで、日本現代音楽の青春期を顧みる貴重な機会となろう。演奏家に若手が多いのも嬉しいところだ。

7/12@東京オペラシティ リサイタルホール
https://www.operacity.jp/concert/calendar/detail.php?id=9496

 

 

 

♩7/12、13、14、15、17、19、20、21 ON THE TOWN 佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2019

兵庫県立芸術文化センター芸術監督の佐渡裕がプロデュースするオペラ・シリーズも、今公演で15作目。今回はレナード・バーンスタインの《ON THE TOWN》を取り上げる。ジャズやダンスの要素もたっぷり入ったミュージカルのようなオペラ、あるいはオペラのようなミュージカルは、この作曲家のもっとも得意とするところ。《夏の夜の夢》(2016年)を手がけたアントニー・マクドナルドの演出に、ロンドン・オーディションで選ばれたキャストの演技にも注目したいが、ここはやはり佐渡ならではの、エネルギッシュで躍動感のある音楽にぜひ期待したい。

7/12,13,14,15,17,19,20,21@兵庫県立芸術文化センター

7月25日から28日には東京文化会館で公演される。
7/25,26,27,28@東京文化会館

http://www.gcenter-hyogo.jp/on-the-town/

 

♩7/13 日本音楽遺産 <演奏家と邦人作曲家シリーズ2019 in KANSAI>

日本演奏連盟関西委員発足30周年記念として行われる「日本音楽遺産<演奏家と邦人作曲家シリーズ2019 in KANSAI>」。第1部「ピアノは喜び」では大澤壽人、西村朗の作品とともに酒井健治の新作委嘱作品初演も。第2部「器楽の愉しみ」は貴志康一、廣瀬量平など。第3部「歌は慈しみ」は山田耕筰から清水脩までを振り返る。演奏陣もベテランから若手まで多彩なメンバーが揃う。過去と現在を瞥見できる要注目のコンサートだ。

7/13@いずみホール
http://www.jfm.or.jp/concert/?m=detail&l=40&d=1820

 

 

♩7/13 特殊音楽祭2019

今年の夏もやってきた、作曲家・山本和智を首領とする特殊音楽祭。今回第9回のテーマは「即興」である。フリージャズの粋に留まらない即興音楽のカリスマ坂田明、ヴォイスパフォーマー巻上公一、現代音楽作曲家たる中川俊郎など、よくぞこの面子を集めたと言いたくなる。今年の夏も和光大学は暑そうである。

7/13@和光大学学生ホール
https://www.kokuchpro.com/event/tokuon2019/

 

♩7/13 湯浅譲二90歳を祝う記念演奏会 時代が追いついた 湯浅譲二の音楽 第1回 電子音楽
♩7/27 湯浅譲二90歳を祝う記念演奏会 時代が追いついた 湯浅譲二の音楽 第2回 室内楽

長年に渡って「未聴感」を追い求め続けた湯浅譲二の90歳を祝う記念演奏会が2回に渡って開催される。第一回は60~70年代の前人未到とも言うべき作品群を主に、電子音楽を特集。第二回は50年代から今世紀までの室内楽作品を特集する。年を経ても決して色褪せることのない「未聴」の世界におもむこう。

7/13,27@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://tocon-lab.com/event/20190713
https://tocon-lab.com/event/20190727

 

♩7/16 エベーヌ弦楽四重奏団 

古典・現代・ジャズと軽々ジャンルを横断する衝撃未来派カルテット、エベーヌ弦楽四重奏団がさらなる進撃を開始する。2020年ベートーヴェン生誕250年記念イヤーに向け『ベートーヴェン・アラウンド・ザ・ワールド』をスタート、アジア、アフリカ、欧米各地をベートーヴェンの革命伝道師となって巡るのだ。今回の演目は「ラズモフスキー第3番」「大フーガ」。2年ぶりの来日で、再び嵐を巻き起こすのは必須、聞き逃すまい、見逃すまい。

7/15@ハクジュホール
7/16@サントリーホール ブルーローズ
https://www.melosarts.jp/melos-arts/concert/QuatuorEbene2019

 

 

♩7/17 フォリア!<スペイン、ポルトガル 15世紀から伝わる情熱と狂喜の音楽>

15世紀、16世紀のポルトガル、スペインに始まり、その後他のヨーロッパに拡がった「情熱と狂喜」の踊り、フォリア。ソプラノの高橋美千子とガンバの品川聖を中心としたメンバーによる演奏。特定のテーマをしぼった古楽のコンサート、学究的なものとならず、音楽として楽しめるものが増えてきている。「教会のようなかしこまったところで、フォリアなどおとなしく聴けるか!」というくらいの熱気を感じさせてくれることを期待したい。

7/17@日本福音ルーテル東京教会
チケット取扱い:アントレ編集部(080-5014-3303)、
東京古典楽器センター(03-3952-5515)

 

 

♩7/20,21 東京交響楽団 第672回 定期演奏会 & 川崎定期演奏会 第70回

いかにも音楽監督ジョナサン・ノットらしいプログラミング、リゲティの大作《レクイエム》を核とし、J.シュトラウスⅡの《芸術家の生涯》、R.シュトラウスの《死と変容》、さらにタリスの40声のモテット《スペム・イン・アリウム》を加え、人生と死について考えさせるもの。作曲年代も異なり、編成にも差がある作品が並んでいるが、演奏会全体で強いインパクトを与えてくれるだろう。リゲティのこの曲をノットの指揮で聴けることだけでも楽しみである。

7/20@サントリーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=Lp05Ll4HuiI%3D
7/21@ミューザ川崎シンフォニーホール
http://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=Y5iFfTCu4%2B8%3D&p_concertCategoryId=O0pq1lePMVE%3D

 

♩7/23 クラウス=ディーター・ブラント チェロリサイタル

カルダーラ、アーベル、グラーフなどのチェロ協奏曲の録音で知られ、現在ケルナー・アカデミーの首席チェロ奏者をつとめるクラウス=ディーターブラントの再来日。昨年は関西のみの公演だったが、今年は東京でも!心震わす音色を堪能したい。

7/23@近江楽堂
https://www.facebook.com/events/823755014668117/

 

 

 

 

♩7/27,28 歌劇「トゥーランドット」オペラ夏の祭典2019−20

「オペラ夏の祭典2019−20」の一環として、びわ湖ホールが「トゥーランドット」を新制作する。オペラ指揮者として内外から高い評価を得ている大野和士によるタクトで、彼が音楽監督を務めるバルセロナ交響楽団による上演。演出は、バルセロナ・オリンピックの開会式を手がけたアレックス・オリエが担当する。タイトル・ロールには、イレーネ・テオリン、ジェニファー・ウィルソンと、世界一流劇場の主役級の歌手を招聘。また、日本オペラ界の俊英たちがそのほかの重要な役所を固めるなど話題には事欠かない。音楽に演出に、どの要素をとってみても豪華絢爛。夢の舞台となることは間違いなさそうだ。

7/27,28@びわ湖ホール
https://www.biwako-hall.or.jp/performance/special/turandot201907.html

なお、下記の日程で東京、札幌でも上演される。
7/12,13,14@東京文化会館公演
7/18,20,21,22@新国立劇場公演
8/3,4@札幌文化芸術劇場公演
https://opera-festival.com/2019turandot 

 

♩7/27〜8/12 フェスタサマーミューザKAWASAKI2019 

夏の風物詩、ミューザ川崎のフェスタサマーミューザKAWASAKI2019、今回はホール開館15周年記念となる。ノット&東響交響楽団の開幕はリゲティ「ピアノ協奏曲」とはいかにも。首都圏、札幌 PMF、仙台フィルなどオケが集ってのオーケストラ12公演は多彩な演目でよりどりみどり。ロシア、イタリア、スペイン、はたまた名曲ツァー?21世紀のバッハを聴くオルガン1公演、子供フェスタ2公演、大西順子ピアノトリオでジャズ1公演などなど、熱い演奏でさらに熱く盛り上ろう。

7/29~8/12@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://www.kawasaki-sym-hall.jp/festa/

 

 

♩7/31 山根一仁(ヴァイオリン)&上野通明(チェロ)&北村朋幹(ピアノ) Vol.2

トッパンホールの若獅子トリオ、山根一仁、上野通明、北村朋幹によるシリーズ第2回。
全回ベートーヴェンを軸に据え、ということで第1回はベートーヴェン『第1番』のほか、ショスタコ、ブラームスのいずれも『第1番』を並べ、若々しい新鮮なトリオを聴かせたが、今回はベートーヴェン「第5番《幽霊》」をラヴェル、シューマンで囲んだ。ラヴェルの色彩とシューマンの奥行きをどう描き出すか、『幽霊』とともに彼ららしい表現世界を期待しよう。

7/31@トッパンホール
http://www.toppanhall.com/concert/detail/201907311900.html