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撮っておきの音楽家たち|ウラディーミル・アシュケナージ|林喜代種

ウラディーミル・アシュケナージ(ピアニスト 指揮者)

2018年11月16日 東京芸術劇場
photos & text by 林喜代種(Kiyotane Hayashi)

ピアニストで指揮者のウラディーミル・アシュケナージは旧ソヴィエト連邦のゴーリキー(現ニジニ・ノウゴロド)生まれ。1955年のショパン国際コンクール第2位。1956年ブリュッセルのエリザベート王妃国際ピアノコンクール、1962年チャイコフスキー国際コンクールでそれぞれ首位に輝きピアニストとして不動のものにした。その後国籍をアイスランドに移しピアニストのみならず指揮者として世界の主要オーケストラと共演。2018年11月には初来日のアイスランド交響楽団を率いて公演を行なった。客演にピアニストの辻井伸行を迎え好評を博した。公演冊子によるとウラディーミル・アシュケナージはアイスランド交響楽団、シドニー交響楽団、NHK交響楽団の桂冠指揮者、スイス・イタリアーナ管弦楽団の首席客演指揮者に就任。
ロンドンのフィルハーモ二ア管との関係は深く、英国各地に加え世界中の多くのツアーで指揮台に立っている。また近年は録音が主であるが、並はずれた演奏レパートリーを有するアシュケナージのピアノへの情熱は健在である。J.S.バッハの『フランス組曲』、『平均律クラヴィーア曲集』をリリースするなどバッハ作品収録に力を注いでいる。バッハからショスタコーヴィチに至る膨大なレコーディングを集積した『ウラディーミル・アシュケナージ・デッカ録音50周年記念ボックス』(50枚組のCDボックス)やラフマニニフのほぼ全作品を網羅したラフマニニフ・コレクションがある。
オーケストラの指揮が続く中、久し振りにピアノ演奏を聴くことが出来そうだ。2019年5月息子とのピアノ・デュオコンサートが予定されている。

 (2018/12/15)