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注目のコンサート|2021年3月

♩3/6 東京交響楽団 モーツァルト・マチネ 第44回

小菅優の弾き振りでベートーヴェン「ピアノ協奏曲 第0番」とモーツァルト「ピアノ協奏曲 第23番」。東響との弾き振り共演も3回目。モーツァルトの影響下、若きベートーヴェンが独自性を拓いて見せた第0番と、後期傑作モーツァルトの第23番はほぼ同時期に書かれた作品。それぞれの位置と個性の織りなす音楽世界を小菅と東響がどう描き出すか。チャレンジングなマチネ。

3/6@ミューザ川崎シンフォニーホール
https://tokyosymphony.jp/pc/concerts/detail?p_id=Dzobihdq8TY%3D&month=03

 

 

 

♩3/6、7 Project NAKA 第1回公演~めぐる~

クラシック音楽と他分野のコラボレーションを謳うProject NAKAの旗揚げ公演。2日間4公演でそれぞれコンテンポラリーダンス、映像、朗読、絵画とクラッシック音楽・現代音楽とのコラボレーションが試みられる。コロナ禍で一層閉塞感を強めている感のある音楽シーンを吹き抜ける風が吹くかどうか、その試みに期待したい。

3/6,7(各日昼・夜で別プログラム公演)@アレイホール
https://www.projectnaka.com/line-up

 

 

 

♩3/6、7日「ローエングリン」@びわ湖ホール

ちょうど一年前に「神々の黄昏」の無料同時配信で世界の注目を集めたびわ湖ホールが、再びワーグナーを取り上げる。今度の演目は「ローエングリン」。ウィルス感染拡大予防のためにセミ・ステージ形式を採用するが(ステージングは粟国淳)、〈婚礼の合唱〉や〈前奏曲〉などの人気楽曲に加え、白鳥の騎士とエルザの愛の葛藤の場面など聴きどころも多い作品だけに十分堪能できるはず。「びわ湖リング」で高い評価を受けた芸術監督沼尻竜典のワーグナーを、今一度堪能したい。

https://www.biwako-hall.or.jp/performance/special/lohengrin202103.html

 

 

♩3/7 府中の森クラシックコレクション IL DEVU イル・デーヴ “府中場所”

テノールの望月哲也と大槻孝志、バリトンの青山貴、バスバリトンの山下浩司、そしてピアノの河原忠之による、ボーカル・ユニットの公演。
オペラ、歌曲、オラトリオなどの管弦楽と声楽による楽曲で、ソリストとしても活躍している4人が、オペラのアリアによる独唱のほか、J-POP・映画音楽・ミュージカル・謡・唱歌などのジャンルを超えた作品によるアンサンブルで、声楽の醍醐味を楽しませてくれる。

3/7@府中の森芸術劇場ウィーンホール
http://www.fuchu-cpf.or.jp/theater/1000331/recommend/1004613.html

 

 

♩3/13 嘉目真木子(ソプラノ) Vol.2 ―その国に生きて

トッパンホールのエスポワール シリーズ12は嘉目真木子Vol.2―その国に生きて。
Vol.1はオール日本歌曲で勝負した嘉目。今回はドイツリート以外の世界の歌曲、19~20世紀ヨーロッパの8人の作曲家を取り上げる。オブラドルス、シマノフスキなどあまり知られない作品の紹介も含め、ヴァラエティに富んだプログラム。北村朋幹pfのエスコートぶりも楽しみだ。

3/13@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202103131700.html

 

 

 

♩3/14 クァルテット・エクセルシオ×クァルテット・インテグラ

トリトン・アーツ・ネットワーク主催のクァルテット・ウィークエンド 2020 – 2021SQW #153に登場は中堅実力派Qエクセルシオと新鋭次世代Qインテグラの組み合わせ。先輩はシューマン、後輩はシューベルト、合同でメンデルスゾーン八重奏曲というプログラムで、どんな化学反応を聴かせるか期待大。
昨今の日本の室内楽の「元気」を満喫したい。

3/14@第一生命ホール
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2021/03/14/3172/

 

 

 

♩3/17〈異才たちのピアニズム 8〉トーマス・ヘル(ピアノ)
(公演中止)
まさにスーパー・ヴィルトゥオーゾと呼ぶにふさわしいピアニスト、トーマス・ヘルのリサイタルがトッパンホールで3度目の開催。昨年開催されるはずだったため、2020年というベートーヴェン・イヤーにちなみメインのプログラムは〈ディアベリ変奏曲〉で、ベートーヴェン作品に直接インスパイアされたであろう矢代秋雄、権代敦彦の作品が連なる。ヤナーチェクのソナタ〈1905年10月1日街角にて〉も披露されるという。個性的なプログラムに今から期待が高まる。

3/17@トッパンホール
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202103171900.html

 

 

♩3/19 大石将紀 サクソフォン×邦楽器×現代音楽プロジェクト #3 サクソフォン × 笙

日本の伝統的な楽器とサクソフォンの融合を試み伝統の継承を目指すプロジェクトの第3回目が開催される。今回のゲストは宮田まゆみ(笙)で、委嘱作曲家として、細川俊夫、フランスで活躍するチリ人の若手作曲家フランシスコ・アルヴァラドの名が挙げられている。伝統の革新を耳で捉える、重要な機会となるだろう。トークコーナーもあるという。

3/19@ムジカーザ
http://opus-one.jp/concert/大石将紀 サクソフォンx邦楽器x現代音楽プロ/

 

 

♩3/19~4/23 東京・春・音楽祭

毎年桜の花の時期に上野を中心とするエリアで行われてきている東京・春・音楽祭、今年で17回目となる。昨年はコロナの影響で多くの公演が中止された。今年も発表されているプログラム、特に外来演奏家による公演が実施できるか現時点では見通せない。新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、全プログラムのライブ・ストリーミング配信が有料で実施される。昨年まで行われていた無料のオンデマンド配信がなくなるのは残念だが、会場に行けない人でも楽しめることだろう。
東京春祭ワーグナー・シリーズは《パルジファル》をマレク・ヤノフスキ指揮 NHK交響楽団で、リッカルド・ムーティによるイタリア・オペラ・アカデミーin東京は 昨年延期された《マクベス》。また、読売日本交響楽団による東京春祭プッチーニ・シリーズが《ラ・ボエーム》で始動する。
歌曲シリーズには、クリスティアン・ゲルハーヘル、クリスティアン・エルスナーなど楽しみな名前が並ぶ。
無事に開催できることを期待したい。

3/19~4/23@東京文化会館大ホール他
https://www.tokyo-harusai.com/

3/20 土と装飾:郷古廉&加藤洋之デュオリサイタル

音楽評論家伊東信宏が郷古廉・加藤洋之のデュオを想定して企画したこのシリーズでは、バルトークのソナタなどを取り上げた第1弾「土と挑発」が令和元年度文化庁芸術祭大賞を受賞するなど高い評価を受けている。「土と装飾」と題した今回は、エネスクのソナタ第3番を中心に、ブルガリアの作曲家ヴラディゲロフの作品を取り上げるなどやはり民族色豊かなものになりそうだ。伊東企画ならではのプログラミングに加え、郷古・加藤デュオのキレある演奏に、会場が興奮の坩堝と化すことは間違いないだろう。

3/20@あいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホール
https://phoenixhall.jp/performance/2021/03/20/13321/

♩3/20 室内楽ホールdeオペラ~佐藤美枝子のオペラ「蝶々夫人」

ホールでコンパクトにオペラを楽しむシリーズ、今回は佐藤美枝子を迎えてのハイライト上演「蝶々夫人」。井ノ上了吏(ピンカートン)与田朝子(スズキ)久保田真澄(シャープレス)に服部容子が音楽監督・ピアノ。中村敬一演出、山本郁子の語りで凝縮したドラマを展開。大掛かりなセットとは異なる歌声の饗宴に濃密な時間が過ごせよう。

3/20@第一生命ホール
https://www.triton-arts.net/ja/concert/2021/03/20/3341/

 

 

 

♩3/21 オーケストラ・ニッポニカ第37回演奏会 1964年前後・東京オリンピックの時代

空前のコロナ禍により今年も開催が危ぶまれる東京オリンピックであるが、ニッポニカが取り上げるのは1964年の東京オリンピックと同期の4作品。いずれ劣らぬ個性溢れる作家・作品を改めて聴き直し、音楽とそれが生まれた時代について考えを巡らせたい。

3/21@紀尾井ホール
http://www.nipponica.jp/concert/next_concert.htm

 

 

 

 

♩3/26 黒川侑ヴァイオリン・リサイタル

第75回日本音楽コンクール第1位、2015年ルドルフォ・リピツァー国際ヴァイオリンコンクールでAnna Piciulin特別賞など受賞、その活躍が注目の黒川がハクジュのリクライニングに気鋭のピアニスト久末航と登場。ストラヴィンスキー「イタリア組曲」など編曲ものから、ブラームス「雨の歌」までを聴かせる1時間。初共演、それぞれの個性の挑発と燃焼に未来を見よう。

3/26@ Hakuju Hall
https://www.hakujuhall.jp/syusai/255.html

 

 

 

♩3/28 山本貴志ピアノ・リサイタル

2005年ショパン国際コンクール第4位入賞、ワルシャワ・ショパン音楽アカデミーを首席卒業「ポーランドの魂こころを伝えるピアニスト」として注目を集める山本貴志がショパンを中心のプログラムで昼夜別プロのリサイタルを開く。場所は3月閉館の松尾ホール。昼はモーツァルト、ベートーヴェンにショパンのマズルカ、舟歌、ポロネーズ、夜はショパンのみでノクターン、24の前奏曲。ショパンの音とホールの響きにしみじみ心を傾けたい。

3/28@松尾ホール
http://takashi-yamamoto.com/top.html