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Back Stage|演奏会のプログラムについて〜京都フィルハーモニー室内合奏団|田中千鶴

演奏会のプログラムについて〜京都フィルハーモニー室内合奏団

Text by 田中千鶴(Chizuru Tanaka)

京都フィルハーモニー室内合奏団の自主公演では定期公演、室内楽コンサート、0歳児からの子どもコンサートという3つにわけたコンサートをしている。
その中で室内楽コンサートについて説明しよう。

この室内楽コンサートの曲目については楽団員が全て決めている。

基本的にプロの楽団というのは曲目を決めるときには事務局か指揮者が決めることが多い。
一番にはお客さまに足を運んでいただくためのプログラムというのがきわめて重要である。
しかし、それだけではないのだ。
その他4つに分けてみた。

ア)時代の流行
例えば2020年はベートーヴェン生誕250年イヤーである。どこのオーケストラもベートーヴェンの楽曲を取り上げることが多い。このように時代の流行で考えることも多い。

イ)バランスや時間
コンサートには時間が決まっている。90分のコンサートや120分のコンサートや様々である。その限られた時間の中で曲目を決めなければならない。
1曲1曲考えることも重要であるが、全体をみたときにバランスはどうかということが重要である。

ウ)金銭面
これは避けては通れないところである。楽譜を持っていなければ楽譜代や、チェンバロ等の特殊楽器を使うのであればレンタル楽器代が必要である。特に室内合奏団ではフルオーケストラよりレパートリーが減ってしまうために永遠の課題である。

エ)演奏者の向上
ここがきわめて難解なのかもしれない。私たちはロボットではなく、音楽の精神的側面を考慮しなければならない。これからも音楽が受け継がれるためにもこの演奏者の向上が必要不可欠である。

このような事柄を考慮しながら決定するのである。

さて最初の話に戻るが室内楽コンサートの曲目については楽団員が全て決めている。
特に「エ」の部分を尊重するために楽団員が決めていることになっている。
したがって室内楽コンサートは非常に意欲的なコンサートである。室内楽コンサートでは楽団員が何故この曲を選んだかという説明も含め曲紹介をすることになっている。私はまた次回のコンサートも非常に楽しみである。

田中千鶴(ライブラリアン)

(2020/1/15)


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◆室内楽コンサートシリーズvol.75
「室内楽・とことん名曲セレクション!」
2020年2月22日(土)開演17:30~
京都市北文化会館
入場料(前売・税込)2,000円[プチプレゼント付き]
※全席自由席、当日券500円増   未就学児のご入場はご遠慮ください。

<曲目>
・テレマン/”英雄的音楽”より抜粋
・モーツァルト/ディベルティメント ヘ長調 K.138
・ヴィヴァルディ/フルート協奏曲”ごしきひわ”RV90
・ブラームス/クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
http://kyophil.com/kyophil/2012shikon.html