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撮っておきの音楽家たち|ジャン・チャクムル|林喜代種

ジャン・チャクムル(ピアニスト) 
Can Çakmur, Piano

2020年2月4日 Hakuju Hall
2020/2/4 Hakuju Hall
Photos & Text by 林喜代種 (Kiyotane Hayashi)

ジャン・チャクムル(Can Çakmur)は2018年第10回浜松国際ピアノコンクールで優勝した1997年生まれのトルコ出身のピアニストである。第10回浜松国際ピアノコンクールは「蜜蜂と遠雷」で話題となったコンクールである。また今回はベーゼンドルファー280VCというコンサートグランドピアノを使用している。正確なピアニズムとともに端正で透明感のある音楽が印象的であった。ジャン・チャクムルは浜松の前年にスコットランド国際ピアノコンクールで1位になっている。この2つのコンクール制覇でエディンバラのアッシャーホール、パリのサルコルトー、リトアニアのフィルハーモニックホール、浜松のアクトシティなどの著名ホールで演奏。2015年イスタンブール音楽祭のオープニングでボルサン・イスタンブル・フィルと共演。ボドルム・Dマリン国際音楽祭等の著名な音楽祭にも出演。16歳でキシェヒル響のオープニングコンサートに招かれている。これまでにトマス・セナゴ―、高関健、サッシャ―・ゲッツェル、モデスタ・バルカウスカス等の指揮者と共演している。彼はピアノだけにとどまらずライターや話し手としても熱心に取り組んでいる。2015年から毎月トルコの音楽雑誌「Andante」に寄稿。また自身のコンサートでは司会も務める。
これまでにレイラ・べケンシル及びアイシェ・カプタンのもとで音楽を学ぶ。6年間師事した菅野潤やエムレ・シェンに大きな影響を受ける。2012年アンカラの高校を卒業後、パリのスコラ・カントルムでマルセラ・クルデリに師事。2014年首席で卒業。イスタンブルにてドニゼッティ・クラシック音楽賞の「2015年ヤング・ミュージシャン賞」受賞。現在ヴァイマル音大のグリゴリー・グルツマン教授のもとで研鑽中。同時にベルギーのダイアン・アンダーセンとの活動も継続。ピアノ・デュオのぺキネル姉妹が主導する若い演奏者のための教育プロジェクト「G & S Pekinel Young Musicians on the World Stages」に選出され、研鑽のためグランドピアノが供与されている。今回の演奏曲目はリストがシューベルトの歌曲をピアノ独奏に編曲した「白鳥の歌」が中心。

(2020/2/15)