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撮っておきの音楽家たち|マティアス・バーメルト|林喜代種

マティアス・バーメルト(指揮者) 
Matthias Bamert, Conductor

2020年2月7日 サントリーホール
2020/2/7 Santory Hall
Photos & Text by 林喜代種 (Kiyotane Hayashi)

マティアス・バーメルトが札幌交響楽団を率いて東京公演を行なった。バーメルトは1942年スイス生まれ。77歳。母国スイスとドイツ・ダルムシュタット、パリで音楽を学ぶ。作曲をピエール・ブーレーズとカールハインツ・シュトックハウゼンに師事する。1970年代のバーメルト作品に顕著に表れている。1965年までザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団のオーボエ奏者を務め、その後指揮者に転向。指揮者のキャリアはアメリカでジョージ・セルに師事することから始まり、レオポルド・ストコフスキーの助手、そしてロリン・マゼールが音楽監督のクリーブランド管弦楽団で正指揮者を務めた。札響とは2014年1月初共演。2018年4月札幌交響楽団首席指揮者に就任する。今回の東京公演では、前半がシューベルト/ウェーベルンのドイツ舞曲、マーラーの「亡き子をしのぶ歌」、バリトン歌手はバーメルトが指名したディートリヒ・ヘンシェルが務める。後半はベートーヴェンの交響曲第7番を演奏。懐かしい演奏であった。良く言えば古き良き時代の伝統を守る懐かしい指揮ぶりであった。何かホッとする雰囲気を味わう。マティアス・バーメルトはこれまでにバーゼル放送響、ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ、ニュージーランド響、テジョン・フィル等の首席客演指揮者、グラスゴーの現代音楽フェスティヴァル「ムジカノヴァ」、ルツェルン音楽祭の音楽監督を務めた。またフィルハーモニア管、BBC響、バーミンガム市響、BBCフィル、等をしばしば演奏会や録音で指揮している。またBBCプロムスにもたびたび出演している。パリ管、モントリオール管、シドニー響、NHK交響楽団など世界的なオーケストラを指揮している。CDも80タイトル以上を録音して、数々の国際的な賞を受けている。

(2020/2/15)