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注目のコンサート|2020年12月

♩12/3 東京シンフォニエッタ第48回定期演奏会

板倉康明率いる東京シンフォニエッタ第48回定期は「作曲家の横顔 武満徹~生誕90年~」。武満3作《雨ぞ降る》《雨の呪文》《系図〜若い人たちのための音楽詩(岩城宏之編曲による室内楽版、東京初演/語り:林愛美)に、川島素晴作品《And then I knew ’twas Toccata II》(委嘱世界初演)を加えて。武満オタクを自認する川島が武満を「風」と捉えての新作も楽しみ。

12/3@東京文化会館小ホール
http://orchestra.musicinfo.co.jp/~ts/perform.html

 

 

 

♩12/3 Point de Vue spin-off’ 20

作曲家 鈴木輝昭・森山智宏プロデュースによる邦人室内楽コンサートシリーズ。2007以来の定期公演がコロナにより2021年4月に延期(vol.14)となった。その、spim-offとしての新企画。五十嵐琴未、面川倫一、増井哲太郎、中村匡寿の新作初演のほか鈴木輝昭、森山智宏作品と新鋭からヴェテランまでの作品が並ぶ。曲ごとの多様な編成による新たな音の地平に期待したい。

12/3@古賀政男音楽記念館 けやきホール
https://infopointdevue.wixsite.com/official/concert

 

 

 

♩12/4 東京芸術劇場開館30周年記念 読売日本交響楽団演奏会

東京芸術劇場ができて30年になるという。それを記念してのコンサートは、新進気鋭のフランス人指揮者マキシム・パスカルを迎え、フランスものと望月京の新曲というプログラム。反田のラヴェルも楽しみ。
(望月の曲は変更となり『むすび』が演奏される)

12/4@東京芸術劇場コンサートホール
https://www.geigeki.jp/performance/concert219/

 

 

 

♩12/5,6 NHK交響楽団 12月公演 NHKホール

井上道義を指揮者に迎え、N響が超重量級のプログラムを組んだ。ショスタコーヴィチの交響曲1番に、井上道義が近年数々の名演をものしている伊福部昭の『日本狂詩曲』そして『ピアノと管弦楽のためのリトミカ・オスティナータ』。ロシア文化に親しかった伊福部とショスタコーヴィチを並べる所は実に正道である。井上・N響・ピアノの松田華音が伊福部『リトミカ・オスティナータ』で要求される体力気力音楽力の限界を超えられるかどうか、畏れつつ聴かねばなるまい。

12/5,6@NHKホール
https://www.nhkso.or.jp/concert/20201205_2.html
https://www.nhkso.or.jp/concert/20201206_2.html

 

 

♩12/4、6 ベルカントオペラフェスティバル イン ジャパン 2020
        ニコラ・ヴァッカイ:《ジュリエッタとロメオ》
(2022年3月17、19日に公演延期)

第3回となる藤原歌劇団とヴァッレ・ディトリア(マルティーナ・フランカ)音楽祭 提携公演、ベルカントオペラフェスティバル、今年の演目はニコラ・ヴァッカイの《ジュリエッタとロメオ》、1825年にミラノで初演され大成功を収めた。その一部は、同じ台本作家フェリーチェ・ロマーニによるベッリーニの《カプレーティ家とモンテッキ家》の上演で流用されることもあった。ヴァッレ・ディトリアでは2018年に上演されており、そのときのメンバー、レオノール・ボニッジャ(S)とラッファエッラ・ルピナッチ(Ms)等と、藤原歌劇団の歌手との共演が予定されている。
ヨーロッパにおけるコロナの感染状況の影響が危惧されるが、実現を期待したい。

12/4,6@テアトロ・ジーリオ・ショウワ
https://www.jof.or.jp/performance/2012_BOF/

♩12/7 「永遠のカノン」2本のリコーダーの対話

平尾リコーダー工房の40周年を記念した演奏会。リコーダー製作家・平尾重治というのは、山岡重治の製作家としての名前である。リコーダー奏者・教育者・製作家として活躍してきた山岡が、2015年に出した2本のリコーダーによるCDでもタッグを組んだ太田光子とリコーダーデュエットの世界を繰り広げる。

12/7@近江楽堂
https://www.facebook.com/events/近江楽堂/永遠のカノン2本のリコーダーの対話/690629648219775

 

 

 

♩12/12 青柳晋 務川慧悟 ピアノデュオリサイタル

青柳晋と務川慧悟の東京芸大師弟コンビによるピアノデュオ・リサイタル。リストやショパンなどで高い評価を得るなど日本を代表するピアニストの青柳に対し、務川は2019年ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール2位入賞を果たした注目の若手。ストラヴィンスキー「春の祭典」やリスト「レ・プレリュード」など、オーケストラ作品からの編曲版を2台のピアノで演奏する。華やかでエキサイティングなピアノのステージが堪能できるに違いない。

12/12@秋篠音楽堂
http://www.anges-music.com/

 

 

♩12/13Just Composed 2020 Winter in Yokohama
      ~現代作曲家シリーズ~ 山根一仁、阪田知樹、挟間美帆

横浜みなとみらいホールが日本の現代音楽をフィーチャーするJust Composed inYokohamaシリーズ、今回はヴァイオリニストとして揺るぎない実力と名声を備えた山根一仁を選考委員の1人としてプログラムを組んだ。バッハ、タンスマン、シュニトケ、ナッセン、そして日本の挟間美帆の旧作の編曲版、稲森安太己の委嘱初演と名前を挙げただけでもどんな音楽が待っているのだろうとワクワクしてくるではないか。
共演にピアノの阪田知樹、挟間美帆。

12/13@横浜みなとみらいホール小ホール
https://mmh.yafjp.org/mmh/recommend/2020/12/just-composed-2020-winter.php

 

♩12/13 ジャン=ギアン・ケラス 無伴奏チェロ・リサイタル -dance-

広範なレパートリと超絶技巧を誇るケラス。昨年はバッハ無伴奏でローザスダンスカンパニーとのコラボで話題となった。今回の無伴奏は “dance”をテーマとした選曲。バッハ無伴奏チェロ組曲第6番、コダーイ「ソナタ」、カサド「チェロ組曲」とそれぞれの地と光に踊る音楽を聴かせる。

12/13@三鷹市芸術文化センター 風のホール (完売)
https://mitaka-sportsandculture.or.jp/geibun/wind/event/20201213/

 

 

 

 

♩12/16 鈴木治行・室内楽パノラマ ~誤作動する記憶~

時空間感覚に独自の世界をひらく作曲家・鈴木治行の、今回で6回目となる室内楽個展が開催される。今回の個展では、「句読点」シリーズ、「語りもの」シリーズ等、鈴木の今まで取り組んできた路線の1998~2020年まで新旧8作をずらりと並べた。誤作動、の言葉がいかにも彼の現代音楽界での立ち位置を言い得て妙だ。その揺らぎをぜひ体感すべし。
なお、本公演には配信チケットもあり。

12/16@東京オペラシティリサイタルホール
https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=58835
配信チケット
https://haruyukisuzuki-malfunction.peatix.com/view

 

♩12/16 郷古廉 ヴァイオリン・リサイタル

コロナ禍によりpfホセ・ガヤルドが来日不可となり、無伴奏作品のみを並べた郷古廉。ガヤルドとの共演も楽しみだったが、これはこれで彼の真価を凝視できるまたとない機会である。ビーバー《ロザリオのソナタ》、イザイ「ソナタ第2番」バッハ「パルティータ第2番 」バルトーク「ソナタ」と、まさに幅と奥行きが問われるプログラム。期待したい。

12/16@トッパンホール (完売)
https://www.toppanhall.com/concert/detail/202012161900.html

 

 

 

♩12/17 佐原詩音作曲個展VoL3「おはなしとおんがく」

音楽と言葉はどちらが雄弁か、というのははるか昔から現在まで続く難題であるが、佐原詩音は子ども向けのおはなしから社会問題、科学・哲学までにわたる「おはなし」を音楽と結びつけて作曲するという。音楽と言葉が共鳴して新たなる現代音楽が現れるのを期待したい。
(7月7日の演奏会の振替公演)

12/17@杉並公会堂小ホール
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2026029

 

 

 

♩12/17,18,19,20 新日本フィルハーモニー交響楽団「第九」特別演奏会

コロナ禍において、合唱を伴う管弦楽曲の演奏は危機にある。
大規模な合唱を伴う音楽公演のあり方、「プロ」「アマチュア」という合唱の担い手の問題などの課題が提示されている。
この状況下で、今年の第九は、公演中止か、合唱を「プロ」合唱団に変更しての公演開催かで判断が分かれている。
広上淳一の指揮、邦人ソリストと、オペラのみならず、合唱演奏会開催などの歴史を刻んできた二期会合唱団による、この2020年の第九公演が、どのように開催され、聴かれるのかを見つめてみたい。

12/17@横浜みなとみらいホール
https://www.njp.or.jp/concerts/13763
12/18@Bunkamuraオーチャードホール
https://www.njp.or.jp/concerts/13775
12/19@サントリーホール
https://www.njp.or.jp/concerts/13783
12/20@すみだトリフォニーホール
https://www.njp.or.jp/concerts/13786

♩12/18 早川りさこ&池松宏 ランチタイムコンサート

浜離宮朝日ホールのランチタイムコンサートに登場は早川りさこharp &池松宏cbという一味違う組み合わせ。カッチーニ「アヴェ・マリア」、モンティ「チャルダッシュ」、B・ジョエル「スーベニア」、ポンセ「エストレリータ」と、バラエティに富んだプログラムでうっとりワクワクできそう。

12/18@浜離宮朝日ホール
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2020/12/event1697.html

 

 

 

 

♩12/25 堤剛 チェロ・リサイタル

コメント:日本を代表するチェリスト・堤剛のソロリサイタル。今回のプログラムは、日本の現代音楽のみで構成されており、回顧的かつチャレンジングな試みである。次世代に語り継ぐ名曲が一堂に会する一夜に、ぜひ足を運びたい。ピアノは土田英介。
(6月25日の振替公演)

12/25@トーキョーコンサーツ・ラボ
https://tocon-lab.com/event/20200625